BROTHER
劇場公開日:2001年1月27日
解説
ヤクザの抗争の最中、組を追われ、ロサンゼルスに留学している弟・ケンを頼って渡米した山本。ケンは、黒人デニーたちとヤクの売人をしていた。そんな彼らが起こしたひとつの事件が、縄張り抗争に発展。ヒスパニックのチンピラからチャイニーズ、イタリアン・マフィアをも巻き込んだ、絶体絶命の戦争が始まった……。
2001年製作/114分/日本・イギリス合作
配給:オフィス北野、松竹
劇場公開日:2001年1月27日
劇場公開日:2001年1月27日
ヤクザの抗争の最中、組を追われ、ロサンゼルスに留学している弟・ケンを頼って渡米した山本。ケンは、黒人デニーたちとヤクの売人をしていた。そんな彼らが起こしたひとつの事件が、縄張り抗争に発展。ヒスパニックのチンピラからチャイニーズ、イタリアン・マフィアをも巻き込んだ、絶体絶命の戦争が始まった……。
2001年製作/114分/日本・イギリス合作
配給:オフィス北野、松竹
劇場公開日:2001年1月27日
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2024年4月12日◯作品全体
北野作品における暴力とそれに至る登場人物の感情は、とても日本的だと感じる。
一見冷静に挑発を聞き流しているようでもしっかりと怒りを噛み締め、一線を越えたら突如暴力を爆発させる。殴る前や殴った後に流れる一瞬の静寂が印象的だ。表情での表現は乏しく、爆発的な暴力が対比的に描かれ、そのコントラストが登場人物の黒い部分を浮き彫りにする。こうした「静」と「動」の急激な緩急は、歌舞伎で言う見栄の表現にも繋がるし、シャイな日本人の秘めた感情を誇張しているようにも感じる。
本作ではそんな日本的な北野武の暴力が、アメリカを舞台に表現される。
主人公・ヤマモトは先に述べた暴力を表現する人物だ。挨拶のように暴言を吐き、英語がわからないと見ると平気で日本人を見下す人物たちは、きっと今まで「日本人はシャイでなにも言い返さない」と認識しているのだろう。そこへ炸裂する北野武的暴力。言葉で反論したりするのではなく、受け取った怒りを静かに、そして大胆に爆発させる。指詰をさせるところは少しデフォルメチックな表現だったが、異国の地で徐々に伝播していく日本ヤクザ的・北野的暴力は時にシュールで、時に刺激的だった。
終盤、次々と散っていく仲間たちの描写も容赦のなさが素晴らしい。正義と悪の構図で語るのではなく、力で翻弄し、翻弄される実直なストーリーの冷酷さ。北野作品の一番好きなところだ。
しかし弟のケンやヤマモトを慕うデニーと、タイトルにもある(ヤクザ的な意味の)兄弟を表現できていたかは首を傾げるところだ。『ソナチネ』にもあったような飾らずにふざけ合う姿は随所にあったが、異国の異人種との兄弟の表現は、もう少し違ったストーリーであったり、演出の肉付けをしてほしかった。
ヤマモトがデニーに大金を残していたことがわかり、デニーが「アニキ」と呟くラストも、結局は金か、と思ってしまった。それがアメリカでの「BROTHER」なんだ、と言うことであれば、なんとも皮肉なラストだ。
◯カメラワークとか
・この頃の北野作品は良くも悪くも演出に試行錯誤があって面白い。本作だとダッチアングルと首から下を映すアングル。
ダッチアングルは冒頭でアメリカにやってきたヤマモトを引きで映す時と、リムジンを映すシーンの冒頭。どっちもダッチアングルから徐々に水平に戻すっていうのをやってた。普通この演出ってギャグでやるんだと思うんだけど…
首から下のカットはヤマモトがケンと再会したあたりのシーン。英語が話せないヤマモトの孤立を表現していたように感じた。
◯その他
・渡哲也はミスキャストだったし、登場シーンのカット割りも最悪だったなあ。北野武作品の面白さって「この人ってこういう役も似合うんだ」みたいな、普段のイメージとは違う役柄の意外性とか、抜擢が面白かったりする。『ソナチネ』の大杉漣とか『アウトレイジ』の小日向文世とか塩見三省とか、『ソナチネ』や『HANA-BI』に登場した普通のオッサンみたいな一流殺し屋とか。渡哲也じゃそのまんまじゃん…。しかも日程調整が難しかったのか知らないけど、渡哲也のカットだけ渡哲也しか映らなくて眼の前にいる幹部たちと同じカメラに入らない。結果カメラが固定されてて、めちゃくちゃ違和感あるカット割りだった。あそこだけ学生の自主制作映画みたいな下手くそ感があった。映ってるのが渡哲也だから尚更、いびつな感じになっちゃってる。
・寺島進が演じた加藤は良いキャラだった。アメリカについてきたときの頼れる右腕っぷりとか、死に際とか。異常な潔さが良い。でも『アウトレイジ』だったら絶対犬死になってただろうなあ。
公開当時、映画館で6回見たぐらい気にいっている映画です。北野武作品のなかでは「ソナチネ」の同工異曲的な位置にあると思いますが、フレッシュなヤクザ映画としての魅力がとても大きく、のちのヒット作「アウトレイジ」シリーズの源流になっていると思います。役者陣の好演もひかり、特に寺島進と加藤雅也の鬼気迫る演技に圧倒されます。
「ファッキンジャップぐらい分かるよ馬鹿野郎」をはじめとする名ゼリフの数々、日英合作でロサンゼルスロケをしているのに安易にそうは見せない(でも画面はゴージャス)絵作り、前半のイケイケドンドンな縄張り拡大から一転、バタバタと仲間が死んでいく滅びの美学を感じさせる展開など、いい音楽を何度も聴き返すように毎回するっと見られてしまいます。最初と最後がついになっていることなど、見返すたびに新しい発見がありました。
何で米国は、常に全世界でヒットできる映画を作っているんだい?…俺だって
高い製作費を得られれば、スティーブンスピルバーグ、ジョージルーカス、
ベルナルドベルトルッチ、フランシスコッポラみたいな映画を作れるぜ…
そういう北野武の言葉が聞こえてきそうである…
バブル期、TVでビートたけしは「日本人に比べ米国人は働かない」と、
よく言っていたが、たけしは実際にアメリカで労働をしている人達を見た
ことが無い…
それで、今回に米国人スタッフを使って映画作りをしたら、米国人は
日本人スタッフ以上に良く働いてくれた…
つまり米国人は「映画では一流のエンターテイナーである」という
プロフェッショナルな精神が人一倍多くあり、その後にビートたけしも
TVでは米国人の悪口を多くは言わなくなった…
この映画の内容、ハリウッドでは「マフィア抗争」「ガンアクション」では
B級映画的で、つまり北野武はハリウッドに進出しても、その程度の
器しか無かった…それで、冒頭のスピルバーグ監督とかは、完全に
雲の上の人でレベルが違う…自分は日本という映画ではローカルの
一介の監督を続けるしかない…となった。
よって、この映画以降の北野武はハリウッド映画的な物は作らなくなった…
音楽の久石譲氏も、今回は「らしくない」と言うか、出資者の意向で
あまり独創的な音楽は作れなかった様だ…
結論を言えば、レンタルDVD店に行けばB級のガンアクション等の
映画は洋画コーナーに多数陳列されている訳であって、わざわざ
邦画の方に置いてある、このDVDを手に取る必要性が無い…
公開時以来で2回目だ。ロサンゼルスでヤクザ活動をするのだけど、抗争の描写ばかりでしのぎが描かれない。ヤクの売買などで収益をあげているのだろうけど、全体的に大味だ。スリリングにできそうなものなのにそうしない。ダイジェストっぽい印象だ。加藤雅也が若くてかっこいい。「いきなり子分になれ」などと言われて、事務所で寺島進に自殺されて気の毒だ。