お母さんが一緒

劇場公開日:

お母さんが一緒

解説

「恋人たち」「ぐるりのこと。」の橋口亮輔の9年ぶりの監督作となるホームドラマ。ペヤンヌマキ主宰の演劇ユニット「ブス会」が2015年に上演した同名舞台を基に橋口監督が自ら脚色を手がけ、CS放送「ホームドラマチャンネル」が制作したドラマシリーズを再編集して映画化。

親孝行のつもりで母親を温泉旅行に連れてきた三姉妹。長女・弥生は美人姉妹といわれる妹たちにコンプレックスを持ち、次女・愛美は優等生の長女と比べられたせいで自分の能力を発揮できなかった恨みを心の奥に抱えている。三女・清美はそんな姉たちを冷めた目で観察する。「母親みたいな人生を送りたくない」という共通の思いを持つ3人は、宿の一室で母親への愚痴を爆発させるうちにエスカレートしていき、お互いを罵り合う修羅場へと発展。そこへ清美がサプライズで呼んだ恋人タカヒロが現れ、事態は思わぬ方向へと転がっていく。

長女・弥生を江口のりこ、次女・愛美を内田慈、三女・清美を古川琴音、清美の恋人タカヒロをお笑いトリオ「ネルソンズ」の青山フォール勝ちが演じる。

2024年製作/106分/G/日本
配給:クロックワークス
劇場公開日:2024年7月12日

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(C)2024 松竹ブロードキャスティング

映画レビュー

4.0お母さんは、何処???

2024年11月12日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

ブラックユーモアだと思った。
初めに気付いたこと。
温泉の記念写真に母が写っていない‼️
キャストを見たが、母親らしき女優の生前が見当たらない?
ハハーン!?
手の込んだ詐欺的な演出。
《ストーリー》
母親の誕生日のお祝いに、母親を温泉に招待した3姉妹が、
気難しい母親の対応に四苦八苦する物語り。

所が、待てど暮せど母親は登場しない。
そうか?そういう手なのね!

いやぁ壮絶でした。
姉妹の口撃バトル‼️
罵り合い。
長女(江口のりこ)と次女(内田滋)のが特に激しい。
一番おっとりした3女のキヨミ(古川琴音)まで、
恋人に言ってはならない言葉を投げつける。
毒舌?母の遺伝子?
毒しか吐かない母親像、
それをそっくり受け継げ3姉妹像。
愛と憎しみ。
肉親は愛しもして、憎みもして、
しかし頼りになる、力になってくれる、、他人様とは全く違う
一蓮托生の存在です。

身内(母、父、姉妹、兄弟)って多かれ少なかれ、
互いの失敗を知る人たちですね。
恥ずかしい失敗(過去)を知る人です。
だからこそ安心して付き合えるし、全部をさらけ出せる。
しかし、本心や怒りを全部を口に出してもいいものだろうか?
肉親だからこそ、口をつぐんで、傷口に触れないうにする思い遣り。
肉親だって「思い遣り」は、潤滑油。
肉親だからこそ、
欠点を許す。
暖かく接する。
嫌なことはくちにしない。

最後に思ったこと。
この映画の“お母さん“って、
本当は死んでいるんではないのかしら?

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共感した! 14件)
琥珀糖

3.5女が3人いると大抵2対1になる

2024年10月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

鑑賞日7月14日。舞台を映画化したものです。どのキャラクターも立っていて、俳優の演技も良かったです。江口のりこさんは、今年スクリーンで一番沢山観ました。
姉妹のやり取りはすごく面白かったし、妹の彼氏が出てきてからが中々良かったです。

気が強くわがままで3人姉妹が手を焼く母親は、一瞬姿を見せた以外は話題に上るだけで出てきません。それを舞台では俳優の演技でそこに存在させられますが、映画だと、どうして出て来ないんだろうと気になります。それに、映画館の大きいスクリーンに、最後は声だけというのはちょっと寂しかったです。カメラワークを駆使して、後ろ姿とか手とか、母親を見えそうで見えない角度でじらし、最後に加賀まりこさんみたいな強烈なキャラの母を出しても良かったし、あるいは、結局最後までちゃんと見せない、というのもアリだったかなと思いました。

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共感した! 4件)
ゆり。

4.0長女 江口のりこ

2024年10月11日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

NHKの「お母さんといっしょ」をもじったタイトルですよね。
世代ならばビビビッとくるはず。このタイトル。

橋口亮輔監督は、被写体となる家族の歴史を、素朴で、誰にでも身に覚えがあって、共感できるキャッチフレーズで、
そうやっていつも鑑賞者に楽しい物語を差し出してくれます。
等身大だから面白いんですよね。

・・・・・・・・・・・・・

推しの映画館=塩尻の東座。
きっぷ売り場の小さなロビーです。
東座は やってくれましたよ♪
東座の【お姉さん】と【妹さん】と、そして【お母さま✨】が、三人並んでのお出迎えでした。
ね?これ、いいでしょう!?(笑)
絶対この映画の上映のために、
いつもは奥の住宅におられる事が多いお母さまも (たぶん長女の社長=こずえさんに引っ張り出されて) 、母と姉妹で、ロビーで僕たちのことを迎えてくれたんですよ。
映画みたいでしょう?
粋なプロデュースです♪

・・・・・・・・・・・・・

きょうだいの性格の違いが、このドラマの全てです。

「不機嫌な長男・長女、無責任な末っ子たち」。
これ、僕が愛読するハウツー本なのですが、
長子・中間子・末子 バッシ の、生まれながらに持っている個々の性格と、その三兄弟・三姉妹が家庭内で後天的に養われてしまった上下階級やら役割分担やらを、ズバリ解説していて、たいへん面白い本です。
きょうだい間の性格の差異を、よくぞここまで観察したものです。きょうだい同士の無理解や いざこざや、不満や我慢の原因を、分析・指し示してくれるマンウォッチングの本でした。

僕自身が、男5人兄弟の一番上でしてね、いわゆる長男なんですが、弟たちとの関係の上手く行かない事にずっと悩みを抱えつつ、耐えに耐えては親と弟たちを取り結び、無意識に自分の事は押し殺して、
僕も江口のりこのように我慢もしてきた。
だからこの解説本でいろいろ納得が出来、また溜飲が下りたのです。
解決法は「そのままの自分を」「そのままの弟たちを」「受け入れるしかない」って事なんですがネ。

「親と子」は、「家庭」という社会の最小構成の単位。
その中でも 「きょうだい関係」は、人が密接して生きる学校や職場のひな型。
上手く付き合えない者同士がどうやって狭い家の中で一緒に暮らせるかを、子供たちは子供部屋で現地実習するのだと思います。

・・・・・・・・・・・・・

「細雪」 は四姉妹。
「リア王」 は三姉妹。
「若草物語」 は四姉妹。
「海街diary」 は三姉妹+末娘。

本作品も、
三人の女の性格描写が秀逸。
一旦ばらばらになって独立した姉妹が、大人になって母親を要にして再会をする物語。
とかく女はよく喋る。
・ほんの少しほかのきょうだいを理解し、
・ほんの少し自分のことがわかる。
・自分の気持ちも、やっと泣きながらもぶちまけることが出来た。
・母親がいなくなるまでに間に合った、ゆるやかな時間が流れます。
時間がたっぷりのお泊りの効用です。
後半は「激しい時間」が怒涛のごとくに流れる。
姉のマスカラも怒涛のごとく流れます。

・・・・・・・・・・・・・

[ おまけ ① ]
うちは子供が3人。
妻は、子供たちの誕生日には たいへん「ユニークなプレゼント」を毎年用意していました。
誕生日の子だけを連れて丸一日外出するのです。
つまりその日は、誕生日の主役がお母さんを独り占めできるのです。なんでも希望どおりです。どこへ行くのもお願いどおり、その日の主役の子のリクエストがすべて叶うのです。
(逆に、その子がお家にいたいと望むなら、僕が他の二人を邪魔にならないように連れ出すことになりますね)。
でも、何かをもらったり、美味しいものを食べたり、遊園地に行ったりする事なんかよりも、夢のような「私だけのお母さんといっしょの時間」が、年に一回は、一人一人に叶うわけですよ。
我慢をしたり、押しのけたり、涙を飲んだりしながら きょうだいと暮らしていても、「その日」は全てを満たして余りある喜びがある。
すごくいいプレゼントですよねぇ・・
いいセンスをしていた女性でした。

映画の三人は、微笑ましくもお母さんの取り合いのために帰宅した子供たちの姿でした。

男はダメですわー。女親にはどう逆立ちしても永久に勝てません。

・・・・・・・・・・・・・

[ おまけ ② ]
邦画作品は基本かけないはずの東座。
珍しく本作の上映となりました。
けれど加齢のおかげで聴力が落ちている僕のこと、
「字幕」が出ない邦画は、不安的中。やっぱダメでしたね・・よく聞こえない。
ましてや佐賀弁での会話です。ボソボソ喋る姉江口のりこの独り言も多くて、大著の台本。ワンシチュエーションの舞台劇。
残念ながら半分以上は聞き取れなかったです。
DVD借りなおします。
これ、フォロアーの皆さんも、年が行けば遭遇する辛さだと思いますよ。
レンタルDVDならば、最近のものは邦画にも[設定ボタン]で日本語の字幕が、それも二種類出せますから、これ、覚えていてくださいね。

·
「隣の部屋で」、
「親に聞こえないところで」、
子どもたちは親について、実はこれだけ侃々諤々、喋っているのでした。

ではでは。

コメントする 3件)
共感した! 4件)
きりん

3.5青山フォール勝ちが良い意味ですごく気になった

2024年9月29日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

青山フォール勝ちが良い意味ですごく気になった

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あすきち