「直観と想像で観る映画?」マルホランド・ドライブ odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
直観と想像で観る映画?
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元は米ABCのテレビシリーズ向けの企画だったようだが意味不明と言うことで没になったいわくつきの作品。さしずめ「世にも奇妙な物語」風のカルト・ムービーの類でしょう。
殺人事件に絡んだ記憶喪失もののスタイルを取るが脈絡のない断片的なエピソードを入れるので戸惑うばかり、SFのパラレル・ワールド並みの時間交錯、落としどころはレズ関係の怨恨ものだったのか、よく分からない。
冒頭から昔の若者の踊るジルバ、甘ったるいオールディズ・ソング、シュールな舞台劇、おっぱい丸出しのレズシーン、いかにもサスペンスドラマの定番的雰囲気など観客が喜びそうな餌はふんだんにまかれているがどうにも皮肉っぽい。
業界のダークサイドを描くならお手の物、ネタには困らないのでしょう、勿論、監督なりの理屈は有るのでしょうが、特典映像の監督インタビューでテーマとか見どころ、狙いなどを聞いてもはぐらかすだけ、「音楽を愉しむのに理屈は要らないのと同様、感じて想像すればよい映画があっても良いではないか」と宣わっていた。
邪推かも知れないが、監督はスポンサー筋にあれこれ干渉されたり、したり顔の批評家たちにこき下ろされることに嫌気がさして、ぶっ飛んだ映画、いわば挑戦状をたたきつけたかったのかのしれませんね、とりあえず難解にしておけば、分かったように持ち上げる似非評論家の多いことまで読んでいるとしたら流石巨匠です。
個人的には作家性の強いシュールな映画は苦手、この内容で2時間半も必要なのか疑問です。
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