劇場公開日 2020年12月18日

私をくいとめてのレビュー・感想・評価

全208件中、161~180件目を表示

5.0爆笑はしませんがクスッと笑える。勝手にふるえてろの上をゆく面白さ。

2020年12月22日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

萌える

爆笑はしませんが微笑ましくてクスッと笑える楽しい映画でした。
綿矢りささんの原作と大九明子監督との相性は抜群ですね。名作「勝手にふるえてろ」のさらに上をゆく面白さでした。
ストーリー自体は、よくある恋がヘタな主人公のピュアなラブストーリーなのですが、脳内のAの存在や主人公をはじめノゾミやカーターなど登場人物のキャラの面白さ、アップを多用したカメラワークなどで個性的な映画に仕上がっていました。
のんさんの可愛らしさは破壊力ありますね。演技力もたいしたものでした。

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光陽

3.5糞があ

2020年12月22日
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かわいすぎだろ!糞が!

以上です。

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puleco2

5.0のんの感性が更に磨かれた作品!!!

2020年12月22日
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この映画はモノローグだらけで、Aの声だけの存在感と、主演のんが出ずっぱり。でも久しぶりに観たのんの魅力に引き込まれると同時、ファッションセンスやインテリアセンスがステキに光っている。また、主人公が人知れずかかえている心のしんどさにも焦点があたっており、その人間感情の出し方に、観ていて心揺さぶられるものがあった。のんの演技の上手さ、技術力にも圧巻だった。
とにかくのんが可愛い!!橋本愛との共演にも微笑ましくなった。
この映画の内容の本当の深さ、深みには脱帽だった。また観たい!!!

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naonoua

3.0く・ち・び・る

2020年12月21日
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 くちびるで始まる歌の代表曲「君は天然色」。好きな曲だけど、計3回も使うのはやりすぎかなぁなどと思ってしまった。ネットで検索し、あ、山下達郎バージョンもある!と喜んで視聴すると、まるで演歌歌手のようにコブシが効いていた。あれれ・・・

 田舎暮らしのおっさん的には、どうも都会の一人暮らし女性という内容は親和性がよくないのか、結局は林遣都目線で見てしまうことになりました。でも“おひとりさま”が外食するには勇気がいる点だけは共感し、一人で焼肉屋に行ってみたい気にもさせてくれた。「お一人様も歓迎」とか書いてあればいいのにな・・・

 イタリアに住むサツキのアパート。ローマのコロッセオやシーザー像だけで満足したみつ子が彼女と本音を語り合うところは良かったけど、海外ロケの意味さえも薄くなった気がする。「あまちゃん」での共演をも思い出してしまう。

 都会の中にあって、商店街の人たちの温かさも伝わってくる。こんなに人情味がある町なのにどうして脳内相談役ができるのだろう?逆に田舎のほうが閉鎖的なようにも思うけど、そのあたりの設定が受け入れられなかったのか。しかも、多田くんとは近所だし、自宅には入れないものの食事を手渡ししているほどの関係・・・不思議だ。

 のんや臼田あさ美の演技や、脳内イメージと斬新な映像は面白かったけど、全体的には引き込まれなかった。もしかすると、おっさん=セクハラ親父という固定観念が見え隠れしたせいかもしれない・・・もしくはうざいホーミーとか。

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kossy

2.5能年ちゃんおかえり映画

2020年12月21日
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「のん」には未だに違和感ある。

本名使えないとか、事務所問題を思い出してしまう芸名だ。

話し合って名前くらい能年玲奈で出来たら良いのに。
一度和解の記事出た時は嬉しかったんだけど、白紙撤回なったのも残念。

個性も演技力も抜群。なかなか難しい役だと思った。ほぼ一人芝居だし、下手な役者なら相当寒いことになる役だと思う。

橋本愛さんは貞子からのアナザー以来、久々に映画で見ますが、こちらも相変わらずダークでシャープでビューティーというか。
ほんと貴重な女優さん。
今のままで十分過ぎるほどだと思うので、無理せず今後も頑張って欲しい。
本当の友情を感じる内容でした。

映画は全体的にややわかりにくかった。
30歳お一人様。とするには、能年ちゃん若過ぎるし可愛過ぎる。
もうちょっと売れ残りそうな人やっても良かったかも?
不思議ちゃんみたいなとこは上手くハマってたと思います。

あと、このシーンいる?って場面が多くて、カーター?も結局謎だし。
原作知らないと微妙に美味しくないのかも?
多分、女性のほうが共感出来る映画かも知れないです。

能年ちゃんが今後活躍の場が拡がる事を願いたいです。

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猫の国の民

5.0正直言って、のんにここまで演技力があるとは思っていなかった。いろい...

2020年12月21日
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正直言って、のんにここまで演技力があるとは思っていなかった。いろいろ模索した上のようだが、本当にすごい表現者だと思う。
橋本愛もはまり役。
改めて綿矢りさの原作を読んだが、原作を深堀りして、原作の雰囲気を全く壊していない。
今年最後に見る映画として、とてもよかった。

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NIKEE

4.0こっちの方が面白い

2020年12月21日
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鑑賞方法:映画館

多分(ホントか?)、今年最後の劇場鑑賞のこちら「私をくいとめて」は正直期待より良かった。
「勝手にふるえてろ」よりもオジサンにも理解ができて時折ブスっと刺さる。
のんさんも良かったが、周りを固める臼田あさ美さんや片桐はいりさん、林遣都くんもいい演技。
私的には「ワンダーウーマン」を最後にしなくて良かったと思える評価4.0でした。
コロナでやむなくスキップした同監督の「甘いお酒でうがい」も機会があれば観てみたい。

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TWDera

4.0おひとりさま(o^-')b !

2020年12月21日
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おひとりさま感がリアルでおもしろかった

あーあるある あーあるある
って思いました。

リアルだけど暗くなくて。

のんさんの表情もくるくる変わりさすがだなあ。

おもしろかったけど、長いかなー(泣)

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とも

4.0能年玲奈と大瀧詠一

2020年12月21日
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設定では三十代だという主人公だが、いかんせん能年玲奈なのでニ十代にしか見えないのだが、かと言って主演が吉住ならいいわけでも無く、能年玲奈だから二時間もたせたとも言える

岡野陽一や吉住(公開前にTheW優勝というタイミング!)など大九監督ならではのキャスティングが絶妙

友人役の橋本愛があまちゃん繋がりで色々感慨深いが、大瀧詠一も岩手出身なので、能年玲奈の岩手との親和性には岩手県民なら胸熱なのである

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うんこたれぞう

3.5「この部屋って、こんなに広かったっけ・・・」

2020年12月21日
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鑑賞方法:映画館

演出そのものは定番で特筆すべきものはないが、しっかりした脚本だなあと思ったら、原作ものの実写化らしい。
多田くんが帰った後、「この部屋って、こんなに広かったっけ」と、つぶやくみつ子。
きれいにしたつもりが、下着を降ろし忘れて焦るみつ子。
こういうリアルで繊細な描写が随所にちりばめられた、中身の濃い作品だと思った。
アンサー君「A」が男なのも、面白い嗜好だ。

のんの台詞も演技も、最初のお一人さまの時はボーイッシュだが、ごく自然に女性らしくなっていくところは、なかなか興味深い。(ポリコレ時代に、こんな言い方をすると叱られるかな?)
臼田あさ美や橋本愛の演技も良かったし、林遣都も良い味を出していた。
監督が、しっかり個性を見極めて使っているのだろう。

とはいえ、自分は女性ではないので共感するわけでもなく、それ以上の感想はない(笑)。
自分としては、のんを観に行って、しっかりと“元が取れた”。
それで十分だ。

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Imperator

4.0のんちゃん、おかえりなさい

2020年12月21日
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大九明子監督と松岡茉優のコンビネーションは「勝手にふるえてろ」で抜群でした。その時ものんで撮っても絶対合うだろうなとうっすら思ってました。のんの復帰主演作が本当に大九監督。さらに原作も「勝手にふるえてろ」に続き綿谷りさ。
事務所独立問題で5年以上も干されてました。そして、やっと銀幕で元気な姿を見れるだけでも嬉しいかぎりですが、この光子役はのんの魅力全開のはまり役。親友役があまちゃんでコンビ組んでた橋本愛というのもサプライズです。心の声のAのナレーションがすぐに中村倫也とわかりました。(これがまたいい声なのです)さらに、劇中で酔客にからまれる女芸人を演じているのが、なんとthe Wで優勝した吉住なんだから驚きです。
大九ワールドは個人的に大好きなのですが、はまらない人もいるかもしれません。「勝手にふるえてろ」がはまったら本作もいけるでしょう。
もっと劇中歌で大滝詠一の君は天然色以外も使ったらいいのにとも思えました。あとちょっと長尺かな。

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トシくん

4.5のんの演技をずっと観ていたい

2020年12月21日
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主人公みつ子が恋愛を通じて成長していく物語かと思いきや特にそれといった成長はなく、自分の中のもう一人の自分“A”と会話してる現実離れした存在かと思いきや以外と現実にいる誰もが心当たりのある等身大の物語でした。
そんな以外と普通の人物なのに凄く魅力的なみつ子を演じるのんさん。原作や脚本の素晴らしさもあるでしょうが役者の力量が圧倒的に素晴らしく感じました。
物語とは関係なく、特に推しというわけではないのですが、のんさんには今後も頻繁にいろんな作品に出演して、どんどん素晴らしい演技を見せて欲しいと願ってやみません。

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Reo13

3.0のんが活躍する姿を見るためだけの映画、ついでにいえば大滝詠一の有名曲を聞くための映画です。

2020年12月20日
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のんの経歴をwikiでみると
 モデルデビューが14年前(2006)
 NHK朝ドラでヒロイン演じたのが7年前(2013)
 所属事務所と揉めて干されたことが週刊誌上で取りざたされたのが5年前(2015)
 独立宣言したのが4年前(2016)
 映画「この世界の片隅に」の主役の声を務めて評価されたのも4年前(2016)

その後も旧所属事務所(レプロ)を忖度したテレビ局は彼女を無視したと記憶しています
公正取引員会が芸能界の慣習に対して正式に警告したのが2019年の8月で、これで彼女の活躍の場が広がるかと思っていましたが、今年2020年10月に記事を書いた週刊誌側が旧所属事務所に訴えらた裁判で負けたそうです。

長々、映画に直接関係ないことを書いたのは、この映画は逆境にめげず頑張るのんを応援するための映画だと思ったから。
正直なところ、中身は冗長で時間が長く感じられました。
表情豊かなのんの姿は一見の価値はあるのですが、内容が伴っていないような。
少なくとも130分を超える内容があるとは思えず、100分程度にまで絞れるのではないでしょうか。

ついでにいえば、題名「私をくいとめて」と途中の飛行機搭乗中の変なCGのせいで、終盤まで精神破綻に向かっている主人公を助ける話かと勝手に想像していました。(そう感じたのは自分だけ?)

自分にとっては、のんが活躍する姿を見るだけの映画で、ついでに大滝詠一の有名曲を聴くための映画でした。

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お抹茶

4.5君は天然色に酔いしれる

2020年12月20日
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よし一歩踏み込んでみるか!
いやまあこのままでいいかー。
の狭間でぐらぐらするおなじみ気持ちが直球で描かれていたから、ヒヤッとしたり、ニヤリとしたりそんな風に心をくすぐられた。

初めて一人暮らしをした雰囲気に似てるあの部屋のシーン。あんな風に音楽を聴きながら自由を満喫しちゃうんだよなー。
大好きな君は天然色、私も一緒に口ずさんでしまう!

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パプリカ

4.0ひとりもの

2020年12月20日
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のんがやっとちゃんと復活だと思い鑑賞。
やはり、あまちゃんのイメージは強いけど、あれから色んなことを経験して大人になったんだろうなと。
透明感はそのままでやはり素敵な女優さん👍
私も独身一人暮らしなので共感するところはいっぱいあった。自然体でいられる相手じゃないと疲れちゃうよね💦

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ぽんちゃん

3.5オレが隣にいるだけ

2020年12月20日
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自分は両親が憎みあう姿しか知らずに育ち、崩壊した家庭で育っているからこそ、男女がコミットして深く愛し合い、助け合うことの重要さを身に染みて感じる。

一人でいることは気楽で、二人でいることは煩わしいこともたくさんあるのだけれど、それでも好きな異性にコミットすることのなかには、ふたりで生きることでしか味わえない生きることの豊かさや喜びがたくさんある。

他人と親密に向き合うことは、ときに自分の中の恐怖や痛みと向き合うことになるので、しんどいのだけれど、それでもなおそれを選択したいと思う。

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かとし

3.0のんちゃん好きなら是非

2020年12月20日
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大久監督&綿矢りさ原作の『勝手にふるえてろ』を観てたので、何となくのんちゃんに合いそうな作品かな、と思いました。

単純にのんちゃんファンにはお薦めです。
のんちゃんのキュート感満載だし、時たま見せるおっちょこちょいなところや、
はたまた腐女子感のあるところなど、のんちゃんワールドだった。

原作を読んでないから何とも言えないけど、やはり純文学作家の原作らしく、
主人公の世界観に入り込めないと、結構きつい作品かもしれない。
特に自分の中のA(アンサーを意味する)というもう一人の自分との語りがメインなだけに、
なかなか抽象的でわかりづらいところが多かった。

あと、友人に会いにイタリアに行き、そこでのシーンが
『あれ、コロナ禍以降にまるかぶりだな』と
思っていたが、やはり内容を変えて撮影したみたい。
この辺の柔軟な制作は素晴らしい。

のんちゃん良かったです。

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じーたら

3.0モノクロームの自分にどんな色をつけるのか?

2020年12月20日
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笑える

幸せ

人生の岐路に立つ、男女の拙さ、辿々しさ、焦燥感がコミカルで軽快に小気味良く描かれていて良かったです。

大瀧詠一の歌の通り、
モノクロームの自分にどの色をつけるのか悩ましい様が何とも懐かしく新鮮に見えました。

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ちゆう

5.0潰そうとしても潰れない、のんとトランプ大統領

2020年12月20日
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作品として評価すれば星三つ。
しかし独立問題の嫌がらせで民放テレビに出られない状態が
未だに続いているのんを応援したくて満点評価にした。
この芸能界の異常性に誰も声を上げない。
下手に擁護したら自分も干されるのではとの恐怖感があるのだろう。
「新聞記者」で正義を求める記者と結局自己保身をする官僚が描かれた。
正義を貫くことがいかに困難か。
のんは古いしきたりに支配された巨大な芸能界と戦っているのである。
同じく巨大な闇勢力と戦っているのがトランプ大統領だ。
公正な選挙なら潔く負けを認めると言っている。
しかし誰がみても不正選挙は明らかである。
マスコミは闇勢力の一員なので決して真実を伝えない。
長いものに巻かれるのは簡単だがそれでいいのか?

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馬券師

3.5女性の心情を上手に描いてみせた佳作

2020年12月20日
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 とても文学的で、どこか哲学的な作品である。大九明子監督は今年9月に鑑賞した映画「甘いお酒でうがい」に続いて、都会でひとり生きる女性を生き生きと描き出した。「甘いお酒でうがい」の主演は松雪泰子だったから、妙齢に達した女性のある種の達観のようなものと、年齢に関して感じる引け目や消極的な態度があったが、本作品では、それよりも10歳以上若い30代という設定の主人公だから、自分の年齢に対する捉え方が若干異なっている。しかしところどころで現れる乙女の感情は共通している。女性というものは幾つになっても心は乙女のままなのである。
 主人公みつ子は、恋人もいないのに派手でエロティックな下着を持っている。のんがそういう下着を身に着けているシーンがあれば更にリアリティが増したと思うが、流石にのんにはそこまでの覚悟はなかったようだ。27歳ののんは見かけが若すぎて、31歳のみつ子を演じるのは少し無理があるような気もしたが、最近の31歳の女性はかなりの割合で20代に見える人が多いということもあるから、これでよかったのだろう。それに本作品は主人公の内面を描く文学的な作品だから、見た目よりも演技力が問われる。
「甘いお酒でうがい」では松雪泰子演じる主人公佳子がモノローグで自分の日記を語る形式だったが、本作品はみつ子が心のなかに設定して昼夜会話をしているAとの自問自答で行動が決まり、生き方の方向性が決まっていく。Aは自意識そのものだから、Aと会話している限り、恋に落ちることはない。自意識は落ち着いた部分と落ち着かない部分があるから、その落ち着かない部分をのんの台詞が担当し、落ち着いた部分を中村倫也のモノローグが担当した。
 自意識も含めて、意識は脳の働きの数万分の1でしかない。脳の殆どの役割は無意識にある。喜怒哀楽も恋も憎しみも、すべて無意識の働きだ。みつ子は自意識が強すぎて、無意識に自分を任せることができない。喜怒哀楽から遠くにいて平和な日常を送ることができるが、ときに自意識が暴走して失敗することもある。無意識の領域である性欲や食欲の情熱も感じていて、食欲のために自分で料理をしたり、ひとりで焼肉を食べたりするが、内なる乙女が求める恋のロマンスは押さえつけている。
 自意識がみつ子の幸せの邪魔をしていることは間違いなく、自意識が顔を出さなかったローマでは、親友との旧交が温まることに感動する。幸せな涙である。しかし日常に戻ると再び自意識との問答の毎日となる。理性は意識によって自意識をコントロールすることで、それができるようになることを大人になると言うのだが、みつ子は自意識が肥大しすぎて暴走する。
 自意識が暴走してしまうのは思春期に発現する自意識の急激な膨張をうまく乗り切れなかったせいだ。反抗期がなかった人は、大人になっても自意識が肥大したままでいることがある。みつ子はまさにそれだ。幸せは意識でなく無意識の領域だから、自意識の肥大しすぎたみつ子には幸せは来ない。誰かに自意識の暴走を止めてほしい。それには無意識の領域である恋の情熱に身を任せるしかない。多田くんはみつ子の自意識の暴走を食い止めることができるのだろうか。
 みつ子のような30代女性は日本にかなりいると思う。自意識が肥大したおかげで保守的になり、人付き合いも苦手だから、あまりお金を使わず溜め込んでいる。異性にときめきを感じることもあるが、自意識の警戒心が強すぎて基本的に誘いを断るから、恋に落ちることはない。安全で安心で平凡な日常だが、それに満足しているわけではない。本当は冒険をしたり恋に落ちたりしたいのだが、一歩を踏み出せないまま年をとっていく。こんな人生は嫌だと感じているが、どうしても勇気がない。都会に暮らす微妙な年齢の女性の心情を上手に描いてみせた佳作だと思う。

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耶馬英彦