幻の湖

劇場公開日:

解説

「砂の器」「八甲田山」に続く橋本プロ第3弾で、400年前の戦国時代から、現代、そして未来まで、喘ぎ、呼吸をしながら見果てぬ幻の夢を追い続けて生きる人間の姿を描くネオ・サスペンス。原作・脚本・監督は橋本忍、撮影は「日本の熱い日々 謀殺・下山事件」の中尾駿一郎と斎藤孝雄、岸本正広の共同、特撮監督は「連合艦隊」の中野昭慶がそれぞれ担当。磁気4chステレオ。

1982年製作/164分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1982年9月15日

ストーリー

風俗嬢の道子は、琵琶湖の湖畔を愛犬のシロを追って走り続け、1年以上が過ぎた。かつて、仕事に疲れ、失意のどん底にいた道子はみすぼらしい野良犬のシロとの出会いに運命的なものを感じた。そして、銀行員の倉田からジョギングシューズを贈られたことがもう一つの刺激となって、本格的なジョギングを始めたのだった。8月末のある日、葛篭尾崎の先端で道子は狂おしい笛の音に誘われ笛を吹く男・長尾に出会った。私はこの人に会うためにシロに導かれ走っていたのでは……。秋雨の降る10月のある日、シロが何者かに殺された。そして、犯人が今をときめく作曲家の日夏であることをつきとめた道子は、復讐を誓い、東京まであとを追うが、寸前のところで逸してしまう。抜け殻のようになって琵琶湖に帰った道子は、倉田との結婚を決意する。それから数日後、シロの墓参りに葛篭尾崎へやってきた道子は、偶然、長尾と再会し、激しく心が乱れた。長尾は道子に笛の由来とそれにまつわる先祖の話をした。--戦国時代、小谷城のお市の方につかえる侍女にみつという娘がいて、領内に住む地侍・長尾吉康の吹く笛の音に誘われて、2人は出会い、互いに惹かれるのだが、信長の浅井攻めにあい、2人は結ばれず、みつは信長に葛篭尾崎の先端で逆さ吊りの刑に処せられた。そして、吉康は死んでいったみつのために、湖上で心をこめて笛を吹いた。その笛の音にはまるでみつの怨念でものり移ったかのように、結ばれるべくして結ばれなかったものの悲しみを漂わせていた--話を終えた長尾は自分は吉康の子孫で、葛篭尾崎の先端で笛を吹けば、誰かに逢えるという伝説を祖父から聞いたと言う。そして宇宙科学の研究のためアメリカへ帰るので、自分と結婚し一緒に行ってくれと頼む。しかし、道子は長尾の話に心を揺さぶられながらも、その申し出を断った。しばらくして、道子の前に偶然、日夏が客として現われた。道子は夢中で出刃包丁を握り、逃げる日夏の後を追い、やっとのことで日夏をとらえ、シロの敵を打つのだった。ちょうどその頃、スペース・シャトルに乗り宇宙へ出た長尾は、琵琶湖の遥かかなた上空にいて、あの笛を宇宙空間に置き、これで琵琶湖がたとえ幻の湖となろうと、永遠になくなることはない、とつぶやくのだった。

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映画レビュー

2.5疲労困憊

2024年1月7日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

こんだけあれこれ盛り込んで、こんな解決!?伏線回収があるのかと思って真剣に見ちゃったわよ。いやー、すごいものを見た。/春日太一のアフタートーク付き上映で、製作話をいろいろ聞いた。橋本忍が監督しちゃったのがやはり。しかしそうなるべくしてそうなったということもよくわかった。

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ouosou

3.0大気圏外

2023年4月8日
iPhoneアプリから投稿

あらすじを語っても誰も信じえぬ想像を絶する展開。振り返ればここまで笑える話もない。出刃庖丁を持つ女に追われながら軽快にジョギングを始める男。こういう映画が作られたこと自体が奇跡で、観る価値もある。

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Kj

5.0いやぁ~すげぇですよ(笑)

2021年12月24日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

興奮

難しい

高校時代、地元滋賀県の大津市教育会館で上映された先行公開を見た。
その後ロードショーとなったが、あまりの凄まじいデキにわずか1週間で打ち切りとなり、地元滋賀県ではついにロードショーがかからなかったという伝説の映画(笑)

その後15年くらい経ってから京都の名画座でも見て、やはりさすが当時超一流の映画人だった橋本忍の息の根をたった一撃で止めた映画だけのことはある、と感慨深く鑑賞した(笑)

そして今日、なぜか衝動的にDVDを買って見てしまった(笑)

いやー、見れば見るほど凄い映画ですよこれは(笑)
点数付けるなら0点か100点しかないわ(笑)
いろんな意味を込めた満点評価てす(笑)
ま、これを見たらたいていのモノは笑って許せる、という美点は評価しても良いかと(笑)

それはともかく。
今見て、新たに感じたこと。

40年前の滋賀県の風景が不覚にも涙が出るほど懐かしい。
琵琶湖大橋の交差点なんて号泣モノですよこれは。
奥琵琶湖パークウエイ、長命寺、渡岸寺等々、琵琶湖周辺の観光案内映画としてもいい感じで、今度帰省した時には聖地巡礼でもしようかな?と思うほど。
40年前と今と、どんな変わり方をしているのか、ちょっと訪ね歩きたいなぁ。

主演の南條玲子、頑張ってるなぁ。
こんな思い込みが激しくてエキセントリックな女が身近にいたら怖いとは思うが、その裸身の美しさは高校時代の私も股間を熱くしたものだ(笑)
今見ても綺麗。

そして日夏も含めて走り方が綺麗。
と思ったらちゃんとランニング指導のスタッフがクレジットされてた。

ちなみに。
橋本忍の手による原作小説が存在します。
数年前に入手した原作本には、映画化にあたって道子(ヒロインのお市)、淀、みつの3人を演じる女優を募集する、という帯が掛けられています。
結局南條玲子だけ新人でキャスティングしたのね。

原作の話は…
映画と同じです(笑)
極めて原作に忠実な映画化でした(笑)
まあ自分で小説書いて自分て脚本も書いて監督もして、なのでそれも当然といえば当然なんだけど、このムチャクチャな話を映画化するって、誰か止めてやらなかったのか?(笑)

まあそんなこんなで、歴史に残るグダグダ映画ではあるけれど、それぞれのシーンは美しいし、ツッコミを入れながら楽しく見れたので、やはりここは満点を(笑)

人には薦めないけど(笑)
シャレが分かる人には抜群に楽しめる映画だね(笑)

しかしこの映画の最大の疑問は、特撮監督に「爆発の中野」こと中野昭慶がクレジットされていることである。
あのしょーちゃんがこの映画のどこに?
もしやラストのチープ極まりない宇宙遊泳のシーンか?
派手な爆発シーンがないしょーちゃんなんてしょーちゃんじゃないっ!(笑)

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flying frog

3.0隆大介は伸びなかったなあ。

2021年2月8日
iPhoneアプリから投稿

噂に違わぬ珍作。
シベ超的に面白がるのが作法だろう。
掴み所無い話しを大真面目に撮って、尚下手で雑で面白くない、という意味の珍作。
修行の為に観た、とする。で、
隆大介は伸びなかったなあ、と改めて想った。

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きねまっきい
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