嫌われ松子の一生のレビュー・感想・評価
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美しさと切なさと楽しさと悲しさの間
当時の流行りと公開当初2006年の流行りを上手く織り混ぜ、映像の色彩、音楽、歌声がとにかく美しくて見せ方が上手い映画だった。
切なくて、涙が出そうになるシーンがちょくちょくあるが、ミュージカル要素で楽しく打ち消して上手いこと泣かせてくれない。
でも、ラストで今まで溜めていたものが一気に溢れだす。涙が止まらなかった。
自分がそう感じただけかもしれないが、ラストで観ている側の感情を爆発させるような意図で制作しているのであれば凄いと思う。
ボロボロの姿ではなく、輝いていた時の姿で逝けてよかったね。妹にもお父さんにも会えてよかったね。
本当にあの世があるかなんて分からないけど、もしあるとするなら幸せに暮らしてほしい。
数年後また観返したい映画。
悲しすぎる喜劇
大いに楽しんだ。2時間10分ちっとも長く感じなかった。
次々松子に降りかかる偶然の不幸は、もちろんマンガチックでリアリティーなどあるわけがない。別に人生とは、、とか深い意味はまるでない。考えこむことはない。だが、人間の感情の断片的な真実はある。
ミュージカル仕立てで斬新な画面、花いっぱいや、いかにもCGらしいCG映像は楽しいし、テンポも悪くない。
現代の歴史を一応押さえ、懐メロもふんだんに取り入れている。
決してふざけてばかりいるわけではない、ホロリとするシーンもたっぷりある。とくに沢村めぐみとの友情や妹との関係はちょっと泣かせる。
豪華な配役陣、ほぼちょい役レベルでゴージャスな俳優陣が次々出入りする。その中で主人公級の瑛太が初々しい。醜い老松子の特殊メイクもなかなかすごい。
松子の死に関してはミステリー仕立てのサスペンスもあり、最後に明かされる真犯人にはちょっとびっくりした。
同時期の宮沢りえの某映画を見ていてあまりにばからしくて、途中で投げ出してこちらにスイッチ。よかった。拾い物。
昔と違う印象だ
先日何かで観たんですが「外国人に人気の日本のミュージカル」で一位になってたんですよね。
昔公開当日に観たきりでミュージカルのイメージがなかったので改めてVODで見直したんですけど、公開当時とはまた違った印象を受けました。
子供の頃に読んだ本を大人になってから読むとまるで違った話に感じる事ってあると謂うのですけど、今作もなんだか随分違った印象をうけました。
30代に観た映画が40代になっただけで自分はそんなに変わってないのに、違った印象を受けた事に驚きます。
それなりに自分も変わってるって事なんですね。
前は松子に対しての嫌悪感しか感じなかったのに、今見ると何だか愛らしい、誰にでも起こりうるちょっとしたワガママから偶然に人って転がり落ちるんだなって、なんだか同情しちゃいましたね。
そしていま見ても斬新で美しい中島哲也監督の映像美。
天国で妹と再会するラストシーンで思わずぽろりです。
やっぱり中島哲也って凄い監督ですね。
大好きです。
どうしてこうなったの転落人生ストーリー。ポップに描いているがけっこ...
どうしてこうなったの転落人生ストーリー。ポップに描いているがけっこうハードな内容。友達の沢村めぐみの存在がすごい良かった。
アインシュタインのことば「人の価値とは、その人が得たものではなく、その人が与えたものではかられるのです。」にも通じる。
刑務所の歌カッコイイ、サントラ盤も良い。
嫌われ松子の一生
人生のイタズラがすべて悪い方向にしかいかなかった人の物語。スケール...
気軽に「これがマイベスト映画です!」と言えないのが、さらにこの映画らしいというか。。。
ツラすぎる
他人依存症
好き嫌いは別れるが、これぞ作家性!
作家性のある映画は、熱狂的ファンも生みますが
とことん嫌われる一面もあると思います。
今の映画界では、珍しくそれを持った中島監督は
あの大林宣彦大先生の後を継げる唯一の存在だと思います。
CM制作出身者っていうのは、
制約の中でクリエイティブをしてるから
やっぱり強いんですね。大林監督も中島監督も。
どの作品も拝見していますが、
一番印象に残っているのがこの作品です。
中谷さんの日記的な書物も読みましたが
本当にひどい現場で、ひどい監督。
だからこそ、こんなに悲惨なのに笑える映画が
産まれたのだと納得。
救いのない、中身もない作品が多い中
この作品の悲壮さの先には希望がありました。
そして、彼女の原点が教師であったという経歴が
あんな形で帰結するとは思っても見ませんでした。
出演陣も豪華。いずれも凄いです。必見。
中谷美紀の本領発揮
良かった
日本映画の新たなる金字塔
父親からの愛を受けたい為の努力。
唄を歌っていればみんなが振り向いてくれる。
ひとりぼっちにはなりたくない、家庭の温もりが欲しい。
そんな松子の想いとは裏腹に神様は彼女に人生の試練を与え、‘自分の為に生きる’事より“人の為に役立つ”事に気付いた時に、それまで必死になって靴を鳴らそうとしても鳴らなかった、届かなかった[荒川=筑後川]へもやっと帰る事が出来た。
それはまるで《虹に乗った》【ドロシー】の様に。
一見やり過ぎな所も見受けられる映像の数々、出演者達にも力量不足と思える人もいる。しかしながら当時の時代背景を巧みに取り入れ、独特なセンスとノリの画面の連続にはついつい嵌ってしまう事でしょう。
これは平成の『西鶴一代女』と言っても過言ではないと思います。
「ただいま」
そして…。
「お帰りなさい」
素晴らしい日本映画の名作の誕生に拍手を贈りたいと思います。
(2006年5月27日TOHOシネマズ錦糸町No.6スクリーン)
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