密輸 1970

劇場公開日:

解説

海を舞台に巨額の金塊を巡って繰り広げられる騙し合いの行方を実話に着想を得て描き、2023年・第44回青龍映画賞で最優秀作品賞など4冠に輝いたクライムアクション。

1970年代半ば。韓国の漁村クンチョンでは海が化学工場の廃棄物で汚染され、海女たちは失業の危機に瀕していた。リーダーのジンスクは仲間たちの生活を守るため、海底から密輸品を引きあげる仕事を請け負うことに。しかし作業中に税関の摘発に遭ってジンスクは逮捕され、親友チュンジャだけが現場から逃亡する。2年後、ソウルからクンチョンに戻ってきたチュンジャは、出所したジンスクに新たな密輸の儲け話を持ちかける。密輸王クォン、チンピラのドリ、税関のジャンチュンらさまざまな者たちの思惑が入り乱れるなか、海女たちは人生の再起をかけた大勝負に身を投じる。

「国家が破産する日」のキム・ヘスがチュンジャ役、「完璧な他人」のヨム・ジョンアがジンスク役を務め、「モガディシュ 脱出までの14日間」のリュ・スンワンが監督を務めた。

2023年製作/129分/G/韓国
原題または英題:Smugglers
配給:KADOKAWA、KADOKAWA Kプラス
劇場公開日:2024年7月12日

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映画レビュー

4.0ソダーバーグ流犯罪映画をお手本に、韓流の野暮ったさと70年代レトロがいい塩梅

2024年7月13日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

楽しい

興奮

スティーブン・ソダーバーグ監督の「ローガン・ラッキー」あたりをお手本にしたのではなかろうか。強盗や金庫破りといった大掛かりな犯罪計画のためチームを組んで取り組む主人公側と、立ちはだかる敵対組織、取り締まる警察などの三つ巴、四つ巴の駆け引きを描く犯罪スリラーはソダーバーグ監督の得意ジャンルだが、プロ集団がスマートに事を成す「オーシャンズ」シリーズに比べると、主人公側が頼りなくて思わず手を貸したくなる感じが、「ローガン・ラッキー」のアンラッキーなローガン兄弟を中心とするポンコツ即席チームに通じる。 脚本も兼ねることが多いリュ・スンワン監督の過去作を振り返ると、スパイ活劇「ベルリンファイル」や警察ものの「ベテラン」など、韓国映画らしいスタイリッシュなスリラーの範疇に収まっていた。だが、この「密輸 1970」は題にも含まれるように1970年代に時代を設定してファッションとBGMでレトロ感を醸しつつ、主人公たち海女さんチームが微妙にダサくて野暮ったいのが実にいい塩梅なのだ。一度漁村を離れるも戻ってくるチュンジャ役のキム・ヘスは余貴美子似、海女たちをまとめるジンスク役のヨム・ジョンアは木南晴夏似で、韓国の基準でも日本の基準でも典型的な美人枠ではないだろうが、彼女らのイケてない感じもまた泥臭く悪戦苦闘するキャラクターにぴたりとはまっている。 おそらく日本以上に女性が虐げられ抑圧されていた70年代の韓国で、利用し搾取する側の男社会の組織を海女さんチームが知恵と勇気と絆で出し抜こうとするストーリーは、ある種のファンタジーを含むとはいえ、現代の女性やマイノリティーたちをエンパワーする効果も期待できそうだ。

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高森 郁哉

5.0ロレックスロレックス

2024年12月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
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なつ

4.0海女たちの闘い・・・最後に笑うのは?

2024年12月17日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

1970年代の韓国。 沖の果ての海底に落とされて眠る密輸品。 それを潜って引き上げれ海女たちと、欲にまみれた男たちとの 最終決戦。 “七転び八起き“で最後まで誰の手に宝物を手に入れるのか? 殆ど分かりません。 分からない・・・と言えば、本当の黒幕の正体も、かなり終盤まで 分からなかったです。 先の読めない“コンゲーム“ 70年代の韓国・演歌(歌謡曲)が、ダサダサな歌詞で大音量で流れて、 およそお洒落とは程遠い所が、なんとも懐かしいです。 1970(昭和45年)頃といえば、 公害がクローズアップされて、光化学スモッグなんて言葉が 出始めた頃。 韓国の海に流した工場の廃液で海が汚れて、 海女さんたちの採る貝に被害が。 そこで仕方なく密輸に手を貸すことをリーダーのジンスクは決断。 所が垂れ込みであえなく検挙される。 たった一人逃げたチュンジャに嫌疑がかかる。 そして2年後。 現れたチュンジャ。 またしても密輸に加担する、ヤクザ、密輸王、税関職員 そして海女さんたち。 いやぁ面白かったですね。 ファッション(髪型や洋服)そして音楽そして綺麗な沖合の島や、 海の中の景観。 沖合を走る小型船の風景、なんか良かったです。 海女さんの姿は日本と同じなんですねー。 ラストは女たちの頑張りと友情。 主役は海女さん・・・女性たちでした。 韓国版女たちの“仁義なき闘い“かな?

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琥珀糖

3.0星みっつ

2024年12月17日
iPhoneアプリから投稿

青龍映画賞受賞という事で、結構期待して観てたのだけど、ちょっとハードル上げすぎちゃいました。 良くないところ ・騙し合いの部分に特にひねりがある訳でない ・主要な登場人物にあまり魅力を感じなかった 良いところ ・眼帯のお兄さん ・水中映像 終盤はテンポ良く勢いで乗り切った感があるので、退屈したわけでは無いけれど、深みのあるドラマでは無かったかな。

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うまぶち