コラム:編集部コラム やっぱりアニメはヽ(´▽`)ノ日本が一番 - 第9回
2013年3月21日更新
第9回:原作者も携わり17年ぶりに復活した「ドラゴンボールZ」
「ONE PIECE FILM Z」が爆発的大ヒットを記録したことはまだまだ記憶に新しいですが、「週刊少年ジャンプ」(集英社)連載漫画の大先輩「ドラゴンボール」がスクリーンに復活。劇場版アニメとしては1996年3月公開の「ドラゴンボール 最強への道」以来17年ぶりとなる「DRAGON BALL Z 神と神」が3月30日から公開されます。
いまさら説明不要かもしれませんが、原作は鳥山明氏が84年12月から95年5月までの10年半にわたり週刊少年ジャンプで連載していた人気漫画「ドラゴンボール」。単行本は24カ国語に翻訳され、全世界発行部数2億3000万部という、まさに日本を代表する漫画作品です。86年からはフジテレビ系でテレビアニメの放送が始まり、「ドラゴンボール」「ドラゴンボールZ」「ドラゴンボールGT」と11年間も続き、全世界40カ国以上で放送。09年にはデジタルリマスター版の「ドラゴンボール改」も放送されました。劇場版アニメは86年12月公開の「ドラゴンボール 神龍の伝説」が第1作で、以降、先述した「ドラゴンボール 最強への道」まで計17作を数えます。
今回の劇場版は、テレビアニメでいえば「ドラゴンボールZ」と「ドラゴンボールGT」の間、原作漫画では517話で魔人ブウとの戦いが終わった後、518話までの空白の10年間に起こったエピソードを描く内容になっています。孫悟空と仲間たちが平和な時を過ごしていたある時、破壊の神ビルスが数十年ぶりに目を覚まし、地球にやってくる。気に障ることがあれば、それが惑星であれ破壊してしまうというビルスは、界王や界王神すらも恐れる存在。悟空たちは地球破壊を宣言するビルスに立ち向かうが……。
こう書くとハードな内容にも思えますが、実はそうでもなく、純粋無垢な悟空のキャラクターが生き、懐かしのピラフ一味の出番も結構多かったりして、ファミリーで明るく楽しめそうな内容になっています。
今回の劇場版の大きなセールスポイントは、鳥山氏が原作・ストーリー・キャラクターデザインとして初めてアニメ制作にかかわっているという点です。ビルスのアイデアは脚本家から出たものだそうですが、そのキャラクター作りや設定、デザインは「連載に続きがあったら」ということを想定し、鳥山氏が編み出していったそう。拙者も漫画やテレビアニメを(全部ではないですが)読んだり見たりして育った世代ですが、「ドラゴンボール」といえばバトル漫画の代名詞のような印象が強く残っていました。ところが今回の劇場版は、鳥山氏いわく「暗い内容にしないのが僕の特徴」とのことで、そういえば原作やテレビアニメも結構笑える要素があったなということを思い出し、なるほどなと納得したのでした。鳥山氏の明るく楽しい作風が出た作品になったのではと思います。
原作者が自らアニメに携わるといえば、同じくジャンプ漫画原作×東映アニメーション制作の「ONE PIECE」がその成功例なのは言うまでもありません。また、昨年公開された「FAIRY TAIL」も原作者協力をうたっていましたし、最近では、ジャンルは異なりますが、ライトノベルが原作の人気アニメの劇場版「とある魔術の禁書目録」も原作者全面協力で作られ大ヒットしています。
単なる人気漫画、人気小説のアニメ化というだけでなく、そこへ「原作者が参画する」ことが大きなフックになる。アニメーション作品が多様化する中、そうした作品が今後も増えていくかもしれません。