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野性蘭の収集家のノンフィクション小説「TheOrchidThief」を基に映画化するという意味のアダプテーションと生存の為に虫に擬態化する蘭などの適応を掛けているのでしょう、もっとも本作は原作とはかけ離れたフィクションなのでアダプテーションというよりパスティーシュと言った方が良いかも知れませんね。
最初、殆ど自虐的な心の声(ヴォイス・オーヴァー)に唖然、何やらエキセントリックな脚本家の創作上の葛藤や苦悩の話かと思ったら原作パートの映像化が絡んで面白い趣向と気をとり直した。
もう一人のニコラスケイジが出てきたが妄想癖がある主人公なので自我の擬人化かと思ったが途中で双子の弟とわかり煙に巻かれた思い。
兎に角、原作ベースと構想中の脚本の映像化と映画上のリアルが混在してこれまたややこしい。実際のスクリーンライティング講師のロバート・マッキーさんの登場、本作の前半をこき下ろすところは実にシニカル、違和感をもったヴォイス・オーヴァーも確信犯だったとは恐れ入りました。
巨匠の説得に感化されたように終盤はいきなりサスペンスモード全開、主人公が忌み嫌っていたロマンス、ポルノ、銃撃、カーチェイス、主題歌など結局全部入りの映画になってしまいましたね。
全く先の読めない展開、予想で当たったのはワニくらい、絶対伏線だと思っていたら最後の最後でようやく当たり。
こういう楽屋落ちのような人を喰ったところがこの映画の魅力なのでしょう、玄人受けするのは分かるような気もしますがお遊びに付き合わされたような妙な気分です。
それにしても映画化を許した原作者のスーザンオーリアンさんは大人ですね、メリル・ストリープさんが演じるなら仕方ありませんかね・・。