ミリオンダラー・ベイビーのレビュー・感想・評価
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驚きの展開に・・
●モ・クシュラ。
こういう作品なのね。ぜんぜん想像と違ったわ。ボクシング通じて家族愛深まる、みたいな想像を勝手にしてた。このタイトルはないな。後半が主題なんだけど重すぎるので、タイトルと前半で惹きつけるブラフか。
遅咲きの女性ボクサーと頑固者トレーナー。
ふたりとも家族の愛には恵まれない。
貧乏だけど、ボクシングにかけるマギー。
そのひた向きさに心が洗われる。
頂点に駆け上がるその過程。観客は感情移入したまま、後半に突入する。前後半の切り替わりシーンには思わず目を背けた。
ふたりでレモンパイ食べるシーンが好きだ。「このまま死んでもいい」イーストウッドとフリーマンの掛け合いも微笑ましい。ジェイ・バルチェルのバカっぽさも救いだ。こうしたアクセントがありながらも、全体イメージは黒とグレーの背景からか、重く暗い。
「モ・クシュラ」あなたは私のすべて。最後の最後に、彼女に語りかけるイーストウッドは愛の告白をしているようでステキだ。
やるせない
フェミニズム
後半が意外な展開!これまで"男のプライド"を描き続けてきたイーストウッド監督が、それを女性に置き換えたことに驚きを隠せませんでした。彼の劇中での役は、『パーフェクト・ワールド』の時と同じく、主人公の姿に圧倒され、葛藤する人物。女性が軽蔑視されるボクシング界を舞台にしたのは、フェミニズム的な思考だと思います(しかしこの表現は、必ずしも正しいとは言えない)。
"プライド"を捨てきることができないヒラリー・スワンク演じる女性ボクサーの姿をみて、彼は生命と生き様について考え始めます。そして下した決断は…
ポエムのような展開です。それはつまり、本作の主題に繋がることなのですが、これはネタバレになるので伏せておきます。
イーストウッド映画は、いつも渋くて深いです。
映画通向け?
ボクシング映画ではなかった
女性ボクサーのサクセスストーリーだと長い間思っていたが、いざみると違った。これはボクシング映画ではなく、ボクシングというものを通してみる血を超えた愛の話なのだと思う。
ヒラリー演じるマギーが成功し、タイトルマッチに挑むところまでは正直そんなにひきこまれなかった。そこからの展開がこの映画の本当に言いたかったことのような気がする。
見事に筋肉質のボクサーになりきったヒラリースワンクは見事だった。試合中の獣のような表情は鬼気迫るものがあり、圧巻。クリントイーストウッド演じるトレーナーも、頑固親父のような印象から少しずつマギーに対して心を開く感じが見ていて微笑ましかった。
後半は気づけばぼろぼろと涙がこぼれてしまうほど、現実にこれでもかというほど叩き落されるマギーが見ていてつらかった。
ひたむきに頑張ってきたものに待っていた現実と何も頑張って来なかった家族への現実。腹立たしさとやるせなさが募った。
あれだけの反則を繰り返したチャンピオン、そして最低家族。このへんの描写がちょっとやり過ぎ感があった。「いかにも悪役」という感じで、わかりやすいととらえることもできるかも知れないけれど。そしてラストが唐突に訪れたので、もう少し余韻があったもよかったかなと思う。
思っていたのとは違う
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