エディントンへようこそ

劇場公開日:2025年12月12日

エディントンへようこそ

解説・あらすじ

「ミッドサマー」のアリ・アスター監督が「ボーはおそれている」に続いてホアキン・フェニックスを主演に迎え、コロナ禍でロックダウンされた小さな町の選挙戦が全米を巻き込む大事件へと発展していく様子を描いたスリラー映画。

2020年、アメリカ・ニューメキシコ州の小さな町エディントン。コロナ禍のロックダウンにより息苦しい隔離生活を強いられ、住民たちの不満と不安は爆発寸前に陥っていた。そんな中、町の保安官ジョーは、IT企業誘致で町を救おうとする野心家の市長テッドとマスクの着用をめぐる小競り合いから対立し、突如として市長選に立候補する。ジョーとテッドの諍いの火は周囲へと燃え広がり、SNSはフェイクニュースと憎悪で大炎上する事態となる。一方、ジョーの妻ルイーズはカルト集団の教祖ヴァーノンの扇動動画に心を奪われ、陰謀論にのめりこむ。疑いと論争と憤怒が渦巻き、暴力が暴力を呼び、批判と陰謀が真実を覆い尽くすなか、エディントンの町は破滅の淵へと突き進んでいく。

保安官ジョーをホアキン・フェニックス、市長テッドをペドロ・パスカル、ジョーの妻ルイーズをエマ・ストーン、カルト集団の教祖ヴァーノンをオースティン・バトラーがそれぞれ演じた。2025年・第78回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。

2025年製作/148分/PG12/アメリカ
原題または英題:Eddington
配給:ハピネットファントム・スタジオ
劇場公開日:2025年12月12日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第78回 カンヌ国際映画祭(2025年)

出品

コンペティション部門
出品作品 アリ・アスター
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映画レビュー

3.5 今のアメリカ人をよく表している

2025年11月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

東京国際映画祭2025のジャパン・プレミア上映で拝見。
描いた物語としては、「アメリカの小さな田舎町に、データセンターが出来るまでの話」でしかない。
アリ・アスター監督にしては珍しく概念的な怖さではなく、小さな事象の組み合わせで歪みが雪だるまみたいに大きくなっていく「現実」の怖さをテーマにして居て面白かった。

出てくる登場人物が全て自分本位で、どこか壊れているのは、アリ・アスター作品のお約束。
主人公の保安官ジョー(ホワキン)が、まさに「アメリカ白人のいいところと悪いところ詰め合わせ(主に馬鹿)」ってキャラ。
コロナ禍でマスクをつけられない老人を庇う優しさと、意地になってマスクを外し続けてコロナに感染してしまう愚かさと、衝動が抑えられなくて市長親子を殺害してしまう短絡さと、普段は理性的に差別撲滅を口にしながら追い詰められると差別をするいう、絵にかいたような「感情による脊髄反射だけで何も考えてない脳筋馬鹿白人」。
"酷い目に遭って欲しいな、いつ遭うんだろう"というワクワクさMAX。
そして、物語の根幹を貫く、「事実とフェイクが入れ替わり、炎上の連鎖がおきたら、当事者を置いてきぼりにして、悪意は暴力として暴走する」というメッセージ。

めちゃくちゃ面白かったが、いわゆる「スッキリした」「怖かった」ではなく、「しみじみダメじゃん」って感じの後味の悪さが最高。
なので、これを面白いと言うことに抵抗を覚えるのもまた、アリ・アスター作品らしかった。

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コージィ日本犬

4.0 スマホに寄生された現代人 ✕ コロナ禍の先の見えない不安や焦燥 = 対話が失われた世界"まぜるな危険"

2025年11月3日
Androidアプリから投稿

異様に高まった緊張状態の中で誰もが孤独や苛立ちを感じては、誰かと繋がろうとリアルでないオンラインの社会に依存し、何かと戦い、状況は混沌を極め、それらがやがてリアルに取って代わって喰った…。スマホに寄生された現代人が、自分の意見(正義・主義主張)と思って、そこまでして守り"誰かと"戦ってきたものは何だったのだろうか?それぞれの事実が錯綜しながら、結局のところ空虚な独り相撲みたい。
シンプルにして考える保安官、ペドパス市長との泥仕合な市長選が今始まる!この土地じゃない、俺の問題じゃない!堰を切ったように誰もが何かと戦っていたコロナ禍の混乱は、スマホ(Facebook・Instagram etc.)を通してこんな町にまで…。でも、何と戦っているのか?分断され病んだ現代社会を象徴するネット社会こそが、視野が狭くなる原因。"同じ考え"(本当に?)の人と容易くつながれるSNSの危険性と中毒性。自分の世界に閉じこもって凝り固まるな。ヤケになって、"そうだ"と決めつけてかかるな。
誰もが認めるであろう豪華キャスト。メインの対戦カードである2人に加えて、やはり圧巻のエマ・ストーン、そして途中参加でこんな強い面々の中でも食われることなくしっかり場をかっさらうエセ・イエスでマンソンみたいな胡散臭いカルトゴッドのオースティン・バトラー。作品前半・中盤までの題材に忠実なテンションの積み重ねから一転、アリ・アスター節全開の後半戦へ怒涛の雪崩込み。予想打にしない展開には驚かされながらも面白かった。ホアキン・フェニックスが走ったら、とりあえず面白くなる!
ファーストカットから示されるのは、見えない敵との虚しい戦い。ロックダウンされて誰もいない通りで、不満は怒りとなって噴き出し大爆発!踊らされて、狂って、壮大なガス抜きから通りに飛び散る火花は、やがて熱狂の炎へと火に油を注ぐ…!!そうしたコロナ禍以降の混沌としたカオティックな世界の状態を、一つの町を舞台にまるで縮図のように描いて、観る者に問いかけてくる。厄介な前作『ボーはおそれている』よりわかりやすく面白かった。

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