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スパイは誰か?言ってみれば、それだけで映画を作ったわけだけど。実にうまくできた映画だ。まず最初のエピソードでスパイがいるらしいって事と、そのスパイは許せないっていう二つのことを同時にうまく見せた。それから、もういっこの出来事でスパイがいることを確定的にして。そこにやってきた中尉。ドイツの列車爆発を成功させた言わばリトルヒーローの登場。そこからホールデンが怪しいって要素を見せていく手腕がいい。単に怪しいってだけじゃなく、金儲けが上手いっていう魅力を見せる。これは同時に「この男はヤルぞ」ってポテンシャルを見せて客に期待をさせて盛り上げるのに成功している上手いアイデアだ。中尉の存在が最後まで効いてたのが脚本の見事さだった。中尉が捕まって。みんなで中尉を助けようとなって。そして中尉救出とホールデンの脱走でクライマックスになって。中尉と二人でラストシーン。この中尉が入ってくるというアイディア一つで大成功したと思う。それから、電球コードのヒントを客に見せてジラすってのも憎いね。それからコメディ役の2人の存在も効いてたね。でも、なんといってもホールデンのカッコ良さだろう。彼は顔はそんなにかっこよくないと思うんだよね。やっぱり存在感とかオーラとか。表情とか自信とか不敵さとか。客を味方にするものを持ってるんだな。今回は悪童っぽさが際立ってた。 なんといっても私がこの映画でお気に入りなのは、最後の最後まで彼が金を儲けるというキャラで芯が通ってる点だな。キマってたよ。
そして、監督がビリー・ワイルダー。実にいろんな映画を撮れる監督さんだね。ビリーワイルダーだから、自分が知ってる以外にも面白いものがあるに違いない・・と思ってあたってみて良かった。
このサントラは映画用オリジナルだそうだ。みんなこの曲は知ってるのに映画を知らないなんてとても残念だな。映画も有名になってほしい。
この作品は舞台が原作でブロードウェイで公開され、472回も上演されたそうだ。原作者は他にこれといった映画は作ってないので、何者だろうと調べてみた・・・なんと、本当にドイツの捕虜になっていた人物だそうだ。なるほどね。よくぞ生き残ってくれました。・・ナチに捕まってた割には、ナチの人々ををひどい人物たちとは描いていない。見事なエンターテイメントだ。味方がスパイとして混じっているので、捕虜の待遇はさほど酷くなかったのかもしれん。