グリーンマイルのレビュー・感想・評価
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治癒と医学を司る霊鳥か
ジョン・コーフィーのモチーフはカラドリオスかなと思います。
病人や死に瀕した者の治癒を行う神鳥。
面白いのは真っ白なはずのカラドリオスの能力と特徴を黒人の大男が持っている、と、キリスト教圏のカラドリオスのイメージをひっくり返しているところです。
そしてコーフィーはカラドリオスと違い、死の運命から逃れられない者をさっさと見限って飛び去っていく事はできず、ずっと泣いていました。そして復讐もしてしまいました。
彼は紛れもなく人間なんですね。
劇中、ポールはコーフィーは神の使いではないかと感じます。
伝承のカラドリオスだって神の奇跡だキリストの化身だ言われても、元はキリスト教圏外の、チドリ科の鳥が神格化された架空動物。
コーフィーもまた、(神の意志など関係なしに)ただこの世に人として生まれた生命に過ぎなかったのかもしれません。
ポールの長寿は呪いでも罰でもなく、コーフィーの善意なんだろうなと思います。
それが不老不死に憧れてもいない普通の人間であるポールには残酷だったというだけ。
哀しいヒューマンドラマです。
私にはあんまり。
映画が好きになったきっかけ
どうしても許せない
デルが処刑される際、パーシーがデルにした事がどうしても許せない。
確かにデルは犯罪者だが、相手が誰かは重要じゃない。
性格の悪いクソガキのイタズラみたいに、平気で残酷なことを行ってしまえるあの感覚が、許せないのだ。
被害者や遺族の気持ちを代弁してやる、という思いからの囚人イジメならまだわかるが、パーシーの場合はただの娯楽だ。
よく、学校や職場なんかのイジメで『あいつが悪いんだからイジメても良いんだ』と正当化するイジメっ子がいるが、それと同じ。
誰だからイジメても良いだとか、これはイジメじゃないだとか、問題はそこではない。
娯楽として楽しんでしまえるかのような、その心が問題なのだ。
この映画、物凄く嫌な気分になれる。
人間の嫌な部分がたくさん描かれているから。
また、無罪の死刑囚コフィーが奇跡を起こす際の描写が面白いのと、納得のラストが印象に残った。
ネズミと共に。
トムハンクスの演技が素晴らしい最後の処刑シーンで、悲しむべき所では無い、これがコーフィーの願いだからという表情にグッときた。
物語の核がファンタジー色の強い作品ですが、上手く映画として描かれていたと思います。
満足度85%
スティーブン・キングが1996年に発表した「グリーンマイル」という小説を映画化した作品。死刑囚が収容されている刑務所を舞台とする映画にもかかわらず、全然怖い作品ではなかった。ジョン・コーフィは結局なんだったのか、不思議なパワーを持つ彼は何者なのか、「神の使者」や「自然そのもの」などいろいろな説はあるが実際はわからない。パーシーとウォートンに関しては何度も死ねばいいのにと思った。また、ポールが長生きしてしまうのは欲張ってメリンダをコーフィに治してもらったからであると思った。だってその結果メリンダから吸い取った病気をパーシーに移し、パーシーは頭がおかしくなり、ウォートンを殺してしまったのでコーフィを助けることができなくなったのだから。死ぬまでにみておかないと後悔する作品。
過去レビュー
それが私の罰だ
テーマが理解されていない秀作NO1
人間はなんと利己的で醜いのか。
上司の美しい奧さんを助ける為には、色んなリスクを冒してコフィー(マイケル・クラーク・ダンカン)を檻から出していいように使う。しかしコフィーを無実と知りつつ死刑台に送ることは、「しょうがない」「本人が生きるのがつらいと言ってる」から等と、ポール(トム・ハンクス)を初め、刑務官達は何もすることもなく諦める。
あの頃の黒人を助けるすべはなかった?と、自分達を納得させる。
大部分の観客も、しょうがないと納得。無実だと知ってる人間を死刑台に送るのは、さぞや辛かっただろう!と涙ぐむ。そうなんだろうか?私はこの刑務官達の嫌らしさに、鳥肌が立った。何故、上司の美しい奧さんを助けた時のように、コフィーの為にリスクを冒さないんだ?
そして永遠の命を得たポールは、愛する者の死を見届け続ける。まるで罰のように。終わらない孤独。何故、ポールだけ罰を受ける?他の刑務官達は、安らかな死を迎えたのに?
本作は人間の身勝手さ、嫌らしさ、醜さ、世の理不尽さ、不条理さを描いた秀作であって、決して「無実の人間を死刑台に送った!俺たち(刑務官達)辛かった!」な、感動・号泣映画ではない
グリーンマイル
トムハンクスの良作
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