劇場公開日 2007年1月17日

タイムライン(2003) : 特集

2004年1月9日更新

04年正月映画第2弾として登場する「タイムライン」。数々のベストセラーで知られるマイケル・クライトンは、人類永遠の夢“タイムトラベル”をどんな形で料理したのか? これまでの同ジャンルの作品とどこが違うのか? 稀代の天才作家の足取りを紹介しつつ、「タイムライン」を観るためのポイントを整理してみよう。

マイケル・クライトン──稀代の天才作家が映画史に残した足跡

(編集部)

マイケル・クライトン
マイケル・クライトン

「琥珀のなかに何万年も閉じ込められていた“蚊”が吸った恐竜の血液からDNAを採取し、現代にその巨体を蘇らせる」。そのウルトラC的ストーリー設定を、スピルバーグとILMが見事に影像化した「ジュラシック・パーク」は、まさに映画史に残る作品だ。そして、その原作者こそがマイケル・クライトンなのだ。

42年シカゴ生まれ。オックスフォードとハーバードに学び、マサチューセッツ工科大学で教鞭を取ったこともあるクライトンは、処女小説「緊急の場合は」で68年にデビュー、翌年の「アンドロメダ病原体」が早くも映画化され、本もベストセラーに。以後、発表する作品は次々ベストセラーとなり、そのうち「ジュラシック・パーク」「ディスクロージャー」「ライジング・サン」など12作が映画化されている。このほかクライトンは、「コーマ」「大列車強盗」など7本の映画で監督も務め、人気TVシリーズ「ER 緊急救命室」の企画と製作総指揮を手がけるなど、実に多くの映画やTVに携わっている。

映画と相性のいい作家としては、クライトンの他にスティーブン・キング、ジョン・グリシャム、トム・クランシーなどがいるが、例えば彼の98年(「ロスト・ワールド」が公開された翌年)の収入は6500万ドル(約70億円)に達したといわれ、他の3人の作家と比べても断然高収入だ。ここでは、彼の原作のうち、これまでに映画化された12作をリストアップしてみよう。

1971
「アンドロメダ」
原作(監督:ロバート・ワイズ)

1972
「殺しのカルテ」
原作(監督:ブレイク・エドワーズ)

1972
「暗殺・サンディエゴの熱い日」
監督・原作

1974
「電子頭脳人間」
原作(監督:マイク・ホッジス)

1978
「大列車強盗」
監督・原作・脚本

1993
「ジュラシック・パーク」
原作・脚本(監督:スティーブン・スピルバーグ)

1993
「ライジング・サン」
原作・脚本(監督:フィリップ・カウフマン)

1994
「ディスクロージャー」
原作・製作総指揮(監督:バリー・レビンソン)

1995
「コンゴ」
原作(監督:フランク・マーシャル)

1997
「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」
原作(監督:スティーブン・スピルバーグ)

1998
「スフィア」
原作・製作(監督:バリー・レビンソン)

1999
「13ウォーリアーズ」
原作・製作(監督:ジョン・マクティアナン)

「タイムライン」
「タイムライン」

その多作ぶりと、ジャンルに囚われないマルチな才能には、今さらながら驚異の一言。そんなマイケル・クライトンの、全米150万部を超えるベストセラーにして最新映画化作品が、1月17日に公開される「タイムライン」というわけだ。

今回のプロットもまた、我々の想像力を掻き立てる。「フランス、ドルトーニュ地方。14世紀の遺跡発掘現場から見つかったのは、現代のメガネのレンズと"Help Me(助けて)"と英語で書かれた手紙。それは過去に消えた歴史学者E・ジョンストンが、遥か600年前から教え子たちに放ったSOSのメッセージだった……」。もう、つかみはバッチリOK。そして、14世紀からのSOSに気づいた教授の息子クリス(ポール・ウォーカー)と発掘チームの仲間たちの時空を超える冒険が繰り広げられるわけだが、この驚異のタイムトラベルについては次ページで。

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