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銀のお城のお姫様で魔女学校に通う少女フウカの学校と生活と冒険を描いた物語。児童向けの小説「らくだい魔女フウカ」が原作の劇場アニメである。魔女学校に通う少女フウカは勉強は苦手であったが友人にめぐまれ頑張り屋でもあった。映画でフウカは友人である緑のお城のお姫様カリン、青のお城の13番目の王子でボーイフレンドのチトセ、冒険で知り合った謎の美少年(黒のお城のお姫様の兄)キースたちと一緒に伝説の闇の魔女メガイラの脅威に立ち向かう。
点数:2.0。お勧めしません。キャラクター造形や声優の演技や絵は素晴らしいが物語の展開や主人公の行動などに深みがない。主人公たちが集団で一人の悪い魔女をいじめるという構図は物語中でいちおう救済されてはいるものの教育的によろしくない。
主人公フウカは運命になされるがままで主体性がなく、さらに自分の勉学への劣等感からか仲間に盲目的に追従する傾向があり、かわいそうな闇の魔女メガイラへの集団いじめという集団ストーカー行為に加担してしまう。私はいじめという集団ストーカー行為への肯定は仲間がいれば何をやってもゆるされるという本作品の主題そのものであると思った。本作品はフウカが仲間たちと力をあわせて困難を乗り切るという単純なテーマ性をもっているが、単純さゆえにいじめとう名の集団ストーカー行為への肯定を暗に内包している。私は彼らが学校のクラスでもし仲間外れの闇の魔女みたいな人物がいたら集団でいじめないか心配である。
児童向けアニメはそれを見た少年少女の一生の行動を左右するほどの影響力を持っていると思う。本作のテーマは仲間との絆である。集団で何かをなしとげることは素晴らしいことだ。しかし、長い人生のうちで孤独でいなければならない場面や、仲間と異なる主張をしなければならない場面や、知恵を駆使して一人でうまく立ち回らないといけない場面も必ずくるであろう。児童向けアニメには物事の解決にはいろいろな方法があると教育する役割をもたせる必要があると思う。たとえば本作品では主人公はもっといろいろな立場になったりさまざまな経験をしてほしかった。本作品では主人公フウカは仲間といっしょに闇の魔女と戦う、ただそれだけだけである。この単純なアニメを見た少年少女は人生で仲間がいなくなったらほかに方法を見つけられずに詰んでしまうだろう。児童向けアニメには少年少女の将来のためにもっといろいろな考え方や道徳をもっと入れるべきだと思う。この映画「らくだい魔女 フウカと闇の魔女」は絵は良いが話が単純すぎると思う。
視聴:液晶テレビ(有料配信アニメタイムズ) 初視聴日:2025年(令和7年)7月23日 視聴回数:1(早送りあり) 視聴人員:1(一人で見た)
追記1:
集団ストーカーは犯罪である。日本では冗談の延長としていじめという集団ストーカー行為を許容する雰囲気であるが、その冗談はジョーカーの如く人間の命を奪うのである。この作品では主人公フウカがいじめられている闇の魔女を一人ででも守ってかばうシーンを入れるべきだった。しかしフウカは不幸な闇の魔女のことを同情はするが体をはってかばうことはしない。私がこの作品のいちばん気に入らない部分はフウカの日和見的な態度である。少年少女の手本となるのはいじめられている闇の魔女を一人ででもかばう勇気ではないだろうかと私は思う。