嫌われ松子の一生のレビュー・感想・評価
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愛に生きた女性
タイトルのせいか自然と避けてきた映画。
絶対辛いし、自分と重なる部分が多い気がしてて手が出せなかった。
「下妻物語」や「告白」の中島哲也監督なので思い切ってチャレンジしました。
たぶん二度と観ない、と言うか見る勇気がないんですが、曲がこびりつくくらい優しくて印象的な映像とストーリーだったこともあり、一生心に残る作品になりました。
【あらすじ】
父からの愛に恵まれなかった幼少期を過ごした松子。
社会に出ても必要とされる喜びで男に騙され転落人生まっしぐら。
数十年後、そんな彼女が変わり果てた姿で死んでいた。
死に物狂いで愛に生きた女性が、なぜ”嫌われ松子”と呼ばれたのか。
その軌跡をミュージカル調で辿るストーリー。
これ原作はもっと苦しいお話らしいですね…
ミュージカルのおかげでまだ耐えられるんですが、感受性が強いタイプの人や
松子と同じように愛に飢えた経験のある方には重くのしかかる作品です。
松子の不器用で優しい性格は悪く言えばその場しのぎで意見がないタイプで、
世に出ればカモにされたりクイモノになりやすい女性なんだよな。
なんでこんなに生きずらい人生なんだろうって、見てるこっちがイライラするレベル。
でもミュージカルのおかげか、中島マジックでコミカルテイストで楽しい感じになった。
松子は愛されてなかったんじゃなくて、愛に気がつけなかっただけなのよね。
私の人生のバイブル
映画の中で一番好きな作品です。
特にどん底で落ち込んだときに繰り返し見ます。
共感者もいないですけど、どれだけどん底で生きようが死のうが、どんな人生でもこの映画のように美しく、メルヘンであれたらいいなと思います。
小説に引けを取らない良い作品
原作と小説の差はあれど、どちらもなかなかよい出来だと思います。
小説はどうにもこうにも救いのないお話で、愛情に飢えた松子の気持ちに感情移入し号泣してしまいましたが、映画はその救いのなさを、中島監督の愛情?によって、悲しすぎるけれどコミカルに表現していて、原作をつぶすことなくお互いを持ち上げる形になったのではないかなと思いました。
映画でのそれぞれのキャスティングも悪くないと思います。
これは作り話なんです。お涙頂戴ストーリーなんですって、前面に出している感がはっきりしていて個人的には好感がもてました。
これは思いっきりファンタジーの世界ですからね。
巧演、妙演、熱演❗️中谷美紀
主演女優が豪華キャスト全員を喰ってしまう存在感でした。
松子の不運で数奇な一生が見事な物語になっていました。
中谷美紀の意外なまでの歌唱力に驚きます。
荒川の星空の美しい描写がとても印象的でした。
凄く良かったです。
今観返すとキャストが豪華だった。 独特な世界観とミュージカル風のテ...
今観返すとキャストが豪華だった。
独特な世界観とミュージカル風のテンポで展開していく。
そのおかげか不幸な人生も悲壮感は漂わず、コミカルに描かれている。
けれど松子、どこまで不器用な生き方なのでしょう…。
中谷美紀が頑張ってます。演技がすごいです。
男に翻弄され続けた人生
側から見たらどうしようもない、くだらない人生だったと言われても、一生懸命生きてきた女の話し。
世の中にはダメ男ばかり引き寄せてしまう女がいて、もっとマシな男に出会っていればそこまで寂しい人生じゃなかっただろうに。
なかなか厳しい人生を美しくキュートに演じている中谷美紀が良い。
時間内に見事に収まっていた
上映時間内で、テーマが重すぎて大雑把になる事もなく、軽すぎて間伸びすることもなく、綺麗に収まっていて観やすかったです。
内容も面白かったです。
さくらんやヘルタースケルターのような華やかにデザインされたものです。好みが分かれると思います。
スピーディーでわかりやすいストーリー展開。 不器用であるがために、...
スピーディーでわかりやすいストーリー展開。
不器用であるがために、少し歯車がくるい、投げやりになり、どんどん転落していく物語。でも暗い気持ちにさせないのは、ポップで明るい色使いにミュージカルを組み合わせたコミカルな演出だからかな?凄く楽しめた。
まさに現代の「西鶴一代女」を、どう映画にするのか 見事な解答だと思います
恐ろしく悲惨な女性の一生です
まともに映画にしようとすれば、余りの陰鬱さに映画にはならない題材です
溝口監督の世界的名作「西鶴一代女」は江戸時代のお話ですから、悲惨であっても観客は距離を置いて観れます
しかし現代劇でこの物語はあまりにキツイ
それを、苦い薬を飲み易くする糖衣錠のように、ポップな古いMGMミュージカル風の演出でくるんであります
古いミュージカルパロディだけでなく、刑務所の歌とダンスでは、現代そのもので大変にカッコイい
まさに現代の「西鶴一代女」を、どう映画にするのか
見事な解答だと思います
気がつけば、とっても苦い薬を全部飲み込めているのですから
【”松子は最後の死ぬ瞬間まで目だけはキラキラしていたんだと思います”と中島哲也監督は言った・・。】
語弊があるのは承知の上で、
”見事なまでの、夢見る女性の転落の人生”
を描き切った物語。
各シーンでは観ていて辛い場面があるのだが、観終わった際の感想は、何故か、”ひたすらに男たちを一途に愛し、生き抜いた一人の女性の見事な物語”という感想を抱いた作品。
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松子が出会う男達が一部を除いて、”マトモな男”がいない。
究極の男運の悪さである。
1.中学教師時代に出合った同僚、”白い歯”の佐伯(谷原章介)
2.博多時代に出合った作家志望の青年、八女川(宮藤官九郎):DV男。で、自殺。
3.八女川の友人、岡野(劇団ひとり):不倫関係 松子を捨てる・・。
4.中州ソープ嬢時代 小野寺(武田真治):個人的感想だが、一番の屑。 で、松子に刺殺される。→松子、服役。
5.理容師、島津(荒川良々) 松子入水自殺決行地時に出合う。が、松子警察に追われる。 →所内で理容師資格取得。が、出所後松子が見た光景・・。
5.かつての教え子でヤクザ、龍洋一(伊勢谷友介)
→龍、逮捕。松子、出所をひたすら待つ。が、結局別れる・・・。
そのまま、荒川沿いの古アパートに引っ越し、一人暮らしの引きこもり生活へ・・。
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平成13年 松子と幼い時に会っている川尻笙(瑛太)が、松子の死を父(香川照之)から知らされ、松子の住んでいた古びたアパートを訪れる所から物語は始まる。
ゴミだらけの部屋の中で見つけたキーホルダーには若い着物姿の女性の写真が・・。
その女性の顔は”幼き頃、父と訪れたデパートでの楽しいひと時を過ごし、初めて食べたパンケーキの美味しさに感激し、屋上ステージでのお姫様ショーを楽しみ、松子が嬉しさの余りおどけ顔。(滅多に笑わなかった父が彼女の顔を見て笑い、父を笑わせようと頑張った末に、”変な時に”出てしまう松子の変顔であった。
そこから、笙は松子の哀しくも可笑しき人生を辿る事に・・。
<中島哲也監督の最高傑作(個人的感想)だと思っている作品。脚本の秀逸さとともに、松子を演じた中谷美紀さんの代表作でもある。又、俳優陣の豪華さも忘れ難き作品。>
<2006年6月1日 劇場にて鑑賞 その後、DVDにて数度鑑賞。>
人はあっけなくある日突然死んでしまう
当時観た時はこの映画、ぜんぜん面白くないと思った。
ところが10年歳月を経て改めて観てみると違った。
なんともリアリティがある。
波乱万丈に生きている様でもこの人みたいな人は割りと存在するんじゃないかな、と。
この映画を観て、この人は私!と思った人いると思う。
決して幸せな人生とは言えないし、人生の失敗例。
絶対あんな風になりたくないと思うけど、誰でも一歩間違えば…という危険性が。
松子の最期が何か事件に巻き込まれたのかと思わせて実は…そう来たかと。
これは傑作
独特の色彩感覚と、切なくもポップなストーリー。
描いているのは松子の悲惨な人生なのに、
テンポよくコミカルな演出で、観ていて楽しい。
懸命に生きる松子の姿に胸を打たれる場面も多く、
最後に空への階段をのぼるシーンには涙腺を刺激された。
『下妻物語』とこの作品は間違いなく当たり。
まだの人には是非すすめたい。
最後に、中谷美紀ってキレイなのに色気を感じない不思議。
女性というより「生身」という感じがする演技だからだろうか。
女の子の夢物語
幾つになっても女の子の頭の中の夢物語はだいたいあんな感じで、それを見事に表現している。脳味噌の中の物語はあんな風にテレビのセリフに呼応して引き出されることがある。個人的には年代記のアレンジはフォレスト・ガンプ、ミュージカルシーンの色彩美はダンサー・イン・ザ・ダークを彷彿とさせた。中谷美紀は人形劇の人形のように忠実に役を演じていたと思う(これは褒め言葉だ)。エンターテイメントとして上出来。凝った演出に圧倒されていたので、感情移入はしなかった。
号泣
知り合いに強く勧められて視聴。
松子は不器用すぎて次々訪れる困難の中で上手く立ち回ることが出来ず、空回りを繰り返してしまう。トルコ嬢として成り上がっていくシーン、元生徒のヤクザをかばうシーン、お父さんや妹を思って天国への階段を上るシーンで号泣してしまった。
どんな困難が待ち受けても死ぬことなど考えずゆっくり前を向いて生きたい、と思った。
悲しすぎる喜劇
大いに楽しんだ。2時間10分ちっとも長く感じなかった。
次々松子に降りかかる偶然の不幸は、もちろんマンガチックでリアリティーなどあるわけがない。別に人生とは、、とか深い意味はまるでない。考えこむことはない。だが、人間の感情の断片的な真実はある。
ミュージカル仕立てで斬新な画面、花いっぱいや、いかにもCGらしいCG映像は楽しいし、テンポも悪くない。
現代の歴史を一応押さえ、懐メロもふんだんに取り入れている。
決してふざけてばかりいるわけではない、ホロリとするシーンもたっぷりある。とくに沢村めぐみとの友情や妹との関係はちょっと泣かせる。
豪華な配役陣、ほぼちょい役レベルでゴージャスな俳優陣が次々出入りする。その中で主人公級の瑛太が初々しい。醜い老松子の特殊メイクもなかなかすごい。
松子の死に関してはミステリー仕立てのサスペンスもあり、最後に明かされる真犯人にはちょっとびっくりした。
同時期の宮沢りえの某映画を見ていてあまりにばからしくて、途中で投げ出してこちらにスイッチ。よかった。拾い物。
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