タイムライン(2003) : 特集
こんなにあるぞ!タイムトラベル映画大紹介
(編集部)
「タイムライン」は、巨匠マイケル・クライトンが、満を持してSF界における定番かつ永遠のテーマ“タイムトラベル”に挑んだ記念碑的作品である。その設定は「もしも、ひ弱な現代人が戦乱の14世紀に行ってしまったら?」。もちろんお約束のタイムパラドクスが用意され、さらにクライトンならではの時空解釈が縦横無尽に繰り広げられ、ドラマを盛り上げる。
さて、タイムトラベル映画と言えば、やはりすぐに思い出されるのは「バック・トゥ・ザ・フューチャー」あたりだろう。だが、この3部作以外にもタイムトラベルを扱った映画はたくさんある。ここでは、名作から珍品まで、過去のタイムトラベル映画を編集部の独断でご紹介してみよう。
「ある日どこかで」(80)
DVD/発売:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント / ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン /価格:3800円
監督:ジュノー・シュウォーク
出演:クリストファー・リーブ、ジェーン・シーモア
“因縁”という言葉に強烈なリアリティを覚えるタイムトラベル・メロドラマ。ある日、お婆さんに迫られ、その若い頃の肖像画を見て「あ、かわいい」と思って過去に行くなんて普通じゃない(?)。ある意味、男の煩悩が可能にしたタイムトラベル。ラフマニノフの音楽が耳に残る、この文芸タイムトラベル映画に熱狂的ファンは多い。最近、原作が日本でも出版された。
「オースティン・パワーズ」(97~02)
DVD/発売:ポニーキャニオン/価格:3800円
監督:ジェイ・ローチ
出演:マイク・マイヤーズ、セス・グリーン
シリーズ3部作を通じて、おバカ映画の歴史を塗り替えるほどの大ヒットを記録したこのシリーズも、正真正銘のタイムトラベル映画だ。1作目では、冷凍保存されたオースティンとイーブルが現代に蘇るという設定が、2作目「デラックス」英国諜報部のタイムマシンが登場、3作目「ゴールドメンバー」に至っては、60年代と現代を行ったり来たりの途中に70年代に「途中下車」するなど、実に都合よくタイムトラベルしてたっけ。
「オーロラの彼方へ」(00)
DVD/発売:松竹/価格:4700円
監督:グレゴリー・ホブリット
出演:デニス・クエイド、ジム・カビーゼル
よくあるタイムトラベルものとはちょっと違って、電波だけが時を超える話。30年前と無線がつながって、死んだはずの父親と息子が会話する。息子は、「明日はあの店に行っちゃだめだよ」とか「たばこ控えたら」とか、父親が死を回避できるように現代から過去を遠隔操作。SF+サスペンス+ファンタジーごちゃまぜで、最後は泣けるという一風変わった電波系タイムトラベル映画。
「おかしなおかしな訪問者」(92)
ビデオ/発売:ポニーキャニオン/価格:15800円
監督:ジャン=マリー・ポワレ
出演:ジャン・レノ、クリスチャン・クラビエ
フランス代表。中世の騎士が現代に現れるという、「タイムライン」のまるっきり反対の話。さすがに中世にはタイムマシンはなくて、魔術師の魔法で(実は時代を間違って)現代に。これがもう緊張感なしのバリバリコメディ。甲冑姿のジャン・レノもいいけど、ねずみ男みたいな従者役のクリスチャン・クラビエが最高におかしい。98年には続編「ビジター」も公開された。