劇場公開日 2003年12月20日

アイデン&ティティ : 映画評論・批評

2003年12月15日更新

2003年12月20日よりシネセゾン渋谷ほかにてロードショー

個性派俳優・田口トモロヲ監督ならではの“配役の妙”

山崎まさよし布袋寅泰など、ミュージシャン出身俳優は味があってウマイ。本作品で映画デビューを飾った峯田和伸もしかり。驚異の新人の誕生だ。

最近の若手を起用したドラマや映画は勢いがあるが、正直、ふがいなさを感じていた。同じ俳優を使い回し。かつては吉川晃司が「すかんぴんウォーク」(84)で鮮烈なデビューを飾ったように、製作者側に「俺たちが新しいスターを産み出すんだ」という気運があった。本作品の場合、中島のイメージにピッタリ合う俳優を1年かけて捜していたら、たまたま演技未経験の峯田にぶち当たったらしいが、これがドンピシャ。ちょうど峯田自身、インディーズバンド「GOING STEADY」を解散したばかり。自分のロックを追い求めるべきか否かに苦悩する中島という役に、自分の心情を素直に重ねており、中島の音楽に対する熱さやまっすぐな気持ちが心地よく観客に伝わってくる。

もちろん超天然山形男子・峯田に伸び伸び演技をさせつつ、影から支えた中村獅童大森南朋、マギーの存在を忘れてはならない。映画は直球ど真ん中の青春映画。しかし数々の作品で脇を固めてきた個性派俳優・田口トモロヲ監督ならではの、“配役の妙”を味わえた。

(中山治美)

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