黒い家

劇場公開日:

解説

古都・金沢。昭和生命北陸支社に勤務する若槻慎二は、保険金の請求書類に埋もれ苦闘する日々を送っていた。ある日、若槻は中年女性の声で「自殺でも保険金は下りるのか」という問い合わせの電話を受ける。思いつめたその声の様子に、思わず自殺を思いとどまるようなだめたが、相手は彼の名前を確認すると電話を切った。そして翌日、菰田と名乗る契約者から若槻名指しのクレームを持ち込まれる。

1999年製作/118分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1999年11月13日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第23回 日本アカデミー賞(2000年)

ノミネート

主演女優賞 大竹しのぶ
助演男優賞 西村雅彦
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映画評論

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(C)1999「黒い家」製作委員会

映画レビュー

4.0「Jホラーの一つ」という範疇には収まりきらない一作

2024年9月25日
PCから投稿

没後10年以上を経て、フランスでの回顧上映が実現するなど再び脚光を集めている森田芳光監督が、1999年に制作した作品です。

同年に森田監督は『39 刑法第三十九条』(1999)を公開しており、『家族ゲーム』(1983)、『ときめきに死す』(1984)で新鋭監督として登場して以来キャリアを積み重ね、『失楽園』(1997)に続いて監督としての円熟期を迎えようとしていました。

この年はまた、『死国』や『リング2』公開など、いわゆる「Jホラー」ブームのただ中にあったため、森田芳光作品というよりも「Jホラーの一作品」という見方もされがちでした。

実際のところ、内野聖陽演じる若槻の日常が徐々に狂気に浸食されていく過程など、Jホラーの特徴ともいえる要素を押さえた作りにはなっています。

同時にまた、黄色の特徴的な使い方など、本筋を支える細部に森田作品ならではの要素がちりばめられていて、数多く作られたJホラー作品の一つ、という範疇には収まらないような異彩を放っています。

本作を特徴づけているのはやはりなんといっても大竹しのぶの名演(怪演)で、テレビでお馴染みの口調そのままなのに、それが何とも言えない恐ろしさをたたえているところがすごい。

内野や西村雅彦の様子の演技ももちろん素晴らしいのですが、大竹しのぶはそれをさらに凌駕している感。

ただ後半に至って、ある人物(ってぼかしても誰のことか一目瞭然だけど)の姿を通じて現代社会に息づく狂気を描こうとしたのか、あるいはその人物を超常的な力も備えたモンスターとして描こうとしたのか、いろんなホラー演出を混ぜ込んだため少し方向性が見えにくくなったように感じました。

もちろん特定のジャンルに収まらない作風が森田作品の魅力であることは十分承知の上ですが。

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yui

4.0ビジビジビジの音が氣になる

2024年7月6日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

興奮

1999年当時、83万部を超す大ベストセラーとなった同名の小説(著者:貴志祐介)を森田芳光監督が映画化。

俳優(敬称略)が皆若く、各々が演じるキャラクターの個性が強い。
内野 聖陽、優しくて不器用な"若槻 シンジ"が主人公。
大竹 しのぶ、ボウリングが得意な"コモダ 幸子"は巨乳の設定。
西村 雅彦、不気味で言動が普通じゃない幸子の夫。
小林 薫、今作の中で2番目に好きなキャラクター。
石橋 蓮司、額の汗をハンカチで拭き取りながら作り笑いをする頼りない上司。
田中 美里、心理学研究所に勤務する優しくて美しい″黒沢 恵″。

黒沢 恵のセリフが、この作品をただのホラー映画ではなく、崇高な芸術作品にしていると思いました。
巨乳設定がなぜ必要なのかと思っていたら、クライマックスで印象に残るシーンがあって納得です。
黒い家はコモダ家のことだと思いますが、家の中が細部まで丁寧に作られていて良かったです。
劇中にちょくちょく鳴るビリビリ音というかビジビジビジッの音は、放電時に発生する音でもありガムテープの音でもあったのですね。

タイトルの"黒"は、犯人のクロと闇の両方の意味があり、劇中で目立つ黄色と緑は、花と葉の関係でしょうか。

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Don-chan

4.5胸糞悪いが記憶の奥底に染み付いてしまう映画

2023年12月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

大竹しのぶの身の毛のよだつような狂気っぷりは言うまでもないが、前半から何度も繰り返される西村雅彦の地味ながらも粘っこい怪演がひたすら気持ち悪い。

そして紛れもなく森田芳光監督の傑作。

ただし、少しでも体調の悪い時に観るのは厳禁です。

PS
例のあのシーンだけど、残念ながら大竹しのぶさん御本人の胸ではないかと。顔と胸が同時には映っていないからね。これで★半分だけマイナス💦

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プリズナーN0.6

4.0予告も見ずに、予備知識一切なしで☝️

2023年11月15日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

間違いなく今まで見てきた邦画の中で一番ヤバいサイコスリラーでした。

⚠️この映画は予告がネタバレの為、予備知識なしで何も情報を入れずに見る事をお勧めします⚠️

ストーリーの粗なんてどうでもよくなるような狂気の演技と終盤に突然始まる怒涛の展開が、畳み掛けるように見る者の正気を奪う怪作。

独特な効果音と演出が不穏な雰囲気を漂わせ、淡々と進むストーリーは常に不気味さを感じます。

衝撃的な部分をプラスとしてマイナスだと思う部分を挙げるとしたら、主人公の声が小さくモゴモゴと喋るので非常に聞き取りづらい所。
音量を上げてると突然背景の音や効果音が大きく入ったりするのでビックリします。

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びぃあぃじぃ