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劇場公開日:

解説・あらすじ

筒井康隆の同名小説を、「桐島、部活やめるってよ」「騙し絵の牙」の吉田大八監督が映画化。穏やかな生活を送っていた独居老人の主人公の前に、ある日「敵」が現れる物語を、モノクロの映像で描いた。

大学教授の職をリタイアし、妻には先立たれ、祖父の代から続く日本家屋にひとり暮らす、渡辺儀助77歳。毎朝決まった時間に起床し、料理は自分でつくり、衣類や使う文房具一つに至るまでを丹念に扱う。時には気の置けないわずかな友人と酒を酌み交わし、教え子を招いてディナーも振る舞う。この生活スタイルで預貯金があと何年持つかを計算しながら、日常は平和に過ぎていった。そんな穏やかな時間を過ごす儀助だったが、ある日、書斎のパソコンの画面に「敵がやって来る」と不穏なメッセージが流れてくる。

主人公の儀助役を12年ぶりの映画主演になる長塚京三が演じるほか、教え子役を瀧内公美、亡くなった妻役を黒沢あすか、バーで出会った大学生役を河合優実がそれぞれ演じ、松尾諭、松尾貴史、カトウシンスケ、中島歩らが脇を固める。2024年・第37回東京国際映画祭コンペティション部門に出品され、東京グランプリ/東京都知事賞、最優秀監督賞(吉田大八)、最優秀男優賞(長塚京三)の3冠に輝いた。

2023年製作/108分/G/日本
配給:ハピネットファントム・スタジオ、ギークピクチュアズ
劇場公開日:2025年1月17日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

監督
原作
筒井康隆
脚本
吉田大八
企画
小澤祐治
プロデュース
小澤祐治
プロデューサー
江守徹
撮影
四宮秀俊
照明
秋山恵二郎
録音
伊豆田廉明
美術
富田麻友美
装飾
羽場しおり
衣装
宮本茉莉
ヘアメイク
酒井夢月
フードスタイリスト
飯島奈美
サウンドデザイン
浅梨なおこ
アクション
小原剛
ガンエフェクト
納富貴久男
VFXスーパーバイザー
白石哲也
編集
曽根俊一
音楽
千葉広樹
音楽プロデューサー
濱野睦美
助監督
松尾崇
キャスティング
田端利江
ロケーションコーディネーター
鈴木和晶
制作プロデューサー
石塚正悟
アシスタントプロデューサー
坂田航
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(C)1998 筒井康隆/新潮社 (C)2023 TEKINOMIKATA

映画レビュー

4.0老いたら身の程をわきまえろという圧力 ="敵”

2025年2月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

「ただ生き延びるために生きるってことを、どうしても受け入れられないんだよ。」
「残高に見合わない長生きは悲惨だから。」
初老に差し掛かった私にこの台詞がぶっ刺さる。

ついこの前まで若手の部類だった自分なのに、急に定年のテンカウントが始まり、いつのまにか会社の期待も次世代に向けられるように。
狭い会議室で会議をした後など「おっさん臭」が残っていないか気になる。夕方になると発しているような、、毎日「石鹸」で身体を洗うのは必須事項。
定年後の仕事は「ツテから付き合いであてがわれないと」どうやら無いのだろうな。さもなくば若者といっしょにアルバイト?プライドが耐えられるか。(私は儀助と異なり耐えざるを得ないのだが)
身体も急にあちこち壊れだした。いつ何がみつかってもおかしくない。
若い女性に対する振る舞いも今まで通りだと「勘違いおやじのハラスメント」になり兼ねない。好意ではなく、単に私の立場に対して媚びているだけ、もしくは気を使っているだけであることを決して勘違いしてはならない。それこそ儀助のように「立場を利用したハラスメントですよね」と教え子から冷や水浴びせられかねないぞ。自戒せよ!

老いや死は少しづつやってくるのではない。気づいたらそこまできているのである。いつの間にか老いているのである。
それに対して自分の意識はまだ大学出て就職したときの気分。若手のまま。年を取れば中身も自然と大人になるわけではないんだな。はじめて知ったよ。
周囲の「老いたら身の程をわきまえろ」「慎ましく、ひっそり生きろ」という無言の圧力はこれからもっと強まっていくのだろう。

身体や見た目の劣化&周囲の扱いの変化 vs 自分の意識。このギャップが「北との戦闘」なのかもしれない。
気をつけないといけないのは「北による侵攻」はいつのまにか始まっているということ。

「イタイおっさん」と呼ばれぬために、身の程をわきまえ、シャワーも3日に1回と節約し、おしゃれなバーや食材やワインを嗜むなどはイタイ行動なので慎み、少ない年金と貯金でひっそり隠れるように生きて、ただ「来るべき北からの攻撃」に何ら抵抗せず早々に投降するのが正しい老いた者の在り方か。

なんだかくやしいな。
「ただ生き延びるために生きる」は私も耐えられない。私は人間であり、達観した仙人ではないのだ。

最後に儀助が北に向かっていった姿が脳裏に焼き付く。北との戦いに勝利することは決してない。でもだからといって。。
自分の生き方の矜持を考える。

吉川晃司の金言を置く。
「80までカッコつけて、『あいつ死ぬまでバカだったな』と言われたい。」
「元気でエロくないとしょうがないでしょう、人間は。俺は『理性は間違うけど本能は間違わない』と思っている。」

※前半はお腹が空いてくる。焼き鳥と蕎麦が食べたくなった。
※料理、洗濯物畳み、冗長なほどのキチッとした生活描写は何を現している?
※そういえば隣の席の観客が加齢臭、空咳、背中曲がりのコンボ。リアルに老いを感じた。
※現実と夢が錯綜する構成。何が現実で、どこから夢なのか、わからない。
※河合優美、ここでも登場!しかし魅力的な話し方。
※モノクロ映画は情報が限定されて集中できて良いな。
※長塚京三さんって、Wikiみるとパリ大学に6年間も留学していたと!フランス史教授の雰囲気も納得!
※SMAPの中井君、木村君と同じ年齢。だからかいつまでも自分も若いと思っていた。中井君の事件、、考えさせられる。。

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共感した! 17件)
momokichi

4.0「敵」は誰ものもとにもやってくる

2025年1月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
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コメントする 3件)
共感した! 70件)
ニコ

4.577歳の元大学教授に襲いかかる敵の正体は幻覚か、それとも。。。

2025年1月19日
iPhoneアプリから投稿

笑える

怖い

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共感した! 30件)
清藤秀人

うーん‥‥?

2025年2月21日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

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共感した! 1件)
や

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