青春18×2 君へと続く道のレビュー・感想・評価
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ある意味ミスキャスト
作中にも岩井俊二さんの作品の上映シーンが出てきますが、本作もそれを意識したような作風で、岩井俊二さんの作品が好きならば、本作も気に入ると思います。また、内容もとても感動的で、さらに、清原果耶さんも良い演技をしていました。
ただ、残念ながらその清原果耶さんがミスキャストだと思いました。なぜなら、清原果耶さんが22歳の設定で、男性役の方が18歳と36歳で登場した時点で、清原果耶さんの40歳はちょっと無いなと思い、大体のオチが分かってしまうからです。
これが、清原果耶さんでなく、あまり知られていない女優さんならば、40歳は別な女優さんが代役というのが十分あり得るので、オチが先に分かってしまうような事が無くその方が良かったのではと思います。
それか、18年後ではなくもう少し短い設定ならば清原果耶さんの一人二役もあり得るのでオチには気付かなかったと思います。
いずれにせよ、感動的な良い物語だっただけに、かなり早い段階でオチがわかってしまう点がちょっと残念でした。
よかった!
主役二人素晴らしかった!
アミの演技と可愛さを見てるだけでも申し分ないのですが展開と画の美しさはさすが藤井フィルム。
旅の中で出てくる人たちのキャラも良い。
青春ラブストーリーなんですけど全く雑味がなく掛け合いも心地よくてどの年代でもささる感じに仕上がってると思います。
ラストは引き込まれました。感動です。
love letterという伏線で 残念な物語を述べる
確かに感動するけど、そのジャンルの映画はたくさん見たから、そんな気持ちでは無かった。
国際的な背景で男女の物語は本作の魅力的な所だったが その旅から自分を見直して新たな道を決めるのも良いなと思う。
唯 最初から結局すぐ推測したから その面白さが半分ぐらい無くなった。
更に love letterに比べて 美しいシーンは足りないと思う。
国際交流と福島の観光宣伝を中心にするから 良い効果があれば もう成功するだろう。
再生の旅
恋愛の物語というより、主人公である台湾の彼の再生の物語という印象が強かった。最初からヒロインは亡くなってしまうのかな?と想像ができてしまうので、恋愛モノとしてはよくあるストーリーかと。彼が福島を訪れるのにわざわざ遠回りした理由は、すでに彼女が亡くなっていることを知っていたから、彼女の死の現実を直ぐには受け入れたくなくて、先延ばしにしたかったから。でもその時間のおかげで、仕事に敗れた自分の人生に向き合うことができ、彼は再生できた。初恋を振り返りながら、新たな夢へのスタートを踏み出す主人公を応援したくなった。台湾と日本、過去と現在が上手く構成されていて、良作だと思いました。
純愛から身を引く切ないアミの姿に涙!
ヒロインのアミが台湾男性のジミーとの純愛から身を引くその健気さに、ただただ涙!これはまさにアミの自己犠牲の賜物としか思えません。本当はジミーを愛していたのに、そのことを隠して、彼氏がいるという嘘をつき続けたヒロインの気持ちは理解できるけれど、あまりにも辛すぎます。彼女が身を引いた理由は、肥大心筋症という病があったためでした。そして彼女のとった行動は、ただただ、ジミーの幸せを願い、遠くから応援することでした。その温かい愛に、満員に近い館内では、泣き崩れる人が続出していました。ジミーはアミとの約束を守るために、身を粉にして働き、ゲームソフトの会社を立ち上げ、どんどん発展させました。しかし、アミの死を知った時には、逆に自暴自棄になって会社をめちゃくちゃにしました。そして、役員会で追放されるのです(冒頭のシーン)。それでも、彼は自分を振り返るためにアミの故郷に向かいます。その旅の幾つかの出会いの中で、自分を真摯に振り返りました。そして、アミの書き残したラブレターを只見の実家で読み、その気持ちを知った時、敢然と蘇っていきます。劇中では、ランタンに願いを込めて空に飛ばすシーンが、台湾と新潟県の長岡市で繰り広げられます。二人の間に交わされた未来の願いが、空に登っていくシチュエーションは、まさに心が洗われるほど美しかったです。また、アミの故郷は只見です。昔訪れた思い出が蘇ってきて、その懐かしさに胸が熱くなりました。さらに、エンディングのミスチルの楽曲にも大感動です。ミスチルの歌詞に「柔らかな後悔」「希望のサイン」とありましたが、出会った時に告白できなかったジミーの想いや生き様を見事に表現していて、しばし映画館を立ち去ることができませんでした(人生はシナリオ通りだとすれば、本当は後悔はないのかもしれませんが)。
追記 相手を愛するが故にアミはジミーに嘘をつきました。この素敵な嘘は、きっとジミーが前を向いて生きるための宝物のような記憶になると確信します。
静寂なる星空に ランタンの優しい赤い炎となって 二人の想いは 永遠に舞う!
あなたは18歳の頃って、何を感じ何を楽しんで生きてましたか・・・
生きれる事が当たり前の時代に、そうでは無くて消えてしまいそうな人がいて
その人と 永遠に居られる誓い(時間)を もしも得る事が出来るならば、
それを見つける そんな旅に出たいと 思いませんか。
この作品は それを感じさせてくれる素敵な映画だと思います。
今日は「青春18×2 君へと続く道」の鑑賞です。
今とっても人気の様ですね。場内のお客様が女子多し。
凄い熱気でした。
最初、題名からして ずっと青春18切符で X2なんで往復券の話だとずっと思ってましたわw。内容は全然違ってまして~隣のおじさんも同じ事言ってましたワw
この原作は、台湾出身のジミー・ライさんによる『青春18×2 日本慢車流浪記』というエッセイなんですね。ナルホロ。
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日本から台湾へ来たその彼女(アミ役:清原果耶さん)と バイト先で出会った彼(ジミー役:シュー・グァンハンさん)の恋の話。
彼女は4つ年上でどうも彼氏が日本にいるらしい。気になるぅぅぅぅ!!!
この彼の想いが 日に日に深くなって、映画(Love Letter)に誘って初デートして、でも手は繋げられない。(*^。^*)
彼女が描く 優しいイラスト絵。これがとっても素晴らしいタッチで。
バイト先(神戸カラオケ)のスタッフ皆や お店に来る周囲の人々の優しい思いをいっぱい巻き混んで日々を展開していきます。
でもある日、突然に彼女が帰国する別れが訪れて・・・
彼女には ある秘密が隠されていた。
別れが決まってから やる気を失くしたジミ-。
最後の二人の思い出に、アミがいつか行きたいなと言っていた スカイランタンを飛ばす 遠方のイベント会場へ最後に彼女と訪れる。
沢山の人が、ランタンに願いや思いを綴って星が輝く夜空へ飛ばして行く。
その中で、二人の願いをのせた ランタンが優しい炎と一緒になって
赤くそして風に揺られながら 手からゆっくりと離れて、真空の夜空へ舞っていく~。(ここのシーンは超素敵でした!)
そして 皆は彼女の帰国を見送った。
出会ったあの頃は 18歳だった。あれから更に18年。今 36歳。
彼が仕事で日本に来て そして今度は彼が日本を旅をして、この過ぎ去った18年間の 彼女との思いを振り返って行く・・・
最後に逢える彼女の想いとは何だったのかを。
彼は彼に残された最後の絵を永遠に心に綴じて行くのだろう。
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まぁ 中々のロマンティックな話展開でした。
Mr.Children「記憶の旅人」もエンディング相まって、この想いは最高潮でしょうか。正直な思いとしては 生きてて最後出会って欲しかった。そして永遠なる別れの方が絵になったかなと。それと、
台湾、日本それぞれの美しい景色を持って来てた感じはします。
飯田線、只見線にトンネルを抜けると雪景色。素晴らしい。
台湾は雪が無いですからね。きっと、きっと彼の心には 彼女の故郷と果てしなく抱いていた思いが、コノ突然の景色の違いが重なって目に映ったであろうと感じます。
本当なら、日本でも彼女と一緒にランタンを上げたかったであろうと・・・
赤から白へ、ランタン色が変わっているのも 彼の想いを現わしているのでしょうね。
台湾はじめ、日本スタッフも役者陣も良く頑張った仕上がりで
上手く纏まってたと感じます。(K殿、カラオケ店長の通訳役は絶妙に良かったですよ) 皆さんお疲れ様でした。
今 ホットな恋愛話題作。
気になる方は 是非劇場へ!
映画観ると×2の理由が分かるって
ジミーさんのエッセイが原作なので、主役はジミーさんです。
清原果耶さんのアミちゃんが味ある旅行者で財布失くして旅費稼ぐまでバイトさせてと来たところが日系人(失踪日本人)の経営するカラオケ屋でジミーさんと出会い別れる(付き合ってはない)のに一度見せてから、日本に帰った理由を観客に知らせて、もう一度同じシーンをアミちゃんの苦悩を見せてから見せる表情が秀逸です。
後半にジミーさんが会社を辞めさせられて失意の下でアミちゃんの故郷へ向かう途中で観客にはアミちゃんは病気で亡くなっていることがわかった時、ジミーさんも分かっていた上の旅だったのは辛かったけど、そこから台湾に帰って仕事をやり直す台湾人のジミーさんは強いって感じる作品です。
日本の景色、台湾の景色、ランタンを飛ばし願いを誓う祭りの同じ様でちょっと違う風習を綺麗に見せていろいろ楽しめた映画でした。
邦画2作品目の最高評価💯
個人的ルールで、2回以上鑑賞しないと最高評価の🌟五つはつけないことにしている😋
それは、一度の鑑賞では、映画制作者の意図が理解できないであろうと思うことと、2回以上鑑賞しても、一度目の感動が失われないことが、いい映画の条件だと思っているからです(^^ゞ
初めて最高評価をつけたのは、「耳をすませば」(実写版)ですが、この映画も、現在と過去の回想を交えながら、見事なストーリー展開と結末で非の打ち所がない🆗
同じように、本作も、現在と過去の回想を交えながら、見事なストーリー展開と結末で非の打ち所がない🆗
本作について、結末を知っている2回目の鑑賞では、アミの些細な言葉を注意深く聞いてみると、なるほどと思える深い意味があったことに気付かされて、涙がこみ上げてきた😢
例えば、アミがランタンに書いた願い事「この旅がずっと続きますように」というのは、まさに少しでも長く生きたいという思いがこめられているのだろう😥
ジミーに対して、夢が叶ったらまた会おうというのは、ほぼ自分の病が治らない=もう会えないのに、やむなく淡い期待を抱かせて深く傷つけてしまっていることをとても悔やんでいる様子が伺える😓
2回鑑賞すると、あちこちにそういう意味深な言葉があることに気付かされる😓
いずれにせよ、この映画は、二度三度観るほどに、味わい深く、感動させられる素晴らしい作品かなと思う🈵
タイトルは本文に。
【キスもない淡くピュアな恋を雪に閉じ込めランタンで昇華させる映画】
清原さんの透明感が好きで、何となく観てみたいと思い鑑賞しましたが、以前、聴力を失っていく役をドラマで演じられていたときと比べてかなり痩せていて、どうしたんだろうと思いました。
しかし作品が進むにつれて、これは役作りなのかもしれないと感じ始めました。
何か深く傷ついて、何かを隠して耐えているから。
病名がハッキリ分かりませんでしたが、心臓の疾患であることはわかりました。治らない病の自分を隠して、残された僅かな時間を精一杯生きていたんですね、アミは。
もうこの展開自体は“よくあるラブストーリーの古典”ではありますが、カラオケ屋さんの仲間の人柄の良さ、劇中の悪者が壁に落書きする酔っ払い程度である平和な構成など、余計な混ざりものがなくて良かったこと、台湾と日本、18年前と現在をクロスさせる構成、LOVE LETTERを絡めてくるところ、旅で出会う豪華なちょい役などがバランス良く、素晴らしかったです。
泣き声もあちこちから聞こえてきていましたし、私もいくつかのシーンで気づけば泣いていました。
心が清らかになる気がする、そんな作品です。
ジミー役の俳優さんが好演
ジミー役の俳優さん、年齢を調べたら33歳でびっくりするくらい、見ててくすぐったくなるような初恋を好演。目的地の雪国に辿り着いた辺りから、アミはきっともういないんだろうとうっすら分かるけど、行った先でその事実を知る流れじゃなくてよかった。そうだったら辛すぎたと思う。ちゃんと知った経緯も描いてくれていたことで、見る側も受け止められた感じがする。ハッピーエンドではないけど、彼はきっと乗り越えてまた新しい夢を叶えるだろう、と思える。
清原果耶さんももちろん良かったし、ちょい役なのが勿体ない役者さんも多くて、観てよかったなと思う作品。
予告動画が全て
これほど予告動画を見て後悔した映画はありません。
予告動画で結末が分かってしまい、それを超える感動はありませんでした。
ジミーがアミにそこまで惚れるような魅力もわかりにくかったし、アミ自体ジミーのことをどう想ってたのか伝わってこず、、
交わせる言葉が少ないからこそ2人の触れ合いはもっと描くべきだと思います。
清原果耶からお姉さん感を感じれなかった。
有村架純だったら少し違ったのかなと思いました。
日本での旅の途中で出会う人達との交流は必要だったのかな。
いつものやつね!(※毒舌注意)
日台合作の雰囲気の良さへの期待感と、評点の高さを参考に急きょ?鑑賞。うーん、皆様には申し訳ないのですが、私には合わなかったようです。
ダメな話という訳ではなくて、いい映画と思うのですが、反面、、何でしょう? 終始つきまとう既視感。。序盤のうちにラストも読めて→そのまま終了といった感覚でした。
*** (以下否定的な感想です)
「ニッポンの泣ける恋愛エモ映画」にいくつか鉄則があるとすれば、その筆頭になるであろう『恋人の死』。今までこの脚本はごまんと描かれてきたわけだが、今作もそこにスポッとおさまったように思える。
恋愛にまつわる喜怒哀楽は様々あり、人を愛する気持ちが「死別」により、より強く自己認識できるということは事実あるでしょう。
でも日本の映画ではそれを使い回しすぎて、もはや映画題材としてはもう、古風というか。タレントや俳優さんを変えただけと言うか…( ; ; )セカチューももう20年も前ですね。
特に今回は主人公が何の病気かも分からずだし、そもそも恋愛だったのかも分からないほどの、子どもの淡い思い出のように感じたし。
ジミーの旅ももはや恋心を感じない年月の経過を、表してましたね。創業した会社追い出された若手経営者の傷心旅行のようで^^;
鎌倉=スラダンの聖地って事で折角だから行ったのかな/松本=えーと、、純粋に行きたかったのかな?/長岡=えーとえーと、、なんでやねん。松本からなら東京経由して福島向かうだろ(^^;; ということでアミさんの故郷はクライマックスだが旅の「一部」と化してましたね。真っ先に行くわけでも無いわけだからさぁ、ジミーさんそういう事でしょ?今さらだから新幹線で急いで向かう必要もないもんね!
・・・というストーリーに、私のようなオッサンが感情移入しろというほうが無理があり、どうも場違いな客になってしまったようであった。
それから私は、そもそも(泣きたいための映画)っていうスタンスに疑問を持っていて、何でみんなそんなに泣きたいのか理解ができないクチだ。全米が泣こうが日本中が涙であふれようが構わないが、さあ泣けと言われると、人間 泣けますかね。。
たぶんココロが曲がっているんです。、
これを読んで気分を害する方もいるでしょう。
すみません。、
シューさん、清原さん 両名ともかわいらしい。
ソレ及び
日台の文化交流、架け橋としての価値に★3
人生は長いとは限らない、だからその一瞬を懸命に生きる
タイトルに書かせていただいたことが
私がこの映画から得られた示唆です。
映画のSTORYは台湾と日本を行き来しますが、
基本的に後半に至るまでは、シュー・グァンハン演じるジミー視点で描かれます。
ジミーの大学受験を控えた高校時代からジミーの人物像を、
そして清原果耶演じるアミとの出会いから同じ時間を過ごして
ジミーの気持ちの変遷を丁寧に描いていきます。
丁寧であるがゆえ、少しまどろっこしいかなという感覚もありますが、
この丁寧さが後半、実によく効いてくるんですね。
時間軸としても、現在の日本を旅してアミに会いに行こうとしているジミーと
18年前のアミとの一緒の時間を過ごしてきたジミーをそれぞれ描きつつ
アミの人物像もすこしずつ解像度を上げて描いていっていました。
アミのキャラクターがすごくいいんですね。愛されキャラといいますか
実に明るく生き生きとしているんですね。
そこにジミーは惹かれていくわけですが、
アミには実は秘密があって、その生き生きとしているアミの違和感が
描かれてからは、アミが観客にとってミステリアスな存在になっていきます。
そして怒涛の後半に入ると、
アミが亡くなっていて(しかも随分前に)、亡くなっていることを知りつつ
ジミーはアミに会いにきていることがわかったと同時に、はい、涙腺が大崩壊しまして
号泣😭しました。もうハンカチなしではいられないほど号泣しましたね。
こんなに切ない話だったとは想像しておらず、
ただ、劇中で映画『Love Letter』を映画館でジミーとアミが一緒に観るシーンで
『Love Letter』的話であることを悟った方もいらっしゃるようですね。
私は『Love』 Letter』を観ていないので、当然ながらピンときていないわけですが、
それはそれで衝撃的だったので、むしろ本作を堪能できてよかったと思っています。
後半はジミー目線だった展開をアミ目線で観るのですが、それが本当に切ない。
もうずっと泣きっぱなしでした。
前半でジミーが「人生は長いのでゆっくり考えようと思う」的なセリフを言ったときに、
アミが「そうとは限らないよ」的な返しをするのですが、この意味がわかると
この映画が伝えたかったメッセージはこれなんだなと思いました。
映像へのこだわりも感じました。
”今“を描くときはジミーの心持ちが暗いときは画面も暗く、それが徐々に明るくなっていくところや
夜景・ランタンの見せ方等、すごく美しかったです。
藤井道人監督にはあらためて感服いたしました。
すごく良い作品でした。
涙腺崩壊 ネタバレ注意
めちゃくちゃ良かったですね。映画の長さは2時間なのですが、飽きがきませんでした。これは、過去の回想の入れ方や、会話と風景描写の配分などがちょうど良かったことによると思います。あと、脚本が胃もたれしなかったことも大きい。セリフを長々と入れて全てを説明しようとするのではなく、言葉と表情、カメラワークなどの映画の技法を多角的に使い、アミやジミーの思いを表現できていました。それに加えて、映画の全体の構成も良かったですね。現在のジミーが旅をしながら、アミとの日々を思い出す、現在と過去のクロスオーバーが効果的になされていたと思います。この構成によって、18歳のジミーには見えていなかったことが36歳のジミーには見えるという対比が顕著になっていました。特に、アミという人物の陽と陰がよく表れていたと思います。18歳のジミーから見て、アミは少し大人で明るく、美しいお姉さんでした。それが36歳のジミーの旅を通じて、影の部分が見えてくるのです。この対比が、アミという人物をより愛おしくさせるのだと思います。アミは、ジミーの前では、余裕がある大人でいようとしたわけですが、その裏で必死に自らの運命に抗おうとしていたのです。その様は、熟練した大人ではなく、まだまだ未熟な20歳の女の子に過ぎなませんでした。もっといいやり方があったはずなのにと、36歳のジミーを含めて我々は思うわけですが、これが青春というものなのでしょう。せつなすぎます。
さて、こうしたアミを演じる難しさは、演技未経験の我々にもひしひしと伝わるわけでありますが、さすがの清原果耶です。お見事でした。私は、あまり映画やドラマを見ないので、今まで彼女がどんな役を演じてきたのか、全てを知ってるわけはないですが、困難を抱えた人物を演じることが多いように思います。彼女の代表作「おかえりモネ」では、気仙沼出身の被災者を、「護られなかった者たちへ」では、仙台市の生活保護課の職員を演じていました。「透明なゆりかご」では、ADHDを持つ女の子、「ファイトソング」では聴覚障害になった女の子などなど、挙げればキリがないのですが、今回もまた、困難を抱えた女の子です。しかしながら、本人もインタビューで語っていましたが、今回演じたアミは、明るく、溌剌とした人物で、清原があまり演じたことがないタイプの人物です(ただし、陰の部分はあるのですが)。私が思うに、性格が明るい女の子を演じることができる俳優はたくさんいると思います。しかし、20代で陰翳をしっかりと付けられる俳優というのは、中々いないのではないでしょうか。今まで困難を抱えた人物の演技を経験したがゆえにしっかりと人物に影を付けられる、そんな清原にしかアミは演じられない。藤井監督はそう考え、オファーを出したのではないでしょうか。私が思うに、この期待に清原はしっかりと答えられていました。清原果耶という俳優に今後とも、注目していきたいと思います。
過去と現在のシンクロが心地いい絶品ラブストーリー
18年の時と日台の国境を超えてシンクロする感涙必至のラブストーリーでした。とにかく主演のシュー・グァンハンと清原果耶が最高に良く、また脇を固めた日台の俳優陣もシブ過ぎで、堪えられませんでした。シュー・グァンハンは1990年10月生まれだそうで、実年齢は33歳でしたが、18歳と36歳のそれぞれの時代のジミーを完璧に演じ分けており、非常に感心させられました。ダブル主演の清原果耶の演技も抜群。心の底の絶望を薄っすらと表現しつつも、表面的にはとっても爛漫な表情を出して観客の気持ちを虜にしていく演技は、彼女にしか出来ないのではとすら思えました。
また、日台、特に日本の綺麗な風景がいくつも紹介され、こちらも素晴らしかった。ロケハンにはJR東日本が協力したそうで、公式サイトには日台それぞれの”聖地”の場所が紹介されていました。特に印象的だったのが、ランタンを空に飛ばすランタン祭り。しかも日台両国で行われているということを、本作で初めて知りました。実物を観たら本作を思って泣いちゃいそうです。
以上、感涙必至、かつ非常に美しい風景が楽しめる作品でしたが、ひとつだけ注文を付けるとすれば、余りにご都合主義的なお話だったこと。アミが台湾にバックパック旅行をし、財布を落として困っている時、たまたま見つけたカラオケ屋でバイトしたいと申し出る。確かに「KOBE」という名前のカラオケ屋ではあったけど、そこのオーナーが神戸出身の日本人だったなんてねえ。というか、就労ビザもないのにバイトして大丈夫ってツッコミもない訳じゃないしねえ。
またジミーが来日してJR東日本に乗って旅をするパートでも、松本の居酒屋に行けば台湾出身のリュウ(ジョセフ・チャン)がいるお店で、店が終わった後に市内を案内してもらった上に人生訓を聞かせてくれるし、飯山線で移動中に乗り合わせた18歳の幸次(道枝駿佑)がトンネルを抜けた瞬間に広がる雪景色を紹介してくれるし、長岡のネットカフェというか漫喫に入れば、店員(黒木華)がランタン祭りまで車で連れてってくれるし、アミの故郷の只見に行けば、通りがかった小売店の店主(松重豊)がアミの実家までまたまた車で案内してくれるし、いくら何でも偶然と親切が重なり過ぎでしょうよ。
普通ならいくら何でもやり過ぎだと白けてしまってもおかしくないところですが、何故か本作の場合はそんなご都合主義がむしろ心地よく、主演の2人にのめり込むようにして感情移入していくのだから、藤井監督の術中に嵌ったということなのでしょう。
なお、作中ジミーとアミが鑑賞した岩井俊二監督の「Love Letter」(1995年公開)を帰宅後U-NEXTで鑑賞。昔と今を言ったり来たりして物語が進む点、遠く離れた想い人に会いに旅をする点、文字通り”Love Letter”が物語の鍵となっている点など、本作は「Love Letter」のオマージュと言って良い感じでした。そして、アミが働いたカラオケ屋の店の名前が「KOBE」だったのも、「Love Letter」の主人公・渡辺博子(中山美穂)が、神戸に住んでいたところから取っているんだろうなあと想像したところです。
そんな訳で、「Love Letter」を合わせて観た相乗効果で、より一層楽しめた本作の評価は★4.5とします。
プルースト効果と言うらしい
自分が作ったゲーム会社を追われ、久しぶりに帰った実家で、ハガキに付いていた香水の香りで、アミとの約束と思い出がよみがえる。匂いで記憶がよみがえることをプルースト効果というらしい。二人で観た映画ラブレターで結末は想像できるが、アミとの思い出や日本の旅での出会い、美しい映像と凝ったカメラワークで単調にならず最後まで見られる。後半に会社を追われたことと、18年もアミに会いに行かなかったことがつながる。アミは台湾の旅で、ジミーは日本の旅で自分を確かめる、喪失と再生の話でもある。桜井和寿の歌で、エンドロールは最後まで余韻に浸れる。
映画を見て、中学時代の伝えられなかった思いがよみがえる。典子さん、あなたは私のことをどう思っていたのですか?
記憶の琴線に触れるラブストーリー
若い人には旅に出てほしいなぁと思う作品。
そして一人旅した人には特に刺さると思う。
簡単な言葉しか話せない細かなコミュニケーションしか出来ないからこそ、相手のささいな言葉や仕草に大きく揺らいで、それでも疑ったり信じられなかったり、それが旅の匂いのする映像を通して2人の話は語られる。
trailerを観た時からなぜか心が揺らいだ映画は久しぶり。
台湾も旅行も好きだし、日本人と他国の恋愛モノってだけで個人的にはグッときてしまう。
そして後半の描き方は秀逸。
恋とは決して1人の気持ちだけではなくて、相手も同じ景色と同じ時間を過ごして何かを思ってる。そして出会う人も自分の断片を持ってる。偶然に出会う人の言葉には誰かの思いなのかもしれない。
物語後半のアミがこの世にもういないと勘のいい人なら前半からすぐわかると思うし、私も多分そうだと思ってたのに…ヤバい…なんか一つ一つが2人の間に流れる空気、目線、言葉一瞬一瞬があまりにも純粋で眩しくて前半から目頭が熱くなってしまった。
前半は2人の生命の鼓動が画面中に溢れる。それが台南の気候の肌に汗が滲む感じで伝わってきて、
後半は止まった鼓動と足を止めて動けなくなってしまったジミーの様にどこか冷たさを感じる映像表現に感じた。
そして春の桜で温かさ、穏やかに心がまた動き出す。
ヒロインが亡くなる演出はあるあるなんだけど、私は旅で出会った人達はまた会いたいまた会おうねと言って会ってない人達はきっと生きてると思ってるし、いつか会えると思ってるだけで、歳を取れば取るだけそれは希望に近くなる。それが何となく恋愛だけじゃなく切なさとして私には映った。
異国からの魅力的な女性を見事に演じ切った清原さんの演技力すごかった…最後あの時あんな顔してたんだ、そう信じてくれてたんだとか、素晴らしい役者さんでこれから応援しよう笑
そしてそんな異国の彼女に恋をするシューグァンハン、みんな書いてるけど10代と36歳を演じて違和感ない演技力。不器用な役を器用に演じてて彼もこれからチェックだわ笑
はぁ久しぶりに鼻がジュルジュルになるくらい泣いてしまった、頬をつたうわつたうわ。40のオッサンなのに。
初めて行く国の色や音、若い頃思い出したりしておセンチになった帰り道でした。観客がいなかったらもっと素直に泣いてた気がする笑
何歳になっても旅は続いてく。
もう二度と会わないかもしれない人との出逢い、少しでもその心に触れた気がした時間、沢山の思い出を心にしまう人生にしたいなと思いました。
ベタといえばベタな作品かもしれないが、人に勧めたくなる素敵な作品。旅で会った人にも。
ちなみに
デートで観る◎。台湾旅行行きたいねとか、東北行きたいねとか見終わった後の姿がもう映画の始まり。
友達とは△ 観てもいいけど…共感し合うと何かが薄れる気がする
家族△ いや、行く人はいないか笑
1人◎ 旅に出たくなるし、帰り道がおセンチになります。
「パスト ライブズ 再会」が高評価なら感動するかも。僕はどちらもダメだった。
エンディングでミスチルが問いかける。
どうしてあの時伝えなかったの?
柔らかな後悔が今日も僕に寄り添っている
どうしてあの時行かせてしまったの?
柔らかな後悔が今日も僕に寄り添っている
これはジミーの問いかけであり、僕の問いかけでもある。まあ、最初のほうの問いかけは、言葉にして伝えてなくてもアミには伝わっているからイイとは思う。周りにも(観客にも)バレバレだし。
もうひとつのほう関連で、「夢をかなえたら会いましょう」と言うアミの提案。この映画以外でもよくあるセリフだ。
だけど僕に言わせれば、夢を叶えなくても会ってよかね? その前に一緒にいたり、たまに会ったりしながら夢に向かってもよくね? と思ってしまう。どうして夢をかなえるまで会わないという発想になるのか、てんで分からない。夢を語り合ったほうがモチベーションが高まると思うのだが。
あと、アミが亡くなったのを知った時になぜ只見に行かなかったのかと思った。仕事があってスグ行けないというのは分かる。最近アミが亡くなって、仕事が一段落ついたから(ホントは追い出された)から訪ねたというのなら分かる。
だけどもし、もっとずっと以前に亡くなっているとしたら、18年は長すぎる。僕が共感できるのは5年までだ。もう10年とか、ましてや18年とかあり得ないと思ってしまう。
「ララランド」 「カフェソサエティ」 「ちょっと思い出しただけ」 「キミスイ」 古くは「ローマの休日」 が僕的には今回と同じ系統で、やたら感動した映画だ。
今回感動しなかった 「青春18x2」と、これらの映画の違いを僕なりに説明できるのだが、ネタバレになってしまうので省略する。
以前、誰かが、「レビューを読んでたら、まだ見てない違う映画のネタバレがあって残念だった」というのがあって、それ以来気を付けるようにしている。
出会いの影響
「デイアンドナイト」「ヤクザと家族」が好きでその映像づくりは常に安心感があるものの、「余命十年」や「ヴィレッジ」など作劇には納得がいかないこともある藤井道人監督作。「碁盤斬り」に先んじて清原果耶欠乏感を埋めた本作は、台湾もの・時間差もの・旅ものといった好きな要素が絡んだ、またぞうにとって非常に見ごたえがある良作でした。
現在の日本にアミが不在であろうことは宣伝で示されており、それをどう見せるかというのが興味のポイントだったが、随分前の段階で知っていたことが最後半で明かされる。またそれが故に超仕事人間となり、更に先々の大成功と失意に繋がっていたという逆説的な物語。この出会いの、別れた後の人生への影響を描く流れは予想を超えて作品に深みをもたらしている。
主役のシューグウァンファンは18歳も36歳も見事に演じ分け、清原果耶の相手役として十分な存在感を示す。中継で見た舞台挨拶でも紳士的な態度に好感を持った。清原果耶は周りを虜にさせる魅力を発揮するも、最後にはやはり泣かせられてしまった。道枝駿佑はちょい役なれど動員には大いに貢献が期待できるので良し。舞台挨拶では台湾ファンからの質問が続いたがキチンと本作の話に戻して回答しており好感が持てた。
アジア圏での人気具合は日本を上回るのかも知れない岩井俊二の「love letter」、本作での見せ方はちょうど良い塩梅。また見たくなりました。来月中山美穂のコンサート行っちゃいます。
あと蛇足ですがLOVE LETTERと台湾で言うと「光良 童話 MV」で検索して10分もののMV見て欲しいす。
「あいたいなぁ」 二回目
清原果耶の笑顔に涙。
台湾に行ってみたくなる。
日本に行ってみたくなる。(きっと台湾の人たち)
「ラブ・レター」がまた観たくなる。
旅をしてみたくなる。
初恋の人にあってみたくなる。
パストライブスで泣けなかった人へ。
ジミーはアミが亡くなっていたことを知っていて旅に出たことが解った上でもう一度観たい。
多分、また泣く。
(藤井監督、笑いのセンスはいまいち)
たくさんの方々のレビューを読んでいたら、どうしてもジミーとアミに会いたくなって二回目観に行って来ました。(一昨日観たばかりなのに)
最初の缶を開けてアミの絵葉書が出てくるところから、もう涙がとまらない。
旅で出会うひとりひとり、思い出のひとつひとつ、すべてが初回鑑賞した時よりも胸に刺さります。
(笑うところは笑えました。)
入場特典のフィルムのしおりは一緒でした。1種類しかないのかな。
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