世界一不運なお針子の人生最悪な1日

劇場公開日:2025年12月19日

解説・あらすじ

スイスの美しい田舎町を舞台に、犯罪に巻き込まれたお針子の女性が、針と糸の力で運命を切りひらいていく姿を描いたクライムサスペンス。

スイス山中の小さな町でお針子をしているバーバラ。亡き母から譲り受けた店は倒産寸前で、相談できる友人も恋人もいない。ある日、常連客との約束に遅刻した上にミスをして激怒させてしまった彼女は、その帰り道に麻薬取引現場に遭遇する。売人の男たちは血まみれとなって道路に倒れており、周囲には破れた白い粉入りの紙袋と拳銃、そして大金の入ったトランクケースが置かれている。バーバラの脳裏には「完全犯罪(横取り)」「通報」「見て見ぬふり」という3つの選択肢がよぎるが……。

アイルランド出身のイブ・コノリーが主人公のお針子バーバラを熱演し、テレビドラマ「オースティン&アリー」のカルム・ワーシー、「パウロ 愛と赦しの物語」のジョン・リンチ、「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」のK・カランが共演。19歳で制作した同名短編で注目を集めたフレディ・マクドナルド監督が長編初メガホンをとり、コメディ要素も散りばめながら予測不能なストーリー展開で描き出す。

2024年製作/100分/G/アメリカ・スイス合作
原題または英題:Sew Torn
配給:シンカ
劇場公開日:2025年12月19日

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映画レビュー

5.0 人選は選択の連続

2025年12月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

また追いかけないといけない監督が増えてしまった〜
針と糸でトラップを仕掛けるスピード感が超絶カッコ良い!!
ポップな色合いに、キュートな小物たち。音楽のセンスも抜群!!

なんと!嘘みたいな仕掛けは全て監督が実証済みだそうです。
(※良い子はマネしないでね)

のどかな村の風景が美しく、お針子出張ワゴン車が紅葉に映えます。
個性豊かな村人たちと殺伐とした事件とのアンバランスさも良い感じ。
緊迫した場面でも程よくユーモアがあって…これはコーエン兄弟が好きになるはずです。納得。

亡き母から受け継いだ洋裁店は倒産寸前。
3回目の結婚に躍起になっている顧客への、ちょっとした悪意から運命が転がり始め…
文字通り、登場人物たちが運命の糸で絡み合っていきます。

糸は、何かと何かを結びつけて繋ぎとめるものであり、
ほどけなくして拘束する為のものでもある。
親と子の切っても切れない関係も描かれています…。

「子どもは親を選べない」とは、なんと恐ろしい言葉でしょう。
(ますます少子化に拍車がかかっちゃうよ〜)
大ヒットした『国宝』も歌舞伎の世襲制がテーマでしたが
親から子へと次の世代へ引き継がれる匠の技。
でも、実際には“職業選択の自由”を奪われているとも言える。

その一方で「芸は身を助く」
主人公は母親から譲り受けた裁縫の技でピンチを切り抜けていきます!
(むしろピンチを呼び寄せた感もありますが笑)
お裁縫は正確な技術はもちろん、状況を理解して最適解を計算するロジカルな部分と、何より全体をデザインするセンスが必要なのだ!

とにもかくにも。
人生は“選択”の連続です。
親の呪縛から解放されるまで。

そして、4度目の結婚もありえるのでは?と思わせる、ちょっとしたショットを入れてくるところも大好き。
隅々まで行き届いてます。

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NUMAYA

3.0 あなたはどの道を選ぶ?

Kさん
2025年12月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

《試写会にて鑑賞》

人生は選択、選択、選択。

「完全犯罪」「通報」「直進」の物語からは
それぞれ問いがあり、緊張感たっぷり。

あり得ない設定も笑えます。

危機的状態に陥っても才能を武器に立ち向かう
バーバラの姿には自信が感じられて
普段の仕事の時と雰囲気が全く違う!

縫うシーンより結び目に焦点を当てている印象。
糸のスルスルスル…からのぴたりとハマる瞬間にスッキリ。

劇中の仕掛けは編集ではなく実際に実験したうえで
動かしているとのこと。すごく驚きました。

ラストの適度な解放感と適度な幸せがリアリティで好きです。

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K