グラディエーターII 英雄を呼ぶ声

劇場公開日:

グラディエーターII 英雄を呼ぶ声

解説・あらすじ

古代ローマを舞台に、皇帝の後継者争いの陰謀に巻き込まれ、剣闘士(グラディエーター)として苛烈な戦いに身を投じる男の姿を描いたスペクタクルアクション「グラディエーター」。巨匠リドリー・スコットが監督を手がけ、アカデミー賞で作品賞や主演男優賞など5部門を受賞した同作の24年ぶりとなる続編。

将軍アカシウス率いるローマ帝国軍の侵攻により、愛する妻を殺された男ルシアス。すべてを失い、アカシウスへの復讐を胸に誓う彼は、マクリヌスという謎の男と出会う。ルシアスの心のなかで燃え盛る怒りに目をつけたマクリヌスの導きによって、ルシアスはローマへと赴き、マクリヌスが所有する剣闘士となり、力のみが物を言うコロセウムで待ち受ける戦いへと踏み出していく。

今作の主人公となるルシアスは、ラッセル・クロウが演じた前作の主人公マキシマスの息子という設定。そのルシアス役を、「aftersun アフターサン」でアカデミー賞にノミネートされたポール・メスカルが演じた。そのほかデンゼル・ワシントン、ペドロ・パスカル、前作から続投のコニー・ニールセンらが共演。リドリー・スコットが前作に続いて監督を務め、脚本は「ナポレオン」「ゲティ家の身代金」のデビッド・スカルパが担当。

2024年製作/148分/R15+/アメリカ
原題または英題:Gladiator II
配給:東和ピクチャーズ
劇場公開日:2024年11月15日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第97回 アカデミー賞(2025年)

ノミネート

衣装デザイン賞  

第82回 ゴールデングローブ賞(2025年)

ノミネート

最優秀助演男優賞 デンゼル・ワシントン
シネマティック・ボックスオフィス・アチーブメント賞  
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映画レビュー

4.0大胆な創造性で攻め続けるリドリー作品にはずれなし

2024年11月30日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

24年ぶりの続編を製作する上では無限の選択肢があったことだろう。失敗の神は常に嬉々として手をこまねいていたはず。だが一作目と二作目とで多くの要素が対を成す構成はとても明確で潔い。メスカル演じる主人公は前作のクロウとほぼ同じ運命を辿るし、さらにクロウの役柄をメスカルと二分するかのごとく将軍役のパスカルの存在がある。その上、狂った皇帝は本作ではまさかの寡頭化。かくも「II」さながら鏡に映ったかのような反復、増幅を楽しみつつ、狙い定めたタイミングでの効果的なズレが観客の心を大いに沸かせる。さすがリドリー。大胆で抜け目ない。しかも相変わらずの光と影を駆使しダイナミックな人間絵巻を描くカラヴァッジオぶり。後半に本性を剥き出す”あの男”もすこぶる楽しいが、その中で飛び出す「私は芸術家だ」という台詞には監督自身の言霊の響きすら感じた。これはある意味、リドリーの怪物的な芸術魂を存分に覗く作品かもしれない。

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牛津厚信

4.5前情報なしで見たので、ラッセルクロウのグラディエーターのリメイクか...

2025年5月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

前情報なしで見たので、ラッセルクロウのグラディエーターのリメイクかと思いきや、、、あのときの息子が成長して父親同じ道を辿るという胸熱作品。ここまでド派手に剣闘士ショーをやってたのか史実はわからないが、それはどうでもよい。
期待してなかっただけに観て得した。

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キリンさん

4.5Make Roman Empire Great Again そして 失われたローマの夢 これが本作のテーマであったと思いました もちろん21世紀のアメリカへの当てこすりです

2025年4月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

グラディエーターII 英雄を呼ぶ声

「英雄を呼ぶ声」は原題にはなく、邦題独自のものです
とはいえ、ラストシーンを切り取った良い副題をつけたと思います

2024年11月公開
前作公開から24年目の続編です

前作は、稀に見る傑作で世界的大ヒットとなり世界的な映画賞を総なめにする程の高い評価を勝ち取りました
自分も人生の中でも屈指の大好きな作品です

とはいえ、物語は完璧に綺麗に閉じられており、そう簡単には続編を作れる余地はありませんでした
だから、これほど長い時間がかかったのです

本作は前作で12歳の少年だったルシアスが成人してからの物語です
前作から、ローマ帝国はどうなったかが描かれています

物語は良く出来ていると思います
そこは満足しました

アクションシーンも過度な期待に負けない大迫力でした

ところが、大きな満足と同時にガッカリ感も感じてしまいました

VFX の進歩で映像の解像度は上がっています
なのに、脚本の解像度は逆に粗くなってしまっており、前作と比較すると大幅に劣ってしまっています、そこが不満です
前作では、名もないローマ兵の一人一人にも、台詞もなく台詞が号令だけであっても、彼らには、兵士として長年訓練して生きてきた半生があり、マクシマス将軍と幾多の戦場で苦楽を共にしてきた様子や、信頼関係がうかがえることが脚本にありそれが生き生きと簡潔に映像化されていたものでした
その解像度が大幅に後退してしまっています
まるでカメラが何百メートルも後退したかの様です

例えば、冒頭のローマ軍の侵略シーンでは防衛側がカタパルトで燃える油壺を投射してローマ艦隊を攻撃していますが、前作でも冒頭のゲルマニアでの蛮族との野戦に於いてカタパルトは登場しており、カタパルトの準備に余念なく忙しく働く各科各級のローマ兵の様子がキチンと表現されています
本作ではそういったものは表現がなされておらず遠くから漫然と眺めているような視点になっているのです

アカシウス将軍の初登場のシーンでも、「強風だ、」と見て取って色々指示を下すのですが、本作ではそれを誰に下令しているのはかは表現されません
前作だったらこのシーンはどう撮られていただろうと考えてしまうのです
アカシウス将軍は総司令官であっても陸戦の専門で、海戦は素人のはずです
だから彼の傍らにはローマ艦隊の海戦のプロの提督がいて、アカシウスの攻撃意図を聞いてその後に続く細かい指示を提督が、さらにその後ろについている顔馴染みの古参の海軍士官に命令している様子が脚本にあってそれが映像化されていたはずです
さらにその命令が各持ち場のローマ海軍士官達に次々に伝達されてテキパキと各持ち場で実行されていく様子や それだけでなく、こうしたほうがさらに良いと思われますと意見具申している様子まであっただろうと思ってしまうのです

前作では蛮族ですらシュプレヒコールのシーンで彼らなりの組織と統率が表現されていたのに、本作ではヌミディア側の体制の描写は何もなく単に個人の集団のようなのっぺりとした描き方なのです

前作ではそうした積み重ねに加えてVFX が細かく映像を見せていたのに、本作では画角が狭くスペクタクル感が薄く感じられてしまっているのです
アップに寄った時は細部まで凄く細かいのになんかカメラが遠くにあるようで画面の中央部だけが濃密で視野の周囲は粗いのです
なので作り物、CG ぽさが残ってしまいます

音楽も前作のハンス・ジマーのような格調高く印象に残るものではなく薄ペラいと感じられてしまい残念です

前作では要所要所に取り入れられていた特殊効果の映像表現は全くなく、淡々と劇が脚本通りに進行するのみです

結果として、全体の印象としては大いに満足して、ラストシーンでは感動すらしているのにも関わらず、前作には遠く及ばない、何か巨額の予算をかけたテレビスペシャルを観せられたよう残念な印象に止まるのです

Make Roman Empire Great Again

そして
ローマの夢
そんなものはもはや失われて無いのだということ

これが本作のテーマであったと思いました
もちろん21世紀のアメリカへの当てこすりです

前作のローマはローマ帝国の絶頂期を描いていました
そして本作では、劇中でも前作からほぼ同じだけの時間が流れていてローマは荒廃し始めていると明確に描かれています
前作では清潔で塵一つない美しく都市が機能していたのに、本作では悪臭が漂い、埃ぽく、物乞いが道端に大勢いるのです
中世の暗黒時代はもうすぐそこに迫っているということです

Make America Great Again

こんなことは本作のローマの夢と同じことだ
アメリカは衰亡するだろうという予感の映画です
かってローマには名誉があったが今のローマには失われている
というような台詞がありました
今のアメリカも同じです

Strength and honor
力と名誉を

名誉がうしなわれたなら
残るのは力のみです

そして暴力は共通語だと本作の劇中の台詞にあります

本作公開から、2ヵ月後新大統領が就任しましたそして100日があっという間に過ぎさりました
ヌミディアへの侵略シーンのようなロシアのウクライナ侵攻には、ロシアの肩を持ち、そして全世界を向こうに回して関税戦争を吹きかけています
正に名誉が失われた
Strength and honor.です

共和党の大統領候補への当てこすりだけではなく、本作では黒人の元グラディエーターの皇帝のように民主党の対立候補もなんら信頼できそうもないと、デンゼル・ワシントンはオバマ元大統領に寄せているのは民主党も50歩百歩だとのメッセージだと思いました
本作の公開は正に大統領選挙の直後であったのです

どちらの大統領に決まったとしても現代のローマ帝国たるアメリカ合衆国は衰亡しつつある
世界は中世に逆行するかも知れない
それが本作の真のテーマであったと思います

ではどうしたらよいのか?

本作の終盤のようにローマの夢を実現しようとする英雄を望むしかないのか?
それこそ夢です
大統領を選ぶ我々民衆自体がコロシアムにグラディエーターの試合のような血なまぐさい見せ物を喜んで見物に集まるようなレベルにまで劣化しているのですから

「英雄を呼ぶ声」という邦題独自の副題は、そこまで考えてのことかと思いました
本当に良くできた邦題です

最後に
ルッシラ、カラカラ帝、ゲラ帝は実在の人物で概ね史実通りです
特にカラカラ帝は史上最悪の皇帝であったとされています

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共感した! 4件)
あき240

3.0王道

2025年4月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

単純

なれど平凡。

ベンハーとかこんな感じの映画は昔よくあった。
若い頃はあまり魅力を感じず、テレビのロードショーなどでもピンと来なかった。
それならむしろ時代劇の方に興味があった。
受験では有無を言わされず世界史を専攻させられ、日本史は選べなかった。
その反動だろうか。

つまらなくはなかったが、ほぼ想定通りの展開。
すべてにおいて不満はないが、!という感覚もない。

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みみず

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