ソラリスのレビュー・感想・評価
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ままならない人生の哀切さを映像詩に昇華させた哲学SF。
ままならない人間関係が生み出す悔恨やしょんぼりした情感を、圧倒的に美しい映像詩に昇華させた傑作だと思う。暗喩としてはスパイク・ジョーンズの『かいじゅうたちのいるところ』が似ているかも知れない。
『惑星ソラリス』の最映画化ということで、SFファンもタルコフスキーファンも違うものを期待してしまっていたんじゃないかと想像するが、やるせさ、切なさ、そして生きている限り避けることのできない諦念みたいな哲学が、ちゃんとSF的設定と結びついている。
そして母なる大地に帰還しようとするタルコフスキーに比べて、むしろ無力さを突きつけられてもなお未知のものに向かおうとするソダーバーグ版のアプローチの方が、レムの原作の精神に近いと感じている。
ソダーバーグのミニマリストとしての作風から「思ってたのと違った」系の不平不満を生んでいるようにも思うが、ソダーバーグ自身すら「やりたいことと観客のバランスを考えると制作費を使いすぎた」と反省しており、誤解や批判はやむなしなのかも知れない。
しかし自分を含めてこの映画が好きな人間はむちゃくちゃ好きであり、バリー・ジェンキンスも熱狂的なファンらしい。もうカルト映画ってことでいいんで、この作品のあるがままがもっと届くべき人に認知されてほしい。
惑星ソラリス、 惑星自体に意思があるのか。 人間との接触にどんな意...
夢物語
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惑星ソラリスを探査に行った宇宙船が帰って来なくなる。
ジョージクルーニーがその調査で宇宙船の元に赴いた。
何故か一人で・・・
宇宙船には2人が生き残っていた。
その夜ジョージのもとに、死んだ妻が現れる。
惑星ソラリスはイメージを実体化する力を持っていた。
なので例え実体を殺しても再び現れる。
が、ジョージにとっては死んだ妻に会えるだけで満足だった。
そして、妻の実体ごと地球に連れ帰ると言う。
が、宇宙船にいた女性科学者が強硬に反対する。
結局、ジョージは地球への帰還を捨て、
ソラリスで妻と共に暮らす道を選んだ。
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うーん、この状況になったらどうするのかなあ?
日々新鮮な現実世界を選ぶのが普通だろうけどね。
幾ら愛してるといっても、永遠に一緒にいるのも飽きるやろし。
でもイメージを実体化できるこの星に残るのは、
ある意味とても幸福なことなのかもしれない。
人や社会に貢献して周囲からの評価を受け続けることと、
とことん現実逃避して生きること、どちらが幸せなのだろう?
普通は後者にはいずれ破綻が待っているので、前者の方が好ましい。
でも破綻が来ないのなら、一生現実に戻らないのなら、
後者の方が幸福と呼べるんちゃうんかなあ、と思った。
ま、夢物語ですけど。。
良リメイク
あまりにも抽象的で間接的
難解。
スピリチュアルな空想の映画
原作と以前の作品ともに知らないが、原案はおもしろい。ソラリスという惑星(生命体)の調査中に起こる不思議な現象。ソラリスは人の記憶から人格のコピーを出現させる。死に別れた人との再会、にクルー達の戸惑いと愛情が交錯する、という内容。
神秘的な仕上がりにしたかった、というのはよく分かります。視覚的なSF映画というよりスピリチュアルな空想の映画。
しかし、恋人が蘇るラブストーリー色が濃いため、ソラリスの神秘性はいまいち伝わってこない。もう少しプラス要素があるとよかったが。
これ、傑作!
つまらない…
レムの原作が好きなのでTSUTAYAで借りた。
妻との記憶を辿るシーンなど、雰囲気があるし、絵はキレイ。ソラリスの現す精神的なものをうまく映像にしてると思う。
原作とは色々違うけど、別に映画だから違っていいと思う。
でも、美しく情緒的にみせようとして失敗しているような…難解にみえるだけの退屈な映画になってしまっている気がする…。
もっとどーにかならなかったかなー?!
面白くない
分かり易い
うーん…
出現した妻とクリスの心の動きは良いのだが
総合:70点
ストーリー: 65
キャスト: 75
演出: 75
ビジュアル: 70
音楽: 65
「惑星ソラリス」というちょっとマニアックに人気のソビエトのSF映画があって、そのリメイクらしい。しかし前者は見ていませんし、それとはそれなりに違うより原作に近い映画ということらしい。
妻を悲劇的に亡くしたクリスと、クリスが見た夢から情報を得て突然出現した妻。その妻はソラリスの力と見られる要因によって合成されたものと考えられる。クリスはその合成の妻を通じて悲しみを埋めていく。このような現象が起き続けて人を惑わしていたわけだが、それが直接人を攻撃をしてきたり惑星や出現したものが統一した行動をとるわけではない。
出現したものは心の動きや悲しみや過去へのこだわりについての描写であり、宇宙がどうとかSFとかという話ではない。その心理描写が繊細で、ゆっくりと時間を取り戻していく。自責の念と哀しみに満ちた心が少しずつ現実と夢との間に溶け込み、最早地球での生活すらどうでもよくなるという気持ちと、現実に戻り乗員を救出し自らも帰還しなければという気持ちが葛藤するような部分はかなり面白い。
しかしどうも最後はどうなったのかよくわからない。主人公は帰還したのかソラリスに囚われたのか。ソラリスについてもよくわからない。あるいはそれがいったいなんの目的でそのようなことをしたのかもわからない。邪悪な意思があったのか、純粋に人の心に反応するだけのものなのか。いろいろなことが謎に包まれたまま映画は終わってしまう。
映画は謎を明らかにする必要はないが、わかりづらいものになっているのも確かである。そして当初のクリスと妻との心理の変化の場面に対して、この映画は何が主題だったのだろうかと思ってしまう。
うーん、不思議な映画。
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