初恋のきた道

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説

都会で働くビジネスマン、ユーシェンは父の訃報を聞き、数年ぶりに故郷の村へ帰ってきた。年老いた母は、今では行われなくなった古いしきたり通りの葬儀をすると言って周りの人を困らせている。そんな母の頑固な様子を見て、ユーシェンは村の語りぐさとなっている父と母の恋物語を思い出していた。都会からやってきた若い教師と、彼に恋した文盲の少女。手作りの料理に込めた彼女の恋心はやがて彼の元へと届くのだが……。

1999年製作/89分/アメリカ・中国合作
原題または英題:我的父親母親 The Road Home
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
劇場公開日:2000年12月2日

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映画レビュー

5.0一目惚れの「初恋」と、死別の「葬列」。 ふたつの「道」を対にして語られる傑作。

2025年1月8日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

僕の親友が
この映画の無料再放送をYoutubeでやっているのだと 僕に教えてくれた。
その友人の言うことには
「きみのご両親の出会いを彷彿とさせるのだ」と。
え?どれどれ?すっかり内容は忘れてしまっていた本作だけれど、
それで大昔に観て以来の、久方ぶりの鑑賞と相成ったわけだ。
うちの父は教員だった。

・・・・・・・・・・・

中国の奥地。陸の孤島、河北の小さな村。そこは三合屯村。
新任教師の到着と、校舎の建築。
けっして豊かとは思われない暮らしの中での、村人達の暮らしが慎ましく、そして人間味に溢れている。
おぼこ娘ディの実家は、じつに粗末で何にもない部屋だ。その壁に小道具として映画「タイタニック」のポスターが貼ってあることに気付いただろうか?
それぞれ、出逢いの運命と、強い絆の物語だ。

ディ=チャン・ツィイーが18歳の設定というのも、どうなんだろう?
あの三つ編みの おさげ髪と、ぎこちない走り方。照れ笑いの幼ない様相からして、小学高学年か、せいぜい12歳くらいにしか見えないのだが。
でも、そこが”うぶ“で大変良いのだろう。

遠くからお互いを見やるルオ先生とディ。だからカメラも遠く離れていて、望遠レンズで彼らの表情を撮っているのだ。まったくもってカメラ使いが上手い。
美しい村の風景に乗せて、二人が惹かれ合ってゆく姿に、太陽の光がキラキラと輝いていて、逆光がまぶしい。
観る側も ときめかずにはいられない導入だ。

・・・・・・・・・・・・・

【出逢いと別れの「道」】

・僕の妻になってくれた人は
「ビビビッ」と来て、一目惚れしてくれたらしい。いつまで経ってもまったくそれに気付かない鈍感な僕の事を、本作のディのように行く先々で待ち伏せをして、満面の笑みでずっと追いかけてきてくれた人だった。
20年追いかけてきてくれたが、とうとう最後まで振り返らなかった馬鹿が
このレビューを書いている。

・明石家さんまは、
このチャン・ツィイーのポーズの真似=瞬間芸がとても上手くて、あの頃、世の中の大勢が「この純情な映画」を観、そしてハマっていたことを思い出した。
そういえば娘ディは、若い頃の大竹しのぶにちょっと似ているかもしれないね。
明石家さんまがその瞬間芸をやると、客席は大いに笑うのだが、なぜだろう。同時に泣きたくもなる。

人の別れの理由ワケは、
死別であったり、夫婦関係の解約であったりと、個々さまざまだ。
だから出逢いの物語は、同時に別れに続く長い人生の物語の始まりでもある。
恋愛映画を観ると、恋の終局も同時にそこに見えてくる。
だからチャン・イーモウ監督は、ルオ先生と村娘ディの初恋を
離別の重たさと対で表現したのだ。
だから、この映画は重厚で、浮ついていないのだと感じる。

僕は正月に帰郷したばかりだ。
僕の父母も、人生の最終盤だなぁ。
老人ホームで、長く仕舞ってあった結婚指輪をその指にはめて、微笑んで見つめ合う両親がそこにいた。

中国のフェリーニ。
赤い髪留め。
「初恋のきた道」
いい邦題だ。

・・・・・・・・・・・・・

この道を
二人で行けば
花野かな

(友人からもらった句)

·

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きりん

4.0チャン・ツィイーの宝石の様な時代を切り取った良作

2025年1月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

個人評価:3.9
チャン・ツィイーの若く瑞々しい青春の時間を切り抜いた物語。
過去をカラーで描き、現代をあえてモノクロで描く。その事でチャン・ツィイーの宝石の様な笑顔がより一層華やかになっている。
当時の田舎の純朴純粋な恋が此処にある。

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カメ

4.0父と母の物語を語る

2024年11月14日
PCから投稿

ある意味、特殊な国の中で
監督はこの物語を描いた。

都会で迷子になって子供を探す
「あの子を探して」に続く映画。
「父と母の物語」を語る男。
ある寒村に若い男の教師がやってきた。
村娘は男が食べるとは決まってない弁当を作る。
毎日作る弁当が娘の楽しみになった。

男を探す娘の顔のアップの連続。
突然去った男を迎えに毎日出かける娘。
事情もわからず、連絡手段もない。
強い想いと希望が娘の糧なのか?

父と母の物語。
語る男は、最後に父の姿を見た。
形の無い父のやってきた姿
他人によって現された姿
それを感じ、見た。

母は、息子の帰る日
空に響き渡る子供たちの声を聞いた。

涙がでる。

監督は淡く消えそうで
力強い恋と絆の映画を作った。

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星組

4.0良い人しか出てこない、厳しさの中の優しさに染みる映画。

2024年9月20日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

幸せ

萌える

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とみいじょん