アイデン&ティティのレビュー・感想・評価
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ロックよ、高円寺よ、どうかそのままで。
高円寺に佇む古いアパートの一室、トイレ共同、風呂無しの四畳半に彼は突然現れる。その彼とはディランことボブディランである。1960年代アコースティックな反戦歌で聴衆の心を掴み、2016年にノーベル文学賞を授与されたあのディランだ。
(ディランの説明、雑でごめんなさい)
帽子に襟巻き姿でギターを担ぎ、おしゃべりする代わりにハモニカを吹くディラン、四畳半の家主である売れないバンドマンの主人公 中島とせんべい布団を分け合い、道を踏み外しそうになる中島をいつも物陰から見守り、押し付けがましくなく、時に押し付けがましくロック道を説いてゆく。普通に考えたらありえないはずの出来事(ディランが高円寺で居候などするわけない)なのになんだか笑いながら納得してしまう。これはみうらじゅんさんの原作の力も多分にある。でも決してありがちな漫画原作の映画になってはいない。原作愛溢れる田口トモロヲさんが撮ったのだからそうなるわけがない。
常にディランのような歌を唄いたいと願う主人公はその反面自分はディランのような本物の歌を歌えないと苦悩している。本物のロックが歌えない、何故なら平和な経済大国、すなわち右に習えでアイデンティティの無い日本で生まれ育った主人公は不幸な事に不幸を知らないからだ。
愛する音楽も仲間もそして恋人もすぐ側にに在るはずなのに「ディランのような歌を」と無いものねだりをすればするほど大切なものが遠のいてゆく。そんな主人公の不幸を私はちょっぴり妬ましく思った。だってそれこそが幸福故の悩みだもの。そして高円寺の古アパートで自分なりのロックを見つけて行く姿を羨ましくも思ったりもした。
ボブディランよ永遠にと熱望するファンと同じ熱量で私も祈っている。高円寺、ロック、バンドマン、木造アパートにライヴハウスよ永遠に!絶滅危惧種になんかならないで、と。映画公開から20年以上が経ちコロナ禍を経てライヴ配信が一大勢力となった今だからこそ尚更そう思う、
どうかそのままでいてほしい。
ロックって何だろうね
ロックって単純なものだけど、だからこそ難しい、改めてロックとは何なのか考えさせられました。
自分の中のロック、第三者の目がある中でのロック、好きな人に対するロック、すっごい難しいよね。
これみて僕もうロック、ロック、ロック頭パッパラパーになりそうになったよ。
峯田さん目的で見たのですが、すっごい難しい内容で少し感動しました。
けど、終始ダラダラとした違和感があったのは、心残りです。
あくまで個人の感想なのでご容赦を。
やっぱりティティーはスゲーや
たぶん皆んなは知っている
「愛」ってものが何なのか
腰の曲がった爺さんも
よちよち歩きの赤ん坊も
知ってるはずなのに忘れたフリをする人がいる
世間じゃそれを「大人」って言うらしい
不思議なことにこの世界は
文明のあるほとんどの世界は
そんな大人が多いようです
もっと不思議なのは
そんな大人も忘れた「愛」を
必ず取り戻す時があるのだそうだ
愛がなくては生まれない
愛がなくては進めない
愛がなくては始まらない
愛がなくてはつまらない
愛がなくては、愛がなくては
死ねないでしょ
ロックをわかってる
みうらじゅんは好きではない。正直言って、観る気もなかった。しかし峯田の演技が良すぎます!女性の描き方はみうらじゅんの実生活そのままなのだろうか、描写が薄すぎるので恋愛部分としては全く評価できない。しかし、バンドの実態が異様にリアルなので共感できるのだ。ただし、考え方がデビュー前のアマチュアっぽい思考のため、設定がこれで良かったのだろうかと疑問にも思う ロックを聴く側からの視点でも本当のロックのあり方を考えさせられ、TV生本番でのシーンにそれが集約されていました。いいぞ!!
岸辺四郎の役も借金を背負った原因がここにある!と思わせるようなバブル期の押せ押せ志向。社長室には漫画本ばかり(ゴルゴ13が目立っていた。これはみうら氏の事務所か?)だし、何気ない壁のポスターも面白い。今をときめく浅野忠信をウェイターというチョイ役で使うという贅沢さもシャレてるな・・・・
冒頭のインタビューシーンは名前を入れてほしかった
でもその名言が割と良かったので、この物語は本で読むことをおすすめします。
ロックとはなんぞやって答えを見つけ出すために奮闘してる主人公。
だからって自暴自棄になりすぎ。そんなだめな主人公を心底愛してる彼女もなかなか理解し難かった。
なにより、心のセリフで補足をしすぎ。
麻生久美子のセリフもいちいち名言です!って感じがした。。
でもその名言が割と良かったので、
この物語は本で読むことをおすすめします。
映像で見たらむず痒い。
いいなって思ったコトバたち
「息の仕方を知ってるなんて奇跡だぜ」
「人は自分の属さないところへ行ってはいけない
道の向こうの家を天国と間違えるな」
「自分を押し付けられない人はもっとばか」
「愛しかない
それが世界を動かしている
それなしでは何もできない
だからすべての愛を与えてくれる人がいたら
心して受け取り
逃してはいけない」
「わたしたち、いちゃいちゃする時期は過ぎて、
いなければいけない存在になる」
ロックを単なるブームとして扱ったバカどもに捧げる
理想のロックとは違う形で売れてしまった一発屋のバンドのフロントマンが突然現れたボブディランに煽られながら本当のロックを求めて苦悩する作品。
主演を演じるは俳優兼バンドマン兼キチ○イとマルチな活躍を見せる銀杏BOYZ/GOING STEADYの峯田和伸。
そのお相手に驚くほどの大根演技を魅せつける当時25歳の麻生久美子(好きだからそんなの気にしない笑)
バンドブームに乗ってリリースした曲がプチヒットし、メジャーデビューしたもののそれ以降曲が全く出てこない。
これはとてもツライ。あまり好きじゃない曲をやらなければお客が来てくれない。Radioheadがcreepで悩んでいたのもこんな感じだったんだろうか笑。
しかもそれを後ろからディランが見ている笑。音楽以外のことに関してもお前それホントにロックか?的な勢いでハーモニカを引き狂うディランがとてもシュール。鼻だけでディランっぽさを出せるのはすごい笑。
麻生久美子の
私とあなたはずっとイチャイチャしている時期を過ぎて、いなきゃ絶対に困る、親友より上の関係になれたと思う。それを君が結婚というなら、私も同じ気持ちだよ。
ってセリフが死ぬほどいい。というか麻生久美子のセリフが全体的にいい。というか最初大根やんと思ったけどこのセリフをあんな淡々と語る方が逆にいい。
つくづく麻生久美子好きだなと感じる作品。
ロックとは
話題になってたアイデン&ティティー
その頃は峯田のことも知らずに、みうらじゅん原作ということも知らなかった。
DVDを借りる優先順位は低かった。
それから大分経ち、一緒に働いた高円寺に住んでる女の子に勧められて見てみた。
いまでは、心の友である。
ロックってなんだ?
この映画はロックはこうであるとは言ってないけど、映画の中で模索する、その峯田の姿がロックかもしれない。
スピードウェイのメンバー、みうらじゅんさま、クドカン、みんなロック。あと、DVDにはボーナストラックも入っているんのだけれど、スピードウェイのライブで舞台に上がって、いやいやと優しい顔でいたのに、急に歌い出すトモロヲ監督を見て、ロックだな〜と思った。
穏やかに笑っていても、心はいつもロックでありたいです。
人生を変える映画
この映画を見て、ボブディランを再認識し、彼の歌詞の凄さにはまりました!
それからというもの、全アルバムを買い揃え、来日公演も行きました!
あと、銀杏もこれで興味を持って、今はすっかりファンです!
この映画をみると、アフロにしたくなり、麻生久美子を見て、ぽわ〜んとなり、誰かとセックスもしたくなり、わけもわからず熱唱したくなる、すぐに中島くんになりきってしまいます。
俺の中では青春映画の金字塔作品!
そもそも何がサクセスなのか
ロックの神様が、貧乏ミュージシャンの僕の部屋にやってきた、ボブ・ディランの姿で…。
みうらじゅんのコミック原作、田口トモロヲ初監督・2003年作品です。
ロック青年・中島とバンド仲間の、えらく現実的な青春に、超現実的なロックの神様が普通に存在する、なんか不思議な話です。
中島の彼女も不思議な存在。形而上的観念的彼女って感じですが、麻生久美子が演じると、ちゃんと実体化してました、スゴい。
都会に出たり戻ってきたりしながら音楽を続ける知人を、つい重ねて見ていました。サクセスは勝ち取りたい、でも、そもそも何がサクセスか。
主演の峯田和伸、生々しさが良いです。歌うとまた、ちょっとクラクラっときます、さすがミュージシャン。
バンドメンバーを始め、キャスティングに隅々まで凝ってて楽しかったです。
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