ベイビーガール

劇場公開日:2025年3月28日

解説・あらすじ

ニコール・キッドマンが主演を務め、すべてを手に入れたはずの女性CEOが満たされない欲望をインターンの青年に暴かれていく姿をスリリングに描いたエロティックスリラー。

ニューヨークでCEOとして成功を収めたロミーは、舞台演出家の夫ジェイコブや子どもたちに囲まれ、誰もが羨むような生活を送っていた。ある時、ロミーはインターンの青年サミュエルから目が離せなくなる。サミュエルは彼女の中に眠っていた欲望を見抜いて挑発を仕掛けてくる。行き過ぎた駆け引きをやめさせようとサミュエルに会いに行くロミーだったが、逆に主導権を握られ、2人のパワーバランスは逆転していく。

キッドマンが脚本構想段階から当て書きされたというロミー役を大胆に演じ、2024年・第81回ベネチア国際映画祭でボルピ杯(最優秀女優賞)を受賞。「逆転のトライアングル」のハリス・ディキンソンが年下インターンのサミュエル、「デスペラード」などのアントニオ・バンデラスが夫ジェイコブ、「TALK TO ME トーク・トゥ・ミー」のソフィー・ワイルドがロミーに憧れる部下エスメを演じた。監督・脚本は「BODIES BODIES BODIES ボディーズ・ボディーズ・ボディーズ」のハリナ・ライン。

2024年製作/114分/PG12/アメリカ
原題または英題:Babygirl
配給:ハピネットファントム・スタジオ
劇場公開日:2025年3月28日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第82回 ゴールデングローブ賞(2025年)

ノミネート

最優秀主演女優賞(ドラマ) ニコール・キッドマン

第81回 ベネチア国際映画祭(2024年)

受賞

ボルピ杯(最優秀女優賞) ニコール・キッドマン

出品

コンペティション部門 ハリナ・ライン
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映画レビュー

3.0 いわば、ヤッてしまった世界線の「アイズ・ワイド・シャット」。

2025年3月30日
PCから投稿

「ファーストキス 1ST KISS」

が絶賛大ヒット公開中だが、そこに期待したものがなかってがっかりした人。その期待したものは、ここで観れる(かもしれない。)

「ベイビーガール」





Babygirl。直訳すると、「かわいらしい・守ってあげたい存在」(男女問わず)らしいが、ここではもう少し掘り下げると、イケメンがキッドマンに対し、そう呼ぶことで支配的な言動で主人公の潜在的な欲望や弱さをさらけ出させる関係を表してもいる。

体は、90年代の「ナインハーフ」を代表するオシャレ系セクシー映画。舞台は現代だが、使われる楽曲は、ジョージ・マイケルやINXSといったそのころのものだし、主人公のちょっと困った娘の髪形もまさに、それである。

ぱっと見エロティックムービー。

しかし、なぜもはや名女優となったキッドマンが本作に出演し、体当たり演技をしたか、がオレの一番の関心事だった。

途中(どうせわかりきったことだが)旦那にバレて、(というよりバレるようにイケメンは行動している)家族が崩壊手前まで来たときに、ああ、これはあれだ。

本人の代表作(そしてクルーズ、キューブリックの傑作)「アイズ・ワイド・シャット」の妻アリスの在り方を再構築して、現代の「行き過ぎた多様性への配慮」にカウンターを当てることを目指したのではないか。

いわば、ヤッてしまった世界線の「アイズ・ワイド・シャット」。

とすれば、90年代のエロティックムービーが流行ったころの、「男目線」で作られてきた作品群が、実は「女性のほうの」自身の自我の目覚め、性の目覚めでもあった、という解釈が作り手側にあり、カウンターとして、キッドマンでないといけないし、低俗とされたエロティックムービーのルックをあえて採用したのはA24らしい、ということか。

「アイズ・ワイド・シャット」のレビューでは、ムラムラしたら、ただ奥さんとF**k、すっきりすれば「賢者」とまとめたが、あなたではイケない。と言われるとショックだが、私はこんなセックスが好きなのよ。と言ってくれることもないから、浮気して目覚めてきなさい、とは言えない。

だが、奥さん自身が自分の意志でそうされると、こっちはたまらないが、それも否定できないような流れになるのかなあ、と「ファーストキス」よりもはるかに、熟年期の夫婦(はい、そうです。ウチです。)の関係について考えさせられた。

ただ、確かに、「アイズ・ワイド・シャット」よりさらに「家庭」、「仕事」、「老い」、「性欲」について、とっても盛沢山なテーマなんだけど、見た目が「エロティックムービー」で片づけてしまわれそうなところが、狙い通りであると同時に「ありふれた」「安っぽい」ともとらえられそうなところが痛しかゆしだ。

追記

これなら、夫役はクルーズでしょ、というわけにはいかないだろうから、のアントニオ。(アントニオもエロティック系出てたね)

イケメンとの殴り合いに負け、咽び、声がかすれる姿が最高に哀れで、最高にかっこよかった。

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しんざん

4.0 ハリス・ディキンソン恐るべし!

2025年3月29日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

楽しい

興奮

地位も名誉も幸せな家庭も手にした女性CEOが、夫との満たされない性生活をある日会社にやって来た青年インターンとの関係によって埋めていく。ギリギリで抑えていた欲望の水門が壊れ、その先に果てしなく広がる快楽の海へ運ばれて、悦びながら溺れていく。

と書けば、これまでなら破滅的な物語を想像するかもしれない。すぐ頭に浮かぶ過去作が何作かある。でも、結論から言うとそうはならないのだ。

その結論に驚きを隠せない人もいるだろう。しかしそれよりも、ニコール・キッドマンとハリス・ディキンソンが演じる出会うべくして出会った、否、出会うべきではなかった男女が、無言のまま特殊なプレーに没頭していくプロセスが面白すぎて、こっちまで抜け出せなくなってしまうのだ。実は何をしているのかよく分からないところも若干あるのだが、お互いの役目を熟知し、決して外さない男女の性的な遊戯(←もしかして死語でしょうか?)から目が離せなくなるのだ。

監督のハリナ・ラインは端からキッドマンを想定して脚本を執筆したとか。それ以上に、ディキンソンの冷酷無比な支配者ぶりが秀逸で、『逆転のトライアングル』('22年)で演じたラブドール的な役柄と比較しても、今、最も目が離せない存在だと再認識した次第である。

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清藤秀人

3.5 未知なる領域に踏み込んだ異色作

2025年3月28日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

誰もが羨むキャリア、社会的地位、愛に溢れた家庭生活。それらを全て手に入れ、誰もが「成功者」として疑うことのない主人公ロミーの人生だが、本作はそんな彼女が内に秘めた性癖を充足させてくれる人物と巡り合ったときに巻き起こる予測不能のシーソーゲームをスリリングに描き出す。会社のCEOとインターンとの間でこんな精神的な下克上が起こるなんて、昔の映画であれば『流されて・・・』を思い起こしたり、もしくは仕事上の性的関係の面で『ディスクロージャー』的な展開すら予測してしまうが、他でもない現代に解き放たれた本作は、ロミーの迷える行動、心理状況、意志の力を、新進気鋭の女性監督ならではの視点で包み隠さず描き尽くす。そのはるかに高いハードルを難なく超えてゆくキッドマンの果敢な演技には恐れ入るばかり。作品の好みは見る人によって分かれるだろうが、これまで描かれたことのない未知の領域に踏み込んだ作品としては評価したい。

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牛津厚信

2.5 奥さまは性欲美魔女

2025年10月10日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

単純

ドキドキ

大企業のCEOとして成功し、家庭も円満の女性。唯一の不満は夜の営み。夫との性交に充分に満たされず。そんな時、若いインターンと出会い…。
こちらはCEOだが、プロット的には『運命の女』。さらに言うと『危険な情事』から続く不倫サスペンス。
CEOとインターン。しかし性の関係ではパワーバランスが逆転。
『ナインハーフ』や“フィフティ・シェイズ・シリーズ”路線のSMラブストーリー。
題材も設定も使い古された官能映画。
A24がこれにどう新味を加えるかが見所だったんだけど…、
期待外れ。

ニコール・キッドマンは本当によくやった、と思える熱演を見せる。
開幕から喘ぎ声と濡れ場。
指で責められ、床に這いつくばって身悶え。
嫌よ嫌よ…と、裸体を晒す。
終いには四つん這いになってミルクをペロペロ。
ニコールを想定して脚本を書いたらしいが、この大女優に何やらせとんじゃい!
若い頃からも大胆な役や演技に挑んできた役者精神は変わらず。
60目前なのが信じられない衰えぬ美貌(待機中の作品にリアル美魔女の『プラクティカル・マジック2』)と“THE女優ニコール・キッドマン”に、★0.5オマケ。
ハリス・ディキンソンも魅力を見せ付ける。にしてもニコールを従わせるなんて、羨ま…コラッ!
キャリアはすこぶる順調。ジョン・レノン役が楽しみになった。
ニコールの夫役、アントニオ・バンデラスも抑えた演技と悲哀を見せる。

キャストの演技はいいんだけど、如何せん話が…。
真面目にやってるけど、ポルノ映画並みのどうでもいい中身ナシの退屈な話。
結局は欲求不満の美魔女の性欲満たし。
『運命の女』もそうなんだけど、あちらは平凡な主婦で日常の魔差しに説得力をもたらすが、CEOで何不自由無くて、だけど性欲を欲していて…だと感情移入もしづらい。
勿論不倫はバレるが、何だか自業自得。それにオチもご都合主義。
『運命の女』のような激しい後悔や罪悪感、スリリングさも含めて。『ナインハーフ』や“フィフティ・シェイズ・シリーズ”のような艶かしいドキドキさも乏しい。

作品自体は高評価。えっ、何処が…?
ニコールもヴェネチア国際映画祭で女優賞獲ったらしいけど、熱演はしてるけど、賞獲るほど…?
何を描きたかったの…??

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近大

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