菅田将暉、4作品で主演男優賞 賞状の「明らかなオーバーワーク」に爆笑
2017年12月28日 20:11
作品賞は、寺山修司の唯一の長編小説を5時間余の一大叙事詩として描き切った「あゝ、荒野」が受賞し、岸善幸監督は「読み解くのが難しい小説を、新しい解釈である挑戦だった。やって良かったと思う」と感激の面持ち。会場のホテルでかつて皿洗いのバイトをしていたことがあるそうで、「まさかこのホテルの料理をいただけるとは思わなかった」とおどけた。
その「あゝ、荒野」をはじめ「帝一の國」「キセキ あの日のソビト」「火花」の4作品で主演男優賞に選ばれた菅田将暉は、賞状の「明らかなオーバーワークにも関わらず」という一文に爆笑。「確かに疲れた1年だった。でもまだ24歳で元気なので、体は大丈夫。とても大きな賞をいただけて、いい1年になった」と笑顔。プレゼンターを務めた昨年の受賞者の佐藤浩市も、「今走らなかったら、いつ走るんだということを分かった上で覚悟を決めてやっている」と称えた。
主演女優賞は、「彼女がその名を知らない鳥たち」「アズミ・ハルコは行方不明」の蒼井優が射止め「いただいた仕事に向き合って15、16年歩んできて、賞をいただいて一瞬だけ立ち止まって振り返る時間が持てた。これからも一歩一歩前を向いて頑張っていきたい」とさらなる意欲。同じくプレゼンターの宮沢りえは、「いつもはすごく男前なのに、今日はとてもきれいで私がドキドキしています」と興奮気味に話した。
「三度目の殺人」「関ヶ原」で圧巻の演技を見せ助演男優賞の役所広司は、「是枝裕和監督、原田眞人監督の作品に出られただけで十分幸せなのに、おまけに賞までいただけた。映画の中では俳優の力はほんの一部。へたくそな芝居を監督、スタッフ、共演者の支えで上手に見せてくれるんです」と謙虚に語る。「ナミヤ雑貨店の奇蹟」で助演女優賞の尾野真千子は10、30、50代を演じ分け、「やりがいがありました。ここで見せないといつ見せるんだという気持ち、全力で臨みました」と胸を張った。
新人賞は「君の膵臓をたべたい」「亜人」の浜辺美波が射止め、「マネジャーに『だまされたと思ってついてこい』と言われ、素敵な賞をいただけた。だまされて良かった」といたずらっぽい笑み。「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」で監督賞の石井裕也監督は、「励みになります。もっといい映画を作れるよう、悩みは尽きませんが努力します」と気持ちを引き締めていた。
なお、外国作品賞は「ダンケルク」が受賞した。
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