21グラムのレビュー・感想・評価
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複雑な関係性
簡単な感想がとても書きづらい映画
正面から逃げずに「命」と向き合っている作品。脚本のクオリティが高いのは当然のこととして、ディレクションと演技もまたすごい。
どう解釈すべきかは、人によるだろうし答えは端から存在しない題材を扱っているので、簡単な感想がとても書きづらい映画でもある。
だれを「罪人」として扱っているのでもなく、全ての人が何かと戦い苦しんでいるという。しかし、かすかに希望を描いてもいる。
でも、このトーンは観ていて疲れる人多いでしょうね。息抜きにはなりません。
重さ
難しい重たい映画でした。
子供を望み体外受精をする妻メアリー
交通事故によるひき逃げで3人を死なせてしまうジャックジョーダン
望んでもいなかったのにに妊娠してしまう未亡人クリスティーナ
神に救いを求める前科のあるジャックジョーダン、結局その人を救うのは神ではなく家族なのか?またはそれも神の意向なのか?
復讐心にまみれたクリスティーナの心を救ったのもお腹に宿った家族なのか?いろいろ考えさせられる映画でした。ほかの方も書き込みされているようにここまで時間軸をシャッフルする必要があったのかと思います。そのためわかりづらい映画になってしまったような気がします。
命の重さ
人の命の重さ。それは時に軽く、時に重い。しかしそれは誰にでも過不足無く平等にあるもので、この世に生まれ落ちた瞬間から、互いに影響し、共鳴し、いずれは失われる。それを幾度も幾度も繰り返し、喜びと悲しみ、幸福と絶望を経ながら、ただただ続いていく。終ること無く。
人の経験する喜びと悲しみ、幸福と絶望、これらは単純な二対項では無い。喜びの中には悲しみが在り、絶望の中には希望が在る。まるでそれはシーソゲームの様にせめぎ合い、人を人たらしめている。
一件の交通事故をきっかけに、決して出会うことの無かった3人の運命が交差していく。
ジャックは、前科者の過去を持ちながら、神の教えに希望を見出し、そして裏切られた。しかし、殺される事によって、誰かを救う事が出来るのかもしれないと感じた。何より自分を救う事が出来るのかもしれないと感じた。
クリスティーナは家族を失い、一人の男性に救われ、同時に絶望し、混沌の中にありながら、新たな希望をその身に宿した。
ポールは病のせいで死の淵にあったが、移植によって幸福を手に入れた。しかし、命の前で軽率な行動を取る妻の姿勢に猜疑心を募らせた。しかし、移植された心臓が絶望によってもたらされたのだと知り、一人の女性を愛した。
喜びと悲しみ、幸福と絶望。これらは、いずれ必ず失われる命の重さの前で、複雑に絡み合い、絶えず反復し、終ること無く続いていく。
『それでも人生は続いていく』
そうだ。どれほどの幸福があろうと、どれほどの絶望があろうと、人生は続いていく。だからこそ人は恐ろしく弱く、驚くほど強いのだ。
時系列がばらばら
観ていて疲れる気分。
ナオミ・ワッツは難しい役を演じている。愛する夫と子供二人を事故で亡くす。そして夫の心臓は移植されてショーン・ペンに。子供の頃からの札付きの悪が改心し神に祈りを捧げる毎日。その彼が事故を起こす。断片的にこれらの出来事が画面に映し出されていく。徐々にひとつのストーリーとして観えてくる時、垣間見えていたそれぞれの人生と生き方の問題。
ひとつの答えを出すためにショーン・ペンが起こす行動。
登場人物すべての名演技に観ているものは身も心も疲れることとなる。
人は死ぬと体重が21グラム軽くなるそうだ。どんな人も分け隔てなく等しく21グラム軽くなるのだそうだ。
その21グラムとはいったい何だろう。
魂の重さなのか?
ともあれ見応えのある作品であることは間違いない。
各人の名演技を堪能して欲しい。
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