コラム:映画.comシネマStyle - 第23回
2022年1月7日更新
祝・成人 新成人のキミに捧ぐ5本
毎週テーマにそったおすすめ映画をご紹介する【映画.comシネマStyle】。
10日は成人の日ということで、新成人の皆さんに見ていただきたい作品を、映画.comが選んでみました。新成人ではない皆さんも、ぜひ20歳のころの自分を思い出しつつ見てみるのはいかがでしょうか?
改めて、成人おめでとうございます!
ここまで大きくなってくれてありがとう
「6才のボクが、大人になるまで。」 (2014年/165分/PG12/リチャード・リンクレイター監督)ひとりの少年の6歳から18歳までの成長と、その家族の軌跡を、実際に約12年をかけて撮影したヒューマンドラマ。
テキサス州に住む6歳の少年メイソンは、キャリアアップのために大学に入学した母に伴われてヒューストンに転居。その地で多感な思春期を過ごす。アラスカから戻って来た父との再会や母の再婚、義父の暴力、初恋などを経験し、大人になっていく。
思春期の思い出は人によってさまざまですが、本作からは誰もがどこか共通する“何か”を感じ取れると思います。メイソンの成長を見守ったあと、自分のアルバムをひらいてみると、改めて自分の成長や支えてくれた家族の姿を見つめ直すことができるのではないでしょうか。
酒は飲んでも、飲まれるな
「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」 (2010年/100分/R15+/トッド・フィリップス監督)結婚式を間近に控えたダグは、悪友2人(フィル、ステュ)と新婦の弟(アラン)を連れ、独身最後の夜を満喫するためラスベガスへと向かう。翌日、酒やギャンブルでバカ騒ぎをしたフィル、ステュ、アランはひどい二日酔いで目覚め、前夜の記憶はすっぽりと抜けていた。さらにホテルの部屋にダグの姿はなく、代わりに1匹の虎と乳児がいた……。
20歳になってやりたいことは? と聞かれた「お酒を飲む」と答える人も多いのではないでしょうか? 大人の楽しみのひとつといえるお酒ですが、飲みすぎると“楽しい”だけでは終わらないことも……!
こんな主人公たちにならないよう、お酒はほどほどに。
▶「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」動画配信検索
ここからの長い人生、立ち向かって歩いて行こう
「レスラー」 (2009年/109分/R15+/ダーレン・アロノフスキー監督)人気レスラーだったランディも、今ではスーパーでアルバイトをしながらかろうじてプロレスを続けている。そんなある日、長年に渡るステロイド使用がたたり心臓発作を起こしてしまう。妻と離婚し娘とも疎遠なランディは、「命が惜しければリングには立つな」と医者に忠告されるが……。
なぜ新成人に、「40過ぎた落ちこぼれの男の物語」をすすめるのか。そう思っている方も多いと思います。必ずしも見本として彼をみるというよりも、人生とはかくも困難で、かくも無様で、しかし美しいのだと感じてほしい、そう考えたからです。
このエロスを理解できたとき大人の階段を登れる
「タンポポ」 (1985年/115分/伊丹十三監督)タンクローリーの運転手が、さびれたラーメン屋の美しい未亡人に惹かれるまま、そのラーメン屋を町一番の店にするまでを、奇想天外な食べ物がらみのエピソードを織り交ぜて描く。
ラーメン屋を立て直すエピソードは涎(よだれ)なしには見られないのですが、並行して役所広司らが食をエロティックに表現するサブストーリーが印象的。生卵の口移しキスや、牡蠣の身を人の手から吸い上げる……こういう映画が楽しめるようになると、ああ大人になったなと思えるでしょう。
成人おめでとう さあ祝祭を始めよう
「ミッドサマー」 (2020年/147分/R15+/アリ・アスター監督)不慮の事故により家族を失ったダニーは、大学で民俗学を研究する恋人や友人たち5人でスウェーデンを訪れた。彼らの目的は、奥地の村で開催される「90年に一度の祝祭」への参加だった。
白夜の期間は太陽が沈むことがない村は、美しい花々が咲き誇り、やさしい住人たちが陽気に歌い踊る――楽園としか形容できない幸福な地のように思えた。しかし、そんな幸せな雰囲気に満ちた村に不穏な空気が漂い始め、妄想やトラウマ、不安、そして恐怖により、ダニーの心は次第にかき乱されていく。
新成人の皆さんも昔新成人だった皆さんも、「成人の日」という特別な日に仲間を募って、オンラインを通じてでも一緒に鑑賞してもらいたい。仲間とともに見たその祝祭は、きっとあなたに忘れられない思い出を残してくれるでしょう。
いかがでしたか? まだまだ不安定な社会情勢が続く昨今。だからこそ、映画やエンタテインメントで知らない世界を見たり、将来を夢想したり、友だちと気持ちを共有してほしい、そう思います。
改めて、20歳になった皆さん、成人おめでとうございます! これからの未来が、皆さんにとって輝かしい日々であることを願っています。