さらば冬のかもめ

劇場公開日:

解説・あらすじ

海軍士官バダスキーとマルホールは、窃盗で8年の刑を宣告された若い水兵メドウズの護送任務に着く。旅をするうち、3人の間には奇妙な友情が芽生えていく。バダスキーとマルホールはまだ女性との経験がないというメドウズのために売春婦をあてがってやる。一方、メドウズは途中で出会った娘から脱走を勧められるが……。3人の男たちの交流を描いたアメリカン・ニューシネマの佳作。

1973年製作/103分/アメリカ
原題または英題:The Last Detail
劇場公開日:1976年11月3日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第31回 ゴールデングローブ賞(1974年)

ノミネート

最優秀主演男優賞(ドラマ) ジャック・ニコルソン
最優秀助演男優賞 ランディ・クエイド
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映画レビュー

3.0どんな組織でも「人」なのですね。

2023年5月23日
Androidアプリから投稿

上命下達の軍隊組織ですから私情をさしはさむことはできないのですが、バタスキーもミュールも、心が痛んだことと思います。処分の不条理さに。
彼らに精一杯できることといえば、せめてメドウスを「男」にしてやることぐらいだったということでしょうか。あくまでも、命令は守らなければならないので。
バタスキーとミュールにメドウスの警送を下命した彼らの上官にしてみても気持ちは同じで、任務遂行に異例の長期間を許与したのも、「せめて途中で遊ばせてやれ」という含みだったと理解しました。評論子は。

そんな重苦しい気持ちで、やっとこさメドウスを送り届けたのに、彼の身柄を受け取った基地側の担当者は、そんなバタスキーたちの重苦しさを気遣うどころか、些細な書類上のミスをあげつらうばかり。
ほとほと嫌気がさし、真実(メドウスの脱走未遂)は伏せてしまったのは、メドウスの今後の処遇を慮ってということもさることながら、くだんの担当者に対する「当てつけ」(?)の気持ちがなかった訳ではなかったことでしょう。

けっきょく、どんな組織であれ、やっぱり、動かしているのは「人」だということになるのでしょうか。
そういう思いの一本になりました。評論子には。

(追記)
本作の邦題に入っている「かもめ」は、海の男…つまり海兵隊員のことなんですね。
彼は不名誉除隊(懲戒除隊)ということですから「さらば…」なのでしょう。
季節の「冬」は、実際の季節であったほか、軍隊から放逐されるメドウスの…そうして、そういう心情のメドウスを警送しなければならないバタスキーとミュールの心情的な季節感ということなのかも知れません。
そう理解しました。評論子は。

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talkie

5.0今見ても何度も見ても感じる所多い作品。

2022年9月13日
iPhoneアプリから投稿

『さらば冬のかもめ』(1973年)
『チャイナタウン』(1974年)
『カッコーの巣の上で』(1975年)

ジャクソンニコルソン黄金期やん!

今見ても何度も見ても心沁みる。

ラストが哀しき別れになるとわかっているからか、途中の他愛の無いエピソードの数々もいとおしく感じる。

アメリカンニューシネマの佳作だけど名作。

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KoN

3.0何妙法蓮華経

2022年4月22日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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kossy

4.0【”海兵隊魂”僅か40ドルを盗むもうとしたがために、8年の懲役を受ける事になってしまった新兵を刑務所に送る二人の海兵隊員が、彼に施した人生の愉しみ。】

2021年10月3日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

ー バダスキー(ジャック・ニコルソン)とミュール(オーティス・ヤング)はある日、上官からある罪を犯した新兵、メドウスを刑務所に護送するミッションを言い渡される。
 軽き気持ちで、そのミッションを受けた二人であったが・・。ー

・メドウスが司令官の奥さんの”小児麻痺献金”の募金箱から、生来の万引き癖故に、お金を盗もうとした(未遂である)事で、8年の実刑を受けた事が分かるシーン。
ー 海兵隊員であるから、上官の命令は絶対であるが、余りに重すぎる量刑である。ー

◇その事実を知った二人が、メドウス護送の一週間で、彼に経験させた事。

 ・3人で、楽しそうに安宿でベッドを取り合う姿。
 ー 彼らの間に、護送する側、の敷居はない・・。ー

 ・ビリヤードの面白さ

 ・日蓮開宗の会での、不思議な経験
  何妙法蓮華経・・。

 ・童貞のメドウスをポルノショップに連れて行ったり・・。

 ・メドウスに初体験させるために、娼館に連れて行ったり・・。
 ー で、あっけなく10秒で射精した彼に、美しき娼婦に対して
   ”頼むよ、もう一度・・、お金は払うから・・”
   と言って、男にさせるバダスキーとミュールの姿。ー

<メドウスと別れた後のシーンで、”これで、奴も大人になったな・・”と寂し気に語るバダスキーとミュール。
 何だか、巨大な組織で働く男たちの、組織に対する小さな反逆心が、”海兵隊魂”を感じさせられた作品であったよ・・。>

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NOBU