港のひかり

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劇場公開日:2025年11月14日

解説・あらすじ

「正体」で第48回日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞した藤井道人監督が、主演に舘ひろしを迎えて送るヒューマンドラマ。北陸の港町を舞台に、過去を捨てた元ヤクザの漁師と盲目の少年との⼗数年にわたる絆を描き、数々の名作を手がけてきた撮影監督・木村大作が全編を35ミリフィルムで撮影した。

漁師として細々と生活する元ヤクザの三浦は、白い杖をついて歩く少年の幸太を見かける。両親をヤクザ絡みの交通事故で亡くした幸太は、彼を引き取った叔母やその交際相手からも虐待を受けていた。孤独な幸太にどこか自身の姿を重ねた三浦は、自身の船に幸太を誘う。どこにも居場所がなかった者同⼠、2人は年の差を超えた特別な友情を築いていく。幸太に視力回復の手術を受けさせるため、ヤクザから金を奪った三浦は、幸太に一通の手紙を残して自首する。12年後、突如として⾏⽅がわからなくなった三浦を捜していくうちに、幸太はある秘密を知る。

7年ぶりの単独主演作となる舘ひろしが三浦役を演じ、盲⽬の少年・幸太役を歌舞伎界の新星・尾上眞秀、成⻑した⻘年・幸太役を眞栄⽥郷敦がそれぞれ演じる。

2025年製作/118分/PG12/日本
配給:東映、スターサンズ
劇場公開日:2025年11月14日

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(C)2025「港のひかり」製作委員会

映画レビュー

4.0 誰もが誰かの“ひと筋のひかり”になれる

2025年12月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

「正体」で第48回日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞した藤井道人監督が、主演に舘ひろしを迎えて送るヒューマンドラマ。7年ぶりの単独主演作となる舘が三浦役を演じ、盲⽬の少年・幸太役を歌舞伎界の新星・尾上眞秀、成⻑した⻘年・幸太役を眞栄⽥郷敦がそれぞれ演じる。

「港のあかり」をひと言でいうなら、
「ひかりを失った少年と彼にひかりを与えた元ヤクザの物語」。

数々の名作を手がけてきた撮影監督・木村大作が、全編を35ミリフィルムで撮影したという港町の風景は、それだけで少しノスタルジックで観るに値する美しさ。潮のにおいがしてきそうな空気感と、冬の光みたいな少し冷たい色合いの中で、寡黙な昭和の男の背中が静かに語り続ける。

“昭和の男の強さ”って、
怒鳴ったり、威圧したりすることじゃなくて、
「自分の感情をぐっと飲み込んででも、守るべきものを守り続けること」
寡黙で口下手、背中で語るタイプの、まさに昭和生まれの父を思い起こさせてくれるような映画でした。
本作で主演を演じたのは、歳を経てなお渋みを増す舘ひろしさん。「危ない刑事」の頃のギラギラしたダンディさは少し影を潜め、限りなく渋く静かな語り口が沁みた。

言葉は少ない。
でも、海を見つめる横顔や、
ふっとタバコに火を点ける手つき、
誰かのために黙って動く背中。
その一つひとつが、
「この人は何を背負ってここまで来たんだろう」と想像させてくる。

物語全体に流れているのは、
男の哀しみと、それでも人を突き放し切れない不器用な優しさ。過去はどうあれ、方法はどうであれ、誰かを守りたいという気持ちはまっすぐで嘘がなかった。

それは生き方を懺悔する気持ちから来てるのかもしれないし、純粋な同情からきているのかもしれない。

だけど思う。
「誰もが誰かのひと筋のひかりになれたら」
「強さ」と「優しさ」は、同居している。
本当に優しい人は、いつだって誰よりも強いものだから。

そう思わせてくれる、“静かな余韻の映画”でした。じっくりと味わう映画がお好きなあなたにオススメの映画です🎬

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共感した! 7件)
ななやお

4.0 人はどこまで他人のために犠牲になれるのか。

2025年11月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

昨年の日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞された藤井監督と、レジェンド木村大作さんの全編35mmフィルム撮影。昭和と令和の化学反応のような作品で、どこか懐かしく、忘れかけていた、古き良き日本映画を見ることができた。
縦書きのエンドロールすらエモい。

ヤクザものを多く見てきたわけではないけれど、こういうフィクションでのヤクザの義理人情は胸が熱くなる。
舘ひろし演じる三浦の奥深い包み込むような優しい声が、盲目の少年にとってはどれだけ心の支えになっただろう。そして村八分だった三浦にとって、少年のまっすぐな愛情や信頼は、どれだけ救いになっただろう。
ふたりの心のつながりを感じとることができる前半が良い。だからこそ後半からクライマックスにかけてはもう涙がこぼれて仕方がなかった。

出てくる俳優さんたち皆さん良い演技をされるから、ストーリーは正直ベタ展開で斬新さはないかもしれないけれど、とても感動する。
震災前の能登半島の景色もとても美しい。

やり方はどうであれ、三浦が幸太に対してした行動。そして三浦からもらったものを大切にまっすぐ育つ幸太を見て、忘れてはいけない大切なものを思い出させてくれた。

今の時代だからこそ光る良作。

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共感した! 3件)
AZU

4.0 港のひかり

2025年12月9日
iPhoneアプリから投稿

最近の映画は尺が長いが、この映画は2時間ほどで、ちょうどよい。
不遇な孤独な少年と、孤独な元ヤクザとの触れ合いで、序盤からウルウルしてしまう。
最期はこの2人の心情が切な過ぎて号泣でした。

つっこみどころはありますが、遠慮なく泣ける昭和な映画。

ラスト、港で朝日を見る的な場面作って欲しかったなぁ〜。

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Dayan

3.5 本当の''強さ"とは?

2025年12月9日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

久しぶりの三角マークの映画、たまにはいいですねぇ。主演の舘ひろしはとても渋くて、高倉健を彷彿とさせてくれます。人間はいったい何のために生きているのか?「誰かのために生きる」という意志を最後まで貫き通すというのが、彼の考える"強さ"の意味だったのでしょう。幸太の少年時代を演じた尾上眞秀くん、良かったですよ。そして、石川在住の人間としては何より震災前の輪島の町並みや海の情景、心に残りました。能登の1日も早い復興、心より願っています。

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正現