ウイークエンド

ALLTIME BEST

劇場公開日:2023年4月29日

ウイークエンド

解説・あらすじ

ジャン=リュック・ゴダール監督が、週末に旅行へ出かけた夫婦が狂気の渦へと飲み込まれていく姿を描いた不条理劇。

パリで暮らす夫婦ロランとコリンヌは、ある週末、コリンヌの実家がある田舎町を目指して車で旅に出る。夫婦にはそれぞれ愛人がおり、コリンヌの父の遺産を手に入れた後で互いを殺害しようと密かに企んでいた。しかし道中で想像を絶する渋滞が発生して人々が集団パニックに陥り、夫婦は次々と異常な事件に見舞われてしまう。

夫ロランを「インドシナ」のジャン・ヤンヌ、妻コリンヌを「女王陛下のダイナマイト」のミレーユ・ダルクが演じた。ゴダール監督は本作を最後に商業映画から一時離れ、政治的映画を匿名で製作する「ジガ・ベルトフ集団」での活動に移っていった。

1967年製作/104分/フランス・イタリア合作
原題または英題:Weekend
配給:マーメイドフィルム、コピアポア・フィルム
劇場公開日:2023年4月29日

その他の公開日:2002年4月27日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

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(C)Gaumont

映画レビュー

4.5革命を企図したゲリラ戦

2024年4月18日
PCから投稿
鑑賞方法:その他

興奮

知的

ジャン=リュック・ゴダール監督作品。

「俺は現代に文法の終わりを告げに来た
 夜明けが来た
 あらゆる分野 特に映画の分野に」

若い男女がブルジョワの資産強奪を企てる週末の物語であるはずで、それをドキュメンタリー的手法で描くのだが、随所に「おとぎ話」が挿入され、最終的にはゲリラ戦になる意味が分からない(好き)作品。

上述の言葉通り、映画の文法を終わらせようとしている。車が事故に遭い、転覆するように、映画を事故らせ、転覆させている。例えば劇伴について。序盤の女の性的な語りに劇伴が挿入される。しかしそれは過度とも言える挿入で、観客の感情を高ぶらせるといった効果を発揮しない。むしろ耳障りな雑音でしかない。
また本作は一貫して引きの画で長回しが多用されている。それは演出を施さないドキュメンタリーな様子であるが、車の渋滞シーンでは渋滞を待つ人々の多様な動きが観察されるし、渋滞の長さーその舞台装置の準備の凄さーに圧倒されてしまう。さらに「アクション・ミュージカル」の8分尺の長回しではカメラが縦横無尽に動き、それに合わせて役者が動き、ピアノが鳴るのだから凄い。スタジオ撮影の劇を放棄したかにみえて、むしろそれ以上に演出をし、劇を生みだしている。だからかつての文法に終わりを告げるとともに新しい文法をつくりだしている。

さらに終盤のゲリラシーンで突如として挿入されるクローズ・アップのショットは、撃たれ死にゆく女の顔を映すのだが、その顔は主人公の女ではない全くの別人である。この「編集のミス」は、映画はたかがイメージであることとそれでも私たちはイメージに感動してしまうことを暴くのである。

かつての映画を葬り、革命を企図したゲリラ戦。この戦いの勝敗は、ゴダールが後の映画に多大な影響を与えたのだから言うまでもない。

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まぬままおま

5.0ゴダール、時代の申し子の死産

2025年6月16日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

Wikipediaによると
「雑誌『プレミア』が選んだ「もっとも危険な25本の映画」(The 25 Most Dangerous Movies)の1本に選ばれた。」
のだそうだ。

本作は、フランスの五月革命の最中に製作上映されて、
世界でも日本でも、あらゆる怒りの矛先がいったい何処に向けられれば良いのか、社会全体が暴発していた頃の、特別の時代のものだ。

僕の小学校は大学の正門の横にあった。
そのため、バリケードストライキと、ヘルメットと、ゲバ棒と、投石と、火炎瓶と、ジグザグ行進と、機動隊と学生の熾烈な攻防を見ながらの登下校だった。

公務員も交通も一切を巻き込んでのゼネラルストライキも経験したし、
夜通し4000人の“暴徒”が米兵のナンバープレートの車を82台、ひっくり返して、路上でガソリンを掛けて丸焼きに焼き討ちにした事件も体験している。
両親とともに催涙ガスと放水と銃剣から逃げて川に転落し、靴を片方失くし、
顔が血だらけの女の人を見ながら裸足で歩いて帰った。

渋滞。警笛。挑発。叫び。アジテーション。
黒煙をあげて燃える車 々々々と 血だらけの人々。
そして火だるま。

これ、
狂気など何処にも無い
静寂な光景ではないか。
騒音がすればするほど無声映画のように映像が鮮明に見えてくる。
自分が見てきたそのままの姿だった。
脈絡の無い、サイケな映画かと思って見始めてのいきなりの、僕自身のフラッシュバックだった。

産み落とされたものは声を上げたか?
ゴダールはこの映画を出したあと、長い休眠に入る。

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きりん

3.5タイトルなし

2023年6月11日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

わからないから寝落ちたのか、寝落ちたからわからないのか。メッセージを大づかみに取ることはできるんだけど。
順番は逆だけど食人族的。

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ouosou

2.5苦手な一作

2023年5月14日
iPhoneアプリから投稿

渋滞シーンは確かに面白いのだが、
あまりにも不条理すぎて。

こちらまで夢の世界にいってた

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JYARI