十一人の賊軍

字幕メガネマーク 音声ガイドマーク

劇場公開日:

解説

江戸幕府から明治政府へと政権が移りかわる中で起こった戊辰戦争を背景に、11人の罪人たちが藩の命令により決死の任に就く姿を描いた時代劇アクション。「日本侠客伝」「仁義なき戦い」シリーズなどで知られる名脚本家の笠原和夫が残した幻のプロットを、「孤狼の血」「碁盤斬り」の白石和彌が監督、山田孝之と仲野太賀が主演を務めて映画化した。

1868年、江戸幕府最後の将軍・徳川慶喜を擁する旧幕府軍と、薩摩藩・長州藩を中心とする新政府軍(官軍)の間で争われた戊辰戦争。そのさなか、新政府軍と対立する奥羽越列藩同盟に加わっていた新発田藩(現在の新潟県新発田市)で繰り広げられた、同盟への裏切りのエピソードをもとに、捕らえられていた11人の罪人が、新発田藩の命運を握る、ある砦を守る任に就き、壮絶な戦いに身を投じる姿を描く。

山田孝之が、妻を寝取られた怒りから新発田藩士を殺害して罪人となり、砦を守り抜けば無罪放免の条件で決死隊として戦場に駆り出される駕籠かき人足の政(まさ)を演じ、仲野太賀は、新発田の地を守るため罪人たちと共に戦場に赴く剣術道場の道場主・鷲尾兵士郎役を務める。彼らとともに決死隊となる罪人たちを尾上右近、鞘師里保、佐久本宝、千原せいじ、岡山天音、松浦祐也、一ノ瀬颯、小柳亮太、本山力が演じ、そのほかにも野村周平、音尾琢真、玉木宏、阿部サダヲら豪華キャストが共演。

2024年製作/155分/PG12/日本
配給:東映
劇場公開日:2024年11月1日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

“観る楽しさ”倍増する特集をチェック!

インタビュー

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画評論

フォトギャラリー

映画レビュー

5.0だんだんと映画になっていく

2024年11月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 1件)
共感した! 29件)
猿田猿太郎

2.560分削ってください!いや30分でもいいです!

2024年11月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

本サイトの特集によると、60年前の幻のプロットを起こし、「孤狼の血」で東映ヤクザ映画を現代味に復活させた白石和彌監督のもと、今度は、東映集団時代劇を復活させた、という触れ込み。

そんな企画は大体、プロットが勝りすぎて時代遅れになったり、プロットが今どきの忖度に薄まり、味がしなくなったりと良いことはない方が多かったり、オレ自身が「孤狼の血」をそんなにかっていないのと、NETFLIXの「極悪女王」があんまりおもしろくなくてガッカリしての、期待値は結構下げての鑑賞。

舞台は戊辰戦争。東京映画祭オープニング作品。戊辰戦争の意味がどれだけ国際映画祭に通じるか、そしてその価値はあったのか。

「十一人の賊軍」




東映集団時代劇というと、1989年の「将軍家光の乱心 激突」ぐらいしか見たことはないが、当時高校生の自分でも、「ザ・痛快・時代劇」、チャンバラと火薬を堪能した記憶がある。

全体的には、同じように名もなき者たちが、権力闘争、時代の渦に巻き込まれ、奮闘する、というものになるので、アツイものを感じられる。そして、「孤狼の血」がおおよその評価として認められた白石監督であって、本作も現代風に「アップデート」とは言わないが、見ごたえのある作品に仕上がっている。

とはいえ、いかんせん長すぎる。

戊辰戦争という、国際映画祭に上映するにはいささかわかりにくい舞台設定について、ちょっと説明が足らない部分はまあいいとして、官軍側の描写が多すぎ。これらと新発田藩士側の人名に字幕がついたりと、「名もなき」賊軍との比較、ということかもしれないが、結局ノイズ。

さらにサダヲの連続断首のエピソードも要らない。サダヲの娘も必要ないし、賊軍の女も要らない。主人公の妻の聾唖の設定も要らない。

もっと要らないのは、最初のチャンバラ。暗いし、ウェストショットのアクションばっかりで、(これは役者の殺陣の技量によるかもしれないが、)ちっとも盛り上がらない。(NETFLIXの「極楽女王」でも感じたのだが、どうにもアクションの撮り方が単調に見える)

これらを切るだけで60分、いや30分は短くなる。

とはいえ、後半、俄然盛り上がってくる。嵐の中のつり橋攻防からだ。

「黒い水」と「つり橋」で、こっちは勝手にフリードキンの「恐怖の報酬」、あるいはせめてコッチェフの「地獄の七人」やってくんねえかな、と思ったら、やってくれました!!ありがとう!!どうせなら、油井まで嵐の中つり橋で重機を渡す、みたいな展開だと感涙までしたはず。それぐらい嵐のつり橋シーンはよかった。

そして、峠での決着をもっての、仲野の独壇場。ここはカメラはしっかりと白昼の下、ロングショットで立ち回りを見せる。

結末はある程度想像つくものではあるが、テイストは「アメリカン・ニュー・シネマ」である。そして一騎討ちをカタルシスとせず、道場で鍛えられたはずの家老サダヲの行動が、戊辰戦争の結果を端的に表す。そのためにも主人公孝之はひっそりと意味もなく、火薬とともに見せ場を譲る必要があった。

イヤほんと、前半全部要らないって。

追記

「名もなき者」の奮闘で世界が救われる、は「アルマゲドン」が至高と思ってるぐらい、程度の低いオレだが、賊軍にそれなりの技量があっての集団でなければ「アルマゲドン」の域には達しない。本作に説得力の希薄さや嚙み合わせの悪さを感じるのは、一概にそのせいだ。

追記2

この手のエンドクレジットは、それぞれの顔と名前をワンカットごとに挟みましょうよ。娯楽色がもともと強い企画なのだし、そもそも登場人物が全く印象残らないくせに、何の役にも立たないのに「医者」だ「詐欺師」だ「坊主」だとか説明する時間は全部省いて、エンドクレジットでドン、で十分。むしろそのほうがかっこいい。

というか、かっこいい、と言っちゃダメなんだろうな。

コメントする 7件)
共感した! 38件)
しんざん

3.5犠牲の上に成り立つ平和の心苦しさ

2024年11月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

その場で偶然居合わせた人物たちが、人数も装備もスキルも圧倒的に上の輩たちを相手に戦わなければいけないという設定は、何度見てもワクワクする。

どんな機転で現状打破するのか。
圧倒的不利な立場でそれをどう覆していくのか。

その展開が楽しみではあったのだけれど、そんな王道まっしぐらな話ではなかった。そりゃそうか。
見終わった後、どんな感情になれば良いのかわからなくなった。胸糞といえば胸糞だし、でも世の中っていつの時代もこうだよな…とも思うし。
時代劇ではあるけれど、とても現代的でもあるなと感じた。

一部の権力者の人がよく言う「多少の犠牲はやむを得ない」という言葉。いつ聞いても、じゃあお前がその犠牲になってくれと思ってしまう。
いつの時代でも、何かを得るために名もわからない人々が犠牲となって戦っているんだと改めて思わされる。そしてそんな彼らの心の叫びを浴びて、私はどうしたらいいんだという気持ちにさせられた。

仲野太賀の初の殺陣は素晴らしかったし、山田孝之の汚いビジュアルでの野生味溢れる演技は素晴らしかった。仲野太賀のラストの迫真の演技は圧巻すぎるので、是非見てほしい。

コメントする (0件)
共感した! 13件)
AZU

4.5迫力の「爆発」活劇で実感する仲野太賀の凄み

2024年11月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 1件)
共感した! 55件)
ニコ