センチメンタル・バリュー

劇場公開日:2026年2月20日

センチメンタル・バリュー

解説・あらすじ

「わたしは最悪。」で世界的に注目を集めたスウェーデンのヨアキム・トリアー監督が、愛憎入り混じる「親子」という名のしがらみをテーマに撮りあげた家族ドラマ。

オスロで俳優として活躍するノーラと、家庭を選び夫や息子と穏やかに暮らす妹アグネス。ある日、幼い頃に家族を捨てて以来、長らく音信不通だった映画監督の父・グスタヴが姿を現し、自身にとって15年ぶりの新作となる自伝的映画の主演をノーラに打診する。父に対し怒りと失望を抱えるノーラは断固として拒絶し、ほどなくしてアメリカの人気若手俳優レイチェルが主演に決定。やがて、映画の撮影場所がかつて家族で暮らしていた思い出の実家であることを知ったノーラの心に、再び抑えきれない感情が沸きおこる。

「わたしは最悪。」でも主演を務めたレナーテ・レインスベが主人公ノーラを演じ、名優ステラン・スカルスガルドが映画監督の父グスタヴ役で共演。妹アグネスをインガ・イブスドッテル・リッレオース、アメリカの人気俳優レイチェルをエル・ファニングが演じた。2025年・第78回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞。

2025年製作/135分/G/ノルウェー・フランス・デンマーク・ドイツ合作
原題または英題:Affeksjonsverdi
配給:ギャガ
劇場公開日:2026年2月20日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第83回 ゴールデングローブ賞(2026年)

ノミネート

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀主演女優賞(ドラマ) レナーテ・レインスベ
最優秀助演女優賞 エル・ファニング
最優秀助演女優賞 インガ・イブスドッテル・リッレオース
最優秀助演男優賞 ステラン・スカルスガルド
最優秀監督賞 ヨアキム・トリアー
最優秀脚本賞 エスキル・フォクト ヨアキム・トリアー
最優秀非英語映画賞  

第78回 カンヌ国際映画祭(2025年)

受賞

コンペティション部門
グランプリ ヨアキム・トリアー

出品

コンペティション部門
出品作品 ヨアキム・トリアー
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映画レビュー

4.0 お父さんは芸術家

2025年12月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

初期からの家のヒビは家族の不幸と不和を象徴。父が家をはつる度、家族の形も変化するのが面白い。父と娘が互いの存在を認め合うまでの物語、かな。
血の繋がりは大好きで大嫌いになりやすい。
姉は他人と名前のつく関係を持つ事に不安を感じていたけど、妹は姉がいたから誰かと一緒に過ごす生活に安心を覚えた事に、凄く救いを感じて一番泣けた。

彼女は嫌いなパパと同じ業界に入った時点で父親コンプレックスがすごいと思うけど、家族がうまく機能していないのに、自分の家族を使って作品を撮ろうとするお父さんは、多分芸術家かもしれないけど「お父さん」に成りきれなかった人なのかもなあ。子どもを子どもじゃなくて自分の作品の要素の一つとしかみてないのかしら。どうかしら。と思っていたけど、愛がないわけでもなさそう。

長年の不在を気にするそぶりもなく、次回作は君の物語だと成長を愛でた記憶もなかろう娘へ言ってしまえる無神経は、父である前に芸術家が先に出てしまうからか?
娘の気持ちより、自分の作品への絶対の自信を押し付ける彼の身勝手さに腹も立つけど、不安定な娘を心配する気持ちに嘘もなさそうで、なんかとても複雑な気持ちになった。
家族は誰よりも近くて当たり前の存在だから、うまく機能してないと軸がおかしくなる。

それでも好きな作家をはじめ、なんかセンスの類似に血の繋がりを感じないわけにはいかない父と娘。
なんだかんだ会ってなくてもお互いの存在を心のどこかには置いてたんだろなぁ。

あと、彼らの家は絵本の『おおきな木』(シェル・シルヴァスタイン作)をなんか思い出した。
それと『HERE 時を越えて』もなんとなく脳裏に浮かびながら観ていた。
変わらずそこに存在し続けるものが、愛を持って変わりゆく人々を見守る、優しい物語だった。

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icco

3.0 「家」が擬人化

Kさん
2025年12月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

《試写会にて鑑賞》

父と娘の修復と再生の物語。
直接対峙するということを全面には出さずに
父が作る映画を通してのコミニュケーションが良かった。

冒頭のナレーションから感動して身震い。
ヒビの入った家が歴史を吸収し、語っていく。

かなりギクシャクしたストーリーなのかと
思っていたら激しい争いは一切なく、
あっても少しの口論で留まっている。

人の感情に寄り添った優しい映画。
個人的に姉の精神的な病に深く共感。

家族ドラマだけではないテーマ性が非常に深い。
笑えるシーンも最高のタイミングで登場。

監督の素晴らしい手腕を感じました。
ラストは、じんわりと心に沁みる…。

俳優陣の繊細な表現力が驚くほど見事です。

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K