ブラックホーク・ダウンのレビュー・感想・評価
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米軍の失敗作戦を通じ戦争の悲惨な現実をリアルに描写
リアルな描写で生々しい戦争の現場を描いた作品。
1993年ソマリア内戦で行われたモガディシュの戦闘が舞台。
たった二人の敵兵幹部を捕まえるために、19名の米兵と1,000人のソマリア人が犠牲になったとのこと。
まさにこれが戦争の現実。
現代の戦争映画を確立した
公開当時、劇場鑑賞に加えて再鑑賞。
これまでの戦争映画といえば、第二次世界大戦やベトナム戦争と
時代にやや古さを感じるものが多かったが、
本作は公開当時でも数年前に起きた、まさに現代の戦争を映像化したものである。
また完全な市街地戦という描写も当時から斬新で
そのスタイルやリアリティある映像は、
後発の戦争映画に多大な影響を与えていると感じて止まない。
また今、見てもどうやって撮影したんだろう、と思わざるを得ない大掛かりなシーンも多い。
(視覚効果程度、味付けはあったとしてフルCGはない、もしくはかなり少ないと思うのだが)
リドリー・スコットの映像美ともあいまれば、凄惨なのだが、ソリッド、スタイリッシュ。
映像のクールさにはシビれるばかりだ。
物語は世紀の大失態と言われたソマリアでの急襲作戦で、
ひたすら突入から帰還までをノンストップで追ったもの。
ゆえに二時間近く乱れ飛ぶ弾丸と、吹き上がる土砂。
肉が飛び、血がしたたる。
味方もどんどん負傷してゆき、手加減ない相手の残酷さはとんでもなく、
たみかけてくる緊迫と絶望の展開で埋め尽くされている。
正直、女子供に向かない度、200%だ。
ただ、イーストウッドの「アメリカンスナイパー」もそうだが、
とにかくアメリカという大国の病理の一端を感じ取るに、
これほど過不足ない作品もないだろう。
後の戦争映画の道筋を作ったとさえ思しきエポックメイキングな本作。
気合を入れてから是非とも見てもらいたいと、時を越えても感じた。
映像はなかなかすごいものがある
おもしろい、と言うのが憚られるジャンルではあるが、わりきって観た場合、手に汗握る紛争アクションという見方で間違ってなさそうな気はする。
あまり背景も描いていないしソマリア兵士側のドラマも省いて感情移入が起らないような構成になってる。単純に米兵に群がる暴徒化した民兵、くらいの見せ方。良い悪いではなく、ただ自分たちの命を奪うために押し寄せる敵を蹴散らしているといった感じ。やんなきゃやられる、ていう単純明快さ。しかしこの規模で制御不能な暴徒を演出した映像はなかなかすごいものがある。
以上かな、あんまり深掘りしても意外となんにもない、観たそのまんまの映画。
【ブラック・ホーク・ダウンの時代】
「なぜ、アメリカは他国の戦争を戦うのか」
エンディングの場面で、若い米兵が自問自答するように発する言葉だ。
このモガディシュの戦闘が行われたのは、ソ連崩壊により米ソ冷戦が終わり、アメリカが世界の警察或いは、民主主義の番人のような役割を、ある意味、期待されていた頃だ。
クリントン大統領は、国連の遅々として進まない内戦の調停、奪われっぱなしの援助食料、統治能力に欠ける国連軍に業を煮やして、世界最高の屈強なデルタフォースやレンジャー部隊を投入して、アイディード将軍の確保を目指したのだ。
しかし、映画「アウト・ポスト」でも描かれたように、政治家や軍の上層部の見通しは甘かった。
「アウト・ポスト」で描かれたのはアフガンの山岳地帯での孤立無援の戦いだったが、ここでは、市街戦だ。
多くの市民兵の反撃も予想してなかったのだ。
こうした政治家のエゴや、見通しの甘さでも悲劇は生まれるのだ。
ソマリアは独立後ずっと内戦状態で、2013年に国際通貨基金が、ソマリア連邦政府を承認したことによって、援助の道が開けたように思われたが、複数のグループが政府を宣言する状況で、政情は不安定なままだ。
最近では、ヴィム・ヴェンダースの「世界の涯ての鼓動」でソマリアの爆弾テロを阻止しようとする諜報員が描かれていたが、日本では自衛隊が警備の一部を担うソマリア海賊対策が知られているかもしれない。
ソマリア沖は豊かな漁場で、昔は日本向けの魚の輸出が盛んだったが、90年代の内戦で、輸出設備などが傷つき、また、ソマリア政府が、アメリカにソマリア沖での放射線物質の投棄を認めてから、漁民の生活は奪われ、アデン湾を中心に航行する船に対して略奪行為を行うようになったのだ。
「ブラック・ホーク・ダウン」の時代から、この国に安定は未だ訪れていない。
3度目の正直‼️
3回見てる。何度見ても凄いが見れば見るほど評価をあげる。アメリカがベトナム、ソマリア、アフガンと次から次へと侵攻に失敗するのは自らが自らに科した正義と人権の思想に縛られるからだ。どんなに優秀な部隊と優れた武器を持とうとも、追い詰められ生きるか死ぬかしか選択肢の無い民族を支配しコントロールすることは無理である。アメリカはこれから先もはや攻めることは出来ないだろう。その戒めの記録なんだろうと思う。
何回観ても良い
米軍の出てくる戦争映画で3本の指に入る良作
まず、装備がまとも
どこのシーンでもおかしなところが無い
これには装備マニアもニッコリ
デルタが持っていたSpringfield Armory M14もM16の5.56x45mmだと弾が抜けて(ストッピングパワーが弱い)いたのをバスバス倒して尚GOOD
惜しむらくはアメリカ万歳映画であるが故にソマリア側が完全にゾンビの群れ描写
なにもソマリア側に感情移入が出来ない
むしろ敵意が湧きそうな感じだけど、押し入って荒らしているのはアメリカという事実
結論から言うと少数のアメリカ精鋭が舐めて掛かって、数千にボコられたけど正義の仲間パワー(国連)で無事勝利
多分実際に行った人もアメコミ的な頭の悪い感じに悪い奴をやっつける的なフワフワした感じくらいしか、何のために戦闘したか分かってないんじゃないかな
それを映画にしてアメリカ万歳するメリケン人はやっぱりすごいな
今観ても迫力・緊迫感のある作品
再鑑賞。今観ると凄いキャストですね。衛生兵はハンニバルのヒューダンシーだったんだ!迫力・緊迫感がリアルで戦場の悲惨さが物凄く伝わってくる作品。ソマリア民兵が多すぎて怖すぎる。仲間を信じ助ける為に突き進むアメリカ兵の誠実さには胸を打たれます。唯一トムハーディが映るシーンだけ和めますね。
先月観たアウトポストもそうだけどオーリーの出番は短い。
何が善なんだろ
反戦映画なのだとは思う。
見る価値もあると思う。
ただこれが、ソマリアの内戦にアメリカ軍が介入したこと自体は肯定してるのか、そこをも否定してるのかがイマイチわからない。
事態収拾のために送り込まれたレンジャー部隊。
ある日、30分で終わるはずの作戦が、ソマリア民平の反撃を受け、結局12時間以上の泥沼戦に発展してしまう。
1人の仲間も見捨てず、全員を戦地から基地に連れ帰るという絶対ルールを持つ米軍。
負傷兵救出に向かった兵士がまた負傷し、死傷者が増えるという悪循環に陥る。
激しい銃撃戦の中で、何のために戦うのかと聞かれたら、誰でも「今ここから、仲間と一緒に生きて帰るため」と答えるだろう。
大義名分なんか関係ない。
それを痛感させてくれる映画である。
米軍側の死者19人。
これに対し、ソマリア側の死者は1000人。
仲間を1人守るために、敵を100人吹き飛ばしたら、それは英雄なのか。
「良くやった」と言われることなのか。
それが私にはわからない。
何回観ても素晴らしい スコット、ブラッカイマー作品 忠実に再現され...
何回観ても素晴らしい
スコット、ブラッカイマー作品
忠実に再現された戦闘シーン
映像、描写、演出、キャスト、音楽
闘いの悲惨さ、必要性
仲間を思う気持ち
怖いと思った時に何をするか?が大切
さまざまなメッセージを感じる
賛否が分かれる作品
大半が実話に基づいた戦闘シーンというこで、その映像に文句はない。凄い!ただその戦闘に参加した人物には手が回っていない。忠実に描いていたのは分かる。再現フイルムをみせられそれをどう評価するかでこの作品の評価が分かれると思う。ドキュメンタリー番組なら高い評価をした。
リアリティを追求した特殊部隊モノの最高峰
近代の戦争モノ、特に特殊部隊系が好きなんですよ…その中でもシナリオ、描写が群を抜いてる作品。
キャストもジョシュ・ハートネット、ユアン・マクレガー、エリック・バナ、ウィリアム・フィクナー、サム・シェパード、トム・サイズモア、オーランド・ブルーム、グレン・モーシャワー、その他、当時旬な若手俳優が多数出演、書くのが大変なくらいの凄いキャストだ。そこに、リドリー・スコットのメガホンなんだから面白いに決まってる。
ソマリアの内戦に介入したアメリカとゲリラ民兵との戦闘をこれでもかとリアル描写を追求していて、映画館やサラウンドで観ると最高の作品だと個人的に思う。
アクション、戦争映画好きなら必ず観るべし
切迫感、リアル感、スリリング、アクション映画、戦争映画に必要なものが、全て詰まってます。
恐るべし、見始めたら、いつのまにか終わっている。
手に汗握り、手の爪が手のひらに食い込む。
凄い映画だ。
有名俳優がいっぱい
全編に渡る戦闘シーンは圧巻。グロテスクなシーンも満載。戦争による悲惨さ、無情さを不気味なまでに描いている。アメリカ万歳映画と批評されている方が多いようですが、むしろベトナム戦争と同じくアメリカの汚点を描いている映画でしょう。ソマリアは現在のイラクと同様にアメリカが過去において武器や資金を援助していた国です。強いてアメリカ万歳主義だということを挙げるならば、アメリカ軍が潔く撤退したこか?
反戦色も全く出ていない戦争映画ではあるが、何のために戦うのかということを後になって考えさせられる映画ですね。歴史を勉強すれば自ずとわかりますが、正義・自由・民主主義なんていう言葉が出てこなかったので救いです。事前に俳優の名前を確認せず見てたんだけど、ユアンやオーランドが出てたのね。。。わかんなかった(笑)
誰がどぶ掃除をするのか?
戦争の凄惨の現実を映像化した最もリアルな作品のひとつだろう
放置すれば30万人の人びとが殺されている大量殺戮が進行している
二つの道があると米軍兵士が言う
ひとつの道はこうだ
見過ごせばいい、遠い他の国のことだ
勝手に殺し合えば良い
CNNを見ながら大変だなあと言うだけだ
もうひとつは、
誰かがこのソマリアの内戦に介入しそれを止めること
米軍の車輌には大きくUNと書かれている
つまり国連の平和維持軍として米軍はこれを止めに来ているのだ
しかし、それなのになぜ米軍はこの現地の民兵達の強烈な憎悪を浴びここまで攻撃されなければならないのか?
本作のテーマは映画の最後で、生き残った二人の米軍兵士が話す内容だ
故郷に帰ると皆が聞く
なぜ戦うんだ?
戦争中毒なのか?
友人にこう聞かれた
なぜ他国の戦争を戦いに行く?
英雄気取りなのか?
一人目の兵士はこう答えると言う
俺たちは仲間の為にたたかうんだ 、と
二人目の兵士の答えはこうだ
違う、英雄になろうなんて誰も望んでいない
結果としてそうなる、と
エンドロールで戦死した兵士の手紙が読まれる
故郷で帰りを待っ妻と幼い子供達への手紙だ
そう、兵士たちは我々文明世界の平和な暮らしを維持するために戦っているのだ
家族の平和な暮らし、平和な社会の暮らしを維持する為に戦うのだ
文明世界を野蛮な世界に戻さない為に戦っているのだ
誰かがどぶ掃除しなければならないのだ
さもなければ悪臭を放ちボウフラが湧き、蚊もハエも大量発生するのだ
どぶ掃除の為にどぶに飛び込めば、当然汚れる
汚泥を頭から被る事だってある
ケガする事だってあるだろう
だが誰かがどぶ掃除をしないとならないのだ
文句を言っても他の誰かがしてくれるわけもないのだ
この戦闘の悲惨さから米軍はソマリアから撤退し
その結果、第三世界での活動に腰がひけることになった
そして8年後911が起こる
どぶ掃除を怠ったつけは大きい
米国はそこからテロ戦争という大掃除に取りかかるはめになったわけだ
私達が平和に暮らす文明社会は、簡単に壊れる
文明を維持するためにには戦う気構えが必要なのだ
悪貨は良貨を駆逐し、水は低きに流れ
一滴の汚水は飲み水を腐らす
他国の内戦に介入することを大国のエゴだと非難するのは簡単だ
そして次にそのきれいごとをいう同じ口で今度は大量殺戮の紛争を止めろ、政府は何をしているのかと非難する
そのしわ寄せは兵士の戦う現場に行く
それがブラックホークダウンを引き起こすのだ
21世紀の日本でも、ブラックホークダウンは起こりそうだ
日本の隣には悪臭を放つどぶどころか、有毒な煙をあげて燃える大小二つのゴミの山がそびえているのだ
平和憲法という縛りは自衛隊のブラックホークダウンを引き起こしかねない
そうなる前に手を打たないとならない
誰が?
それができるのは私達国民の考えひとつなのだ
緊迫した戦闘シーンはスリル満点
内戦をとめに行ったアメリカ軍の戦闘の話。
おもしろい。緊迫した戦闘シーンはスリル満点。この映画の場合、話の盛り上げ方が非常に優れている。この後どうなっていくのかと、ストーリーに自然と引き込まれていった。
社会的背景があることも、話に深みを持たせている。
リドリー・スコット監督の映画らしく、見どころ満載、適度に残酷で毒があって、キビキビした迫力ある画面構成という、商業映画としてはソツのないデキ。
ネットで視聴 英語字幕
戦争映画では大勢の兵士を登場させるので、若手俳優が登場するチャンス。
公開当時に劇場で見た時には気がつかなかったが、この映画では、オーランド・ブルームが18歳の生意気な新兵役として登場する。
端役ではあるが、映画の展開上、重要な役割を果たすので、印象に残るオイシイ役どころ。
オーランド・ブルームは、当時、ロード・オブ・ザ・リングののレゴラス役、パイレーツ・オブ・カリビアンのターナー役、立て続けに大作に登場。
売り出し中の時期だった。
イケメンの大スターとなった今では、少々頭の足りないアメリカ青年を演じていたなんて想像もつかない。
今回も、あとで名前を発見して、どの場面に出ていたか確認したくらいである。
映画の方は、リドリー・スコット監督の映画らしく、見どころ満載、適度に残酷で毒があって、キビキビした迫力ある画面構成という、商業映画としてはソツのないデキ。
ただ、初期の頃のブレード・ランナーやブラック・レインを知る身としては、このアクのなさは、どうにもものたりない。
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