嫌われ松子の一生のレビュー・感想・評価
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人生のイタズラがすべて悪い方向にしかいかなかった人の物語。スケール...
人生のイタズラがすべて悪い方向にしかいかなかった人の物語。スケールが大きくなくてもスペクタルは作れる。やるせないのに清々しい、不思議な気分になれる映画。嫌われ、というタイトルか本当に正しいかあやしいのが少し残念
気軽に「これがマイベスト映画です!」と言えないのが、さらにこの映画らしいというか。。。
内容が重すぎて、気軽に「これがマイベスト映画です!」と言えないのが、さらにこの映画らしいというか。。。
これを初めて見たときは、嗚咽まじりに号泣しました。
松子の人柄への激しい共感と、
普通なら憐れまれて終わるだけの不憫で不幸な女なのに、
美しい映像と軽妙な音楽、コミカルな展開で最高にデコレーションしてあって、
まるで松子へのはなむけのような、応援歌のような…。
こんな映画を作ってくれる人たちがいるんだなあと感極まったのでした。
初見から10年経ちましたが、何度も思い返す作品です。
それにしても…。中谷美紀さんが途中で降板しなくて本当によかった!
ツラすぎる
僕は人に与えた愛は自分に返って来ると思っています。だけど、松子は与えた愛を暴力や最終的には裏切りなど酷い形で返されます。
それでも松子は1人よりもマシだと自分に言い聞かせて、その人への愛を貫きます。
それなのに最後は周りには誰もいないまま死んでしまい、可哀想なんて安い言葉で…惨めというか、観ているのが辛かったです。
こういう人は世の中にいるはずです。
共感はできないかもしれないけど、認識し理解をする所から人は人を救うことができるのだと思いました。
他人依存症
愛に飢えすぎている人。
いつも何かに流されていて、盲目的に他人に全てを捧げようとする人。
寂しいという感情が人一倍強いのだろうか。
自立できない人、と切って捨てるのは簡単だけど、
人は社会的な生き物だと考えれば究極のあるべき姿なのかもしれない。
でも個人的には前者の考え方なので、観る映画を間違えた。
好き嫌いは別れるが、これぞ作家性!
作家性のある映画は、熱狂的ファンも生みますが
とことん嫌われる一面もあると思います。
今の映画界では、珍しくそれを持った中島監督は
あの大林宣彦大先生の後を継げる唯一の存在だと思います。
CM制作出身者っていうのは、
制約の中でクリエイティブをしてるから
やっぱり強いんですね。大林監督も中島監督も。
どの作品も拝見していますが、
一番印象に残っているのがこの作品です。
中谷さんの日記的な書物も読みましたが
本当にひどい現場で、ひどい監督。
だからこそ、こんなに悲惨なのに笑える映画が
産まれたのだと納得。
救いのない、中身もない作品が多い中
この作品の悲壮さの先には希望がありました。
そして、彼女の原点が教師であったという経歴が
あんな形で帰結するとは思っても見ませんでした。
出演陣も豪華。いずれも凄いです。必見。
中谷美紀の本領発揮
愛されたくて仕方がないのになかなか思うように愛が手に入らない松子の、おかしくも悲しい人生をポップな雰囲気で送る映画。悲しい映画ほど明るく見せたほうが、実はとてもつらさを感じてしまいます。まさに松子という人間の生きかたそのもの。辛い時ほどおかしな表情をすることで、ますます松子自身も、観客側も辛さをかみしめる。中谷美紀さんの演技力には舌を巻きました。この人以外に、誰が演じられるだろう?と思ったほど、松子でした。
良かった
あまりに辛すぎて観るのをやめようかと思ったけど最後まで見ました。
これはもう映画ではないと思いました。
俺も一つ間違えたらこういう人生を歩んでいたかもしれない。
こんな人生を歩んでいる人もいるのか。
いろいろ考えました。
邦画はやっぱりすごい。
監督、キャスト、やっぱりすごい。
日本映画の新たなる金字塔
父親からの愛を受けたい為の努力。
唄を歌っていればみんなが振り向いてくれる。
ひとりぼっちにはなりたくない、家庭の温もりが欲しい。
そんな松子の想いとは裏腹に神様は彼女に人生の試練を与え、‘自分の為に生きる’事より“人の為に役立つ”事に気付いた時に、それまで必死になって靴を鳴らそうとしても鳴らなかった、届かなかった[荒川=筑後川]へもやっと帰る事が出来た。
それはまるで《虹に乗った》【ドロシー】の様に。
一見やり過ぎな所も見受けられる映像の数々、出演者達にも力量不足と思える人もいる。しかしながら当時の時代背景を巧みに取り入れ、独特なセンスとノリの画面の連続にはついつい嵌ってしまう事でしょう。
これは平成の『西鶴一代女』と言っても過言ではないと思います。
「ただいま」
そして…。
「お帰りなさい」
素晴らしい日本映画の名作の誕生に拍手を贈りたいと思います。
(2006年5月27日TOHOシネマズ錦糸町No.6スクリーン)
『嫌われ松子の一生』
ちょっと長い。キツかったな。
同じ映像を使わず視点を変えて丁寧に撮ってる。
コミカルにテレビの時事ニュースも入って本当に巧い。
だのに何故か飽きちゃうのよね。
強弱より軽い重いの識別が欲しかったかな。
ピカイチの演技を魅せた適役の黒沢あすかのハマり具合が最高。
多数出演しても記憶に残る俳優さんは結局は少ないな。
松子✨
久々の鑑賞でした。
何か、自分の中ですごく昔の作品って記憶してたけど、意外とそんな前でもなかったのかと不思議に思いました。
中島監督の作品て、ホント、うまくできてるよなあ…と思いました。
あんなに最悪な人生なのにあんだけコミカルに描かれるとね笑
笑っちゃう。
笑えるのにセンチメンタルが胸を刺す。
久々に見たけど、面白かったです。
軽快な演出だが悲惨すぎる
総合80点 ( ストーリー:75点|キャスト:75点|演出:80点|ビジュアル:75点|音楽:75点 )
「下妻物語」に似ていると思ったら、同じ監督だった。音楽劇も交えた明るく軽快な演出だが、本当はとても厳しい話であり、それを娯楽として豪快に無理矢理吹き飛ばすように描く。
根が悪い人ではないのに、ちょっと不器用で不運で男を見る目がなかったばかりにとことん最低の人生を歩むことになった一人の女の姿に心が痛む。男に暴力を振るわれても別れて孤独よりはましなんだという彼女が、裏切られ続けて結局は孤独になるのはきついし、どう頑張っても幸せになれないこんな人って物語の中だけではないだろう。ずっと出所を待って待って待って迎えに行ったのに、理由もわからないままにただ殴り倒されただけなんて悲しすぎる。滑稽な演出が賑やかで音楽も華やかで深刻すぎる雰囲気にならなくて済んでいるが、松子の辛酸だらけの人生にはおおいに同情した。
メイクが凄い
学生時代観賞した際、こんなだらしののない人生をおくりたくないと思いました。しかし、大人になって自分が似たような人生になり、行く行くはあのようになるのかと思うと恐怖を感じます。人間関係の粗悪さに気がつき、良い人に巡り合い、自分が変わらなければいけないと思える映画でした。
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