Shall we Dance? : 特集
アニメでもなく、ホラーでもない日本映画が世界で注目を浴びている。それは、96年に日本でも大ヒットした「Shall we ダンス?」のリメイク作。そうすると気になってくるのが、一体オリジナルとどこが違うのか?ということ。そんな疑問を解決すべく、登場人物に焦点を当てて日米の「Shall we Dance?」を比較してみた。
日米「Shall we Dance?」徹底比較
編集部
日本では役所広司が、アメリカではリチャード・ギアが演じた主人公を筆頭に、主だった登場人物をピックアップ。なんとなく人生に倦怠感を感じていた主人公が、会社帰りの電車から見つけたダンス教室と、そこにたたずむ女性に惹かれてダンスを習い始めるという、基本の設定は同じ。また、全体を通して日本版と酷似していると評判だが、それぞれのキャストとキャラクター設定を対照表にしてみると以下のようになった。
【日本版】
【ハリウッド版】
設定
キャスト
登場
人物
キャスト
日本版との比較
郊外に一戸建てを買ったばかりの事務職系の課長クラス。あとはローンの返済だけかと思って焦る「中年の危機」まっさかり。ダンス教師に恋心に似た気持ちを抱く。
役所広司
主人公
リチャード・ギア
微妙に変化。弁護士事務所勤務の事務職系。とくに中年の危機的描写はなし。ダンス教師への恋的な描写はなく、夫婦関係の危機的な演出もない。
ダンス教室のオーナーの娘で、かつて世界的ダンスコンテストで失敗した過去を持つ。生徒との交流の中でダンスへの情熱を取り戻す。
草刈民代
ダンス教師
ジェニファー・ロペス
そっくり。基本的な環境設定も性格も同じで、J.Loなのにクールでストイック。でもダンスになると超ホットになるのはやっぱりJ.Lo。
結婚以来ずっと専業主婦だったが最近パートに出ることに。「なんだかお父さんに申し訳なくて」と娘に告白。
原日出子
主人公の妻
スーザン・サランドン
現代風にアレンジ。一流百貨店の服飾部門に勤務して部下たちにも慕われているキャリア・ウーマン。
会社では真面目な社員だが、ダンスになると情熱的なラテン系ダンサーに変貌。情熱の度が過ぎてパートナーに気持ち悪がられる一面も。
竹中直人
ダンス仲間で会社の同僚
スタンリー・トゥッチ
そっくり。薄い頭髪をカバーするためにダンスのときに被るカツラのヘアスタイルまで同じ。
肥満体を解消して恋人を手に入れるためダンス教室に。
田口浩正
ダンス仲間の肥満体男
オマー・ミラー
そっくり。日本版は色白だがこちらは黒人。
口の悪さと性格のキツさでみんなに敬遠されているが、実は清掃婦などの仕事をハシゴして、収入と情熱のすべてをダンスに注いでいることが判明。
渡辺えり子
ダンス仲間の張り切り女性
リサ・アン・ウォルター
そっくり。太めの体格まで酷似。
生徒たちや教師の関係性も含めて、ダンス教室のすべてを見守るベテラン教師。
草村礼子
年輩のダンス教師
アニタ・ジレット
そっくり。お酒でストレス解消するところも同じ。
こうしてみると一目瞭然。アレンジしてあるのは主人公の環境と、主人公の妻の性格。やっぱり家庭第一主義の現代アメリカでは、夫婦の絆は盤石じゃないとマズイのか? もっともスーザン・サランドンが妻じゃ、バレたら怖そうで、うっかり浮気も出来ませんが……。このあたりのキャスティングにより微妙な違いを楽しんでみるのもいいかもしれない。
もちろん、本作鑑賞前には日本版を観ておくとわかりやすいが、ハリウッド版の後に観ても比較は楽しめるはず。どちらにしても日本版をチェックすることをオススメしたい。
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