テイク・ミー・サムウェア・ナイス

劇場公開日:2025年9月13日

解説・あらすじ

幼い頃に別れた父を訪ねてボスニアへ向かう少女と、彼女の旅の道連れとなる2人の青年の姿を、詩的かつユーモラスに描いたロードムービー。

オランダで暮らすボスニア人の少女アルマ。両親は戦火に揺れる祖国を離れてオランダで暮らし、アルマを育てたが、やがて父はアルマと母を置いてボスニアへ戻り、疎遠となっていた。ある日、父が入院したという知らせが届き、アルマは母に言われるまま、単身ボスニアへ向かう。ボスニアの空港でアルマを出迎えた従兄エミルは無愛想で何の手助けもしてくれず、エミルの“インターン”を名乗るデニスだけが彼女の話に耳を傾けてくれる。父のいる町を目指しバスに乗り込むアルマだったが、休憩の間にバスは彼女を置き去りにし、荷物だけを乗せたまま走り去ってしてしまう。

ボスニア・ヘルツェゴビナ出身でオランダ育ちのエナ・センディヤレビッチが長編初監督を務め、ジム・ジャームッシュ監督作「ストレンジャー・ザン・パラダイス」に多大な影響を受けながら、主人公に監督自身のルーツを投影して描き出す。タイトルは、スコットランド出身のロックバンド「モグワイ」の楽曲名に由来する。2019年・第48回ロッテルダム国際映画祭にてタイガーアワード特別賞を受賞。

2019年製作/91分/オランダ・ボスニア合作
原題または英題:Take Me Somewhere Nice
配給:クレプスキュールフィルム
劇場公開日:2025年9月13日

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映画レビュー

2.0 有料チャンネルか、サブスクで鑑賞する官能映画レベル?

2025年11月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

 劇場の公式ホームページで興味を持ったので鑑賞しました。
ミニシアター系の作品を鑑賞される方々であればそれなりのコメントがありそうですが、一般的な作品を中心に鑑賞される方であれば「ただの官能映画かな」と思います。
テレビの有料チャンネルか、サブスクでR限定扱いされていて深夜にひっそりと見たい作品。

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ユメノトチュウ

5.0 太鼓判のクレプスキュール作品配給

2025年10月11日
スマートフォンから投稿

東欧の歴史に詳しくないので全くの想像で話を運ぶが、旧ユーゴの内乱から和平合意が'95年あたりというところから考えると、主人公のアルマは謂わば内乱第二世代といったところか。ルーツがオランダにもボスニアにもある様な微妙な心持ちが窺える。加えて今、少女なのか大人なのか、それも微妙な心持ち。鏡やガラスなどの2面を映して境界性を描く大胆な構図が、その辺りを実にうまく表現していて、映画としてのセンスは鳥肌モノ。二面性は内面だけに留まらない。
自分がボスニアに留まっていたならどうなっていたかを仮想させる従兄弟、そしてそのパシリ。はたまた好色な資産家や、旅芸人の様な歌い手など。旅の目的は父親に会う事で、詰まるところそれは自分のアイデンティティを自覚する事なんだけど、この登場人物たちがアルマに人生の多面性を知らしめて、青春を惑わせるのだなぁ。
ブレブレになっていく終盤は、惑ったままのアイデンティティ探しを表しているのか…なるほど人生やその価値など一筋縄ではないな。
クレプスキュールがまたやってくれた!人生の折々に再会したい作品。

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flushingmainst

2.0 優れた映像集だが、映画ではない

2025年9月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

端正な編集と画面構成で、丁寧に刈り込まれたフィクションを提供してくれるが、フィクション以上のものではなく、こちらを揺さぶるものではなく、つまり、古典が持つ魔法が欠けていた。
映画ではないが、綺麗ではあった。映画とはなにか、なにが我々を惹きつけるのか考えさせられた。

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悠

2.5 3人のパワーバランス

Kさん
2025年9月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ポスターデザインと
映像の美しさに惹かれました。

オランダから父が入院しているボスニアへ。

移民や国の社会的要素を反映させた
静かなロードムービーは官能的で詩的。

愛国者である不親切な従兄がこうなって
しまった背景も考えてみたり…。

奪う、奪われるの表現がとても良かったです。

衝動的で怖いもの知らずの主人公アルマの
子供でもなく大人でもない自分探しの旅を
しっかりと見届けました。

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K