王国(あるいはその家について)

劇場公開日:2023年12月9日

解説・あらすじ

長編映画デビュー作「螺旋銀河」が第11回SKIPシティDシネマ映画祭にてSKIPシティアワードと観客賞をダブル受賞した草野なつか監督の長編第2作。

出版社の仕事を休職中の亜希は実家へ数日間帰省することになり、小学校から大学までをともに過ごした幼なじみの野土香の新居を訪れる。大学の先輩だった直人と結婚して子どもを産んだ野土香は、実家近くに建てた新居に暮らしていた。その家は温度と湿度が心地よく保たれており、まるで世間から隔離されているようだと亜希は感じる。最初は人見知りをしていた野土香の娘・穂乃香は一緒に遊ぶうちに亜希に懐くが、野土香はとても疲れている様子だった。数日後、東京の自宅に戻った亜希は、ある衝撃的な内容の手紙をしたためる。

演出による俳優の身体の変化に着目し、脚本の読み合わせやリハーサルを通して俳優たちが役を獲得していく様子を、同場面の別パターンや別カットを繰り返す映像で表現。ドキュメンタリーと劇で交互に描きながら、友人や家族といった身近なテーマをめぐる人間の心情に迫る。「ハッピーアワー」の高橋知由が脚本を手がけた。

2018年製作/150分/日本
配給:コギトワークス
劇場公開日:2023年12月9日

スタッフ・キャスト

監督
草野なつか
脚本
高橋知由
エグゼクティブプロデューサー
越後谷卓司
プロデューサー
鈴木徳至
撮影
渡邉寿岳
音響
黄永昌
美術
加藤小雪
衣装
小笠原由恵
ヘアメイク
寺沢ルミ
編集
鈴尾啓太
草野なつか
助監督
平波亘
エンディング曲
GRIM
写真
黒田菜月
手紙文作成
高橋知由
澁谷麻美
イラスト
さいとうよしみ
タイトルデザイン
さいとうよしみ
宣伝デザイン
三浦樹人
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映画レビュー

5.0 役者の生成変化の過程を捉えた稀有な作品

2023年12月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

普段見ている映画は、役になりきった俳優が画面に映っている。しかし、元々は役者たちは個別の人間であり、映画の役の人間とは別人だ。しかし、優れた映画は観客にそう思わせない、これはこういう人物なんだと思わせる説得力がある。
しかし、ふと不思議に思うのは、俳優も最初から作品の中の人物として存在していたわけではない、彼ら・彼女らはどのように役に変身していくのか、ということ。
この映画は、その過程を描く作品だ。映されているのはリハーサルの光景だ。何度も同じシーンを反復しながら、「俳優」だった者たちが映画の中の「人物」になっていく過程がスリリングに描かれていく。
何度も同じシーンを見せられるのは苦痛だと思う人もいるかもしれないが、脚本上で同じシーン・同じセリフであっても俳優の演技はひとつとして同じではない。メタモルフォーゼの過程というか、徐々に変化しているのが確かにわかる。同じセリフ、同じシーンだからこそ、細かい差異がわかりやすく浮かび上がる。
これは「生成変化」の映画なんだろう。変化そのものを捉えるのは実に難しいことで、時間芸術ならではのアプローチでそれを捉えた稀有な作品だ。

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共感した! 3件)
杉本穂高

3.0 難解すぎる…

2025年12月24日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

知的

難しい

休職中の独身女性亜希。
友人夫婦のまだ小さな子供を台風の日、川に突き落としてしまうまでの話。
ただひたすら3人または2人での会話。
いくつかの場面を何度も何度も読み合わせする。その度にカメラのアングルが変わったり、いろいろなパターンで撮っている。

話が進んでいるのか、戻っているのかもよく分からない、何とも実験的な映画。

こんなに長時間俳優さんの顔や声だけに注目することってないので、不思議な感覚。
会話の内容がクセになりそう。

みなさんのレビューを読んで、自分の思考力の低さと文才のなさにへこむ。

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ぼっち

4.0 革新的・斬新な新時代の映画手法!

2024年4月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

びっくりしました。

冒頭は普通に始まったな〜くらいに思っていたのですが、
でも、殺人犯と刑事のいる場所としての違和感があったり、最初からコンフリクトがあるつくりで
あれ?っと観客に感じさせるところから始めるあたり、監督は只者ではないと思いました。

そこから、
役者陣による本読み?の応酬が始まります。
最初は『ドライブ・マイ・カー』の俳優陣による本読み(棒読みの)を彷彿とさせるな〜と思って観ていたら
全然違う。
本読みを重ねるごとに、役者陣に役が入り込んでいく、どんどん熱を増していく、という視点と
それを観ている観客がストーリーや登場人物にグイグイ引き込まれたり感情移入したり、思考が重なっていったりと、
直接的な映画表現がなされなくても、役者の練習風景だけでストーリーが頭に入ってくるあたり、
もはや映画の革命を観せられたように思いました。

これを意図的にやっている監督は本当にすごい。
この作品と出会えて幸せです。

映画的なストーリーとしても、観客に解釈を委ねられる系ですから、
考察含め、余韻を楽しめる映画作品となっており
私としてはすごく楽しめました。

ラスト近くの主人公の殺人を犯した心境を手紙にしたため、それを朗読するシーンでは
殺人の動機も理解できたりはします(あくまでも観た人それぞれの解釈になる前提です)が
ゆえに人間の本質的な怖さにも触れたように感じます。

本読みの練習風景だけではなく、ちゃんとした映画の一場面も切り取られて観せられますから
映画作品としても完成しているのだろうとは思うんですよね。
風景も差し込まれますしね。役者の読み合わせだけでなく、おそらくはちゃんと映画作品としても仕上がっているはずですが
その全体像は見えないんですよね。それがまた巧みだなとも思いました。

いやぁ、映画ファンには一度は観ていただきたい作品です。
とにかく驚きました。

すごい!!

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ひでちゃぴん

3.5 不条理劇(映画)で、観る人によっては…

2024年2月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

映画の台本をト書きを入れて、ブラッシュアップしていく
内容としては、王国というか、自分(とテレパシーというか目と目で通じ会う人と)のお城🏯を築き上げていきたかった途中で、障害となる友人の子を台風の濁流の川に突き落としてしまうのだが…
友人は地元に残り、大学の先輩と結婚
その大学の先輩はかなりレベルの低い私立中学で美術の先生といった立場に…なぜ私の大切な友人がこんな人とと…という自分勝手な思い込みも
私の方が友人を私の王国で幸せに…といった自己チューな考えもあったのかな〰️
映画より演劇にした方が、見ごたえ有ると思います‼️

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ろくさん

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