ミッドナイトスワンのレビュー・感想・評価
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気づいたら涙、
親友だった子、リンも一果に会ったことでもともとの本能が出てきたのかな、同性が好きという場面もあった、
結局ニューハーフやおかまと言われる人たちは社会からは色メガネ、珍獣を見るような目でしか見られず、ああいったバケモノ小屋とまで言ったらひどいが、そーゆーところでしか働き場所がないのか、と思う日本の現状。
LGBTにはまだ希望がないのかと思わせてしまう作品ではあるけれども、
その中でも必死に自分らしく生きていくことを選んでいた。
演技には定評な草彅剛だけども、彼だからこそ、この役はかえって自然体で見れて惹きこまれるものがあって良かった。
一果役の子はこの作品で初めて知ったけど、親からの虐待で見せる無機質な表情から、バレエで生き生きとしてくる顔まで、表現がうまいなと踊りを通じて魅せられていった
届かない愛がつらい
冒頭のスワン達の息の合った所が何だか好き。
あと小物ですが、読んでる漫画が「らんま1/2」なのが何ともシュールですね。
そんな何処かコミカルな感じでしたが、決して届かぬ現実を突きつけられた辺りから段々息苦しいように。
また、その瞬間の表情が素晴らしかった。
あと物語は真逆なのですが、何処か「トルダンサー」を感じました。
コンクールでの会場に訪れた皆とか、かなり意識してますよね?
そしてこのコンクールと結婚式のシンクロと、そこに映される光と影。
ここはうまかった。
ただ、トランスジェンダーが不幸で、そのまま苦しみの中から出られない現実っていうのは寂しかったですね。
作品はそういった演出面で気になる部分がありましたが、そこを草彅の存在感で引っ張っていった気がします。
それとデビューという服部樹咲ですか。とても魅力的で彼女のこれからが楽しみです。
トランスジェンダーそのものだけで無く、描かれた届かない愛がつらかったです。
他人は変えられない
見せてる自分と見せたい自分が違うことの生き辛さみたいのはきっと誰でもあると思うけど、それが性別だったらどんなにかしんどいだろうと思った。
人を変えることは出来ないので自分を変えるしかなくて必死で変えていくのに、どこまで行っても結局人の価値観は変えられないから堂々巡りになって更にしんどさが増すという苦しさよ。
コンクールの母娘連れがリアルであれはイチカは辛かったろうと思う。発表会やらコンクールは子どものサポートで母さんが本人より忙しい日だ。
イチカの髪を本当に嬉しそうに誇らしそうに愛おしそうに梳るナギサさん見てたら知らずに涙で大画面が歪んだ。
登場人物みんな愛に飢えてて、なのに誰かを深ーく愛しててそれが報われても報われなくても愛し続けてるのがしんどかった。
けどイチカが最後ナギサそっくりな格好でカッコよくカツカツ歩いてるの観て私を含め周りも啜り泣きが止まらなかったよ。
この年一番泣いた映画でした。
なんか久々に観たくなってきた。
本当に男女平等だSDGsだとか言うなら、”男らしく”も差別として禁止しないとだめだと思う。
この映画の主人公には全く共感できないし、頭の中や体がどうなっているのか想像できない。
でも普通に生きるだけでも大変なのに、オカマだったら生きるということのレベルが上がって更に大変なことになってくると思う。
その人にとっては絶対的なものだからこんなこと言ってもしょうがないけど、相対的に言えばもっとレベルの高い生きるのが困難な人がいると思うので、比較すればどうなんだろう?という気がしなくもない。
あと障害ではないのかもしれないけど、訳の分からない精神障害や病気を抱えて苦しんでいる人もいるから、原因が分かっているだけでも少し幸せかな?という感じもする。
でも分かり過ぎるのも逆に大変かもしれない。
LGBTとよく一括りにして言うけど、オカマが一番大変だと思う。
オナベの人が男の恰好をしていても別におかしくないし、男の喋り方をしても別におかしくない。
だけどおっさんが女の恰好をしたり、女の喋り方をしたらすごくおかしいし、気持ち悪い変態みたいに見られる。
でもこういうことは他のことにも当てはまるかもしれない。
最近男女平等が厳しくなって、女らしくしろと言うと怒られるけど、男らしくしろと言っても怒られない。
女らしくしろがだめなんだったら、男らしくしろもダメだと思うんだけど別にそれはない。
そんなことやっているうちに女らしくは死滅して、男らしくばかりが生き残って、大変なことになっているような気がする。
女の人は何をやってもよくて、男は男らしくだと、役割分担が壊れて男にばかり負担がかかるようになる。
これだと逆差別というか本末転倒だと思う。
この映画でも差別という言葉は一切出てこなくて、変な性癖の変態のおっさんだから酷い目に合うのも全て自己責任でしょうがないみたいなことになってる。
でもこれって生まれ持ったものなんだから自己責任ではなくて差別じゃないのかな?
例えばだけど違う人種の人に「気持ち悪いバケモノ」と言っているのと同じことのような気がする。
本当に男女平等だSDGsだとか言うなら、”男らしく”も差別として禁止しないとだめだと思う。
マイノリティには生きずらい現実
2020年。監督・脚本は内田英治。
第44回アカデミー賞の最優秀作品賞。草なぎ剛は最優秀主演男優賞を受賞。
トランスジェンダーの凪沙。
バレリーナに憧れる少女・一果(いちか)。
2人の境遇が交差する時・・・
生きる希望と、生き甲斐と、愛と悲しみと、人生の全てが詰まった至高の愛の物語。
観終わって嗚咽が止まらない・・・2人の人生を共に生きた・・・そんな時間でした。
新宿のニューハーフクラブのステージで踊る、トランスジェンダーの凪沙(草なぎ剛)
年齢も年増になって、裏寂しさが表情にも浮かぶ。
ある日、遠い親戚の少女・一果(服部樹咲)を養育費目当てで預かることになります。
一果は育児放棄により母親(水川あさみ)から酷い虐待を受けて、心を閉ざす傷ついた少女でした。
いやいや預かった凪沙でしたが、トランスジェンダーとして狭い世界で孤独に生きてきた凪沙と、愛も礼儀も知らない一果の間に擬似親子のような感情が生まれていきます。
反抗的で突っ張ってて、しつけのなってない一果を、次第にイジらしい護ってあげなければ・・・そう思う凪沙でした。
この映画のもう一つの見どころは、一果のクラシックバレーのダンスシーン。
一果は近所にあるバレースタジオを覗いたとき、踊りたい衝動に突き動かされます。
一果は、片平先生(真飛聖)の教室の生徒となり次第に才能を開花させて行きます。
この映画、一果のバレーシーンが、素晴らしいんです。
一つ一つのポジション取りが完璧で、一果の踊る姿を見るだけで、芸術の持つチカラって凄いなぁ、と心から感動します。
一果のバレーコンテスト出場を応援する凪沙でしたが、経済的にも精神的にも
次第に追い詰められて行くのでした。
本物の「母親になりたい!!本物の女性として認められたい!!」
凪沙はある重い決断をします。
ここからは、もう辛いし悲しいしで胸が引き裂かれる想いでした。
そして怒涛の衝撃のラストへと雪崩れ込んで行きます。
一果役の服部樹咲は15歳になったばかり。
幼い頃からクラシックバレーを習い、数々の賞に輝くバレリーナの卵です。
尖って突っ張った表情と、果実のようなみずみずしさ。
一果を演じるために生まれてきたような少女です。
凪沙役の草なぎ剛は、もう最高のトランスジェンダーの誇り高き女性でした。
草なぎも彼以外に凪沙を演じる役者はいないと思いました。
2人とも、この映画で過ごした瞬間は
「一生に一度の巡り合い」・・「一期一会」
私にとっても、忘れられない宝物になりました。
過去鑑賞
草彅剛がトランスジェンダーを演じ話題になった作品。 主人公だけでは...
草彅剛がトランスジェンダーを演じ話題になった作品。
主人公だけではなく、キャストそれぞれの苦悩や葛藤が描かれていて終始切ない。けれど音楽、映像が綺麗で、内容はとても重いけど観た後は良い余韻が残ります。最近の邦画の中ではこの作品が一番じゃないかって思えた映画でした。
闇
私は創り手ではなく一視聴者なので、死ぬ必要があって死なせたというよりは、人はそういう運命を辿ることもあるでしょうと思って違和感なく受け止められた。
全体的なストーリーはLGBTがどうというよりは、単純に孤独な2人が互いの絆で明るい希望を持ち始め、それでもやっぱり一度暗いところにいた人っていろんな闇から綺麗さっぱり離れることが難しいっていう社会風刺的なメッセージを感じた作品で、ハッピーエンドでちゃんちゃんと終わるよりよかったなと思う。
途中のシーンにもあったけど、LGBTという言葉が共通語になり、言葉だけが身近でまだその実は全然身近になんてなっていないし、そういった方々の生きづらさの解決はまだまだこれから。でも人の生きづらさって社会レベルでなくても抱えている人はたくさんいて、毒親に育てられる子供もまたその1人。一つ一つの言葉や表現が心に闇を落としていくのを感じられた。
劇中の踊りは美しければ美しいほど、儚く悲しいもの連想してしまう。一度目はお母さんを思い浮かべていたけれど、二度目は凪さんだった、というところはある意味ハッピーエンドだったのかな。
あと一果ちゃんかわいかったな。
うーん……
ぜんぜん悪い設定では無いはずなのに、
どこか日本映画の悪い域にしか収まってない気がする
社会に馴染めない二人なのかもしれない
けれども彼女らの行動に疑問が湧く
その性格の人がこの行動する?となる
自分の感情をわんわん出す以外に
方法は無いんかよ、と思ってしまうし
誰のための映画なのかを今一度考えたほうがいい
感動の為のラストシーンだとか
言われていますが、
そもそも感動するか?
感動……?
どこに?彼女の運命に?
彼女が選択した彼女の最期に?
いやー、わからん…。
ドランの映画とか、観た方がいい
2人の少女の屋上シーン
ずっと観ようと思っていてようやく鑑賞。私が1番良かったのは、2人の少女の屋上での会話シーン。
よく喋るようなった。
なってない。
なったよ。
それに明るくなった。
なってない。
なったよ。
このラリーがあと数回繰り返される。
2人の雰囲気。表情。間合い。本当に良い!作品自体の話をすれば、ちょっと期待値上がり過ぎたのもあるかもだか、ストーリーがね、後半どうしてもダメでした。そのカットいる?という過剰感も何度か。そんな展開にしなくてももっと深くて清くて暖かいものに仕上げて欲しかったかなー。もちろん草彅剛はがんばってた!
作品
壮絶に愛と夢を貫く人間ドラマ
凄いという言葉では物足りない。とんでもない衝撃作である。傑作である。不遇な環境のなかで、極めてリアルな人生を生きながら絆を深めていく母娘の物語と、彼女達のバレエへの夢追い物語が見事にシンクロした悲哀溢れる人間ドラマである。
主人公を始めとして登場人物達の人生を容赦なく赤裸々に表現している。人生の壮絶さが心に突き刺さってくる。それでもなお、それでもなお、愛と夢を貫く物語に圧倒される。涙が溢れて止まらない。
本作の主人公は、新宿のニューハーフクラブで働く、トランスジェンダーの凪沙(草なぎ剛)。彼は、育児放棄された親戚の少女・一果(服部樹咲)を預かることになる。最初は反目していた二人だったが、次第に心が通うようになり、凪沙は一果への母性が芽生えてくる。そして、凪沙は、バレリーナになるという一果の夢を支えていくが・・・。
主人公を演じる草なぎ剛と少女役の服部樹咲が本作のキーパーソンである。様々な想いを内に秘めながら弱みを見せず気丈に生きようとする凪沙を草なぎ剛が完璧に演じている。凪沙になり切っている。一果との絆が深まるプロセスを、時に粗野に、時に母性を感じさせる演技で、巧みに演じている。今まで色々な役柄を演じてきた草なぎ剛だが、凪沙役は彼の最適役である。本作は彼の代表作になるだろう。
少女役を演じる服部樹咲は、親に見放され自暴自棄になった時の近寄りがたい雰囲気、凪沙との不器用な交流、バレエに打ち込む時の懸命さ、バレエを踊る時の艶やかさ等、不遇で多感な夢を追いかける少女という難役を見事に熟している。特に、有り触れた場所で地味な普段着でバレエを踊るシーンは、それまでの彼女の想いが体現され美しく切ない。熱いものが込み上げてくる。
ラストは希望を未来に託して終わる。壮絶な愛と夢の物語は希望で結実する。観終わって充足感で心が満たされる。
本作は、愛すること、夢を追いかけることの意味と壮絶さを我々に強烈に提示している。
演技はいいが脚本が残念
草彅剛の演技はとてもよかったです。ニューハーフを演じるのに話し方は(きのう何食べたの内野聖陽のように)無理に作った感じもないし、佇まいや所作もとても自然で役になりきってたように思います。
そこが本当に素晴らしかったので手放しに賞賛してしまいがちですが、冷静にふりかえると映画の出来としてはエンタメ映画の域を出ないレベルだなと。
まず全編を通しLGBTである事に皆とても苦しんでるような表現をしていてなんだかなーって思いました。
例えば周囲もLGBTへ気遣いはあるんだけど、どこかで誰かの何気ない発言や行動で人知れず少し心を痛めるといった表現であれば「あ、ほんとは孤独なんだな」と伝わるのですが、そういう悪気の無い不理解ではなくわざとらしい悪意が多くて、露骨にセンセーショナルによせすぎていました。
イチカの前で泣き崩れ「私気持ちわるい?」「なんで私だけ…私だけ」と言って大泣きするシーンも説明すぎというか無理やりねじ込んだ感が強かったです。その世界で生きてる人ってこういつまでも割り切れずに発作的に感情が高ぶるものなのでしょうか?
どこかノンケの人間が共通して抱きそうなテンプレ的なLGBT像をなぞっている気がしてリアリティに欠けてる印象です。気づきがないんですよね。あ、実はそう感じていたんだ。って言う。
化け物だとか気持ち悪いなんて100万回言われたろうし、その感情に折り合いをつけて自分をさらけ出して長年生きて来たんだろうから、もっとその先の感情を見せて欲しかった気がします。
そういう意味で脚本が浅い気がしました。
あと、ケガをしてバレエが出来なくなったリンが他人の披露宴の最中に踊り狂ったあげくに飛び降りてしまいましたが、障害を負った人達があまりに人生に絶望し悲壮感を持ちすぎた表現をし過ぎている気がします。
まだ人生始まったばかりの中学生がケガをして、バレエが出来なくなったから死ななければいけないって程彼女はバレエに盲目に生きていたのでしょうか?あの歳で地下アイドルまがいの事をして男を金づるにする事もいとわなかったし、イチカとキスをするほど性に対しては奔放で、他人に嫉妬して成功を妨害しようするほど自分がかわいいのに、あんなに綺麗な死に方をするでしょうか?もっと柔軟性をもって泥臭く生きていけそうな子だと思いましたが。
終盤からエンディングにかけての凪沙に対する身内の不理解さや身体の悪化もそうだし、イチカの成功を際立たせるために他の事象を悲運に描きすぎてわざとらしさやあざとさを感じました。
脚本の稚拙さを特に感じたのは母親3名(イチカの実母、リンの母、ナギサの母)で、露骨な不理解さや失礼な態度がほんと漫画的というか、この作品の薄っぺらさを象徴する存在であったと思います。
原作をそのまま映像化した素晴らしい作品
元SMAPのファンでも草彅さんのファンでもありません。単なる小説好きです。でも草彅さんの演技は好きなので、原作を読んで直ぐにDVD借りに行きました。
凪沙と一果の存在感が原作そのままで、映像を見ているのに、今だ本を読んでいるかのようでした。
草彅さん、どうかこの先もいい作品に恵まれて、その演技力を存分に発揮される事を祈っております。
苦手なバージョンの草彅くんでした
原作未読。
刺さらなかったなー自分には。
なぎささんが「一本満足バー」のCMで感じる草彅くんのわざとらしさ際立つ演技にしか思えず、全く入り込めなかったのが敗因。草彅くんの演技全般ダメかというとそうではなく、「青天を衝け」での慶喜公は好感。本当に残念。
服部樹咲ちゃんはデビュー作品とは思えない自然な演技でとってもよかった😊でもなによりも1番目を見張ったのは水川あさみの演じるお母さん。初め誰か分からなかったほどの変貌ぶりに驚かされた。
もしかしたら原作の方が刺さるのかな?
草彅くん演じてくれてありがとう
昔から草彅くんの演技が好きで、
今回草彅くんが出るから興味を持ちました。
今回何度も泣けた。思い出すだけで泣ける。
家族って、親子って、何なんだろうか。
家族だから分かり合えるとか、
家族だから話せば分かるとか、
そうゆうものではないんだなと。
家族関係で暗い記憶がある人には響きやすいのかな。
少なくとも私にはすごく響いた。
目の奥で語る寂しさ、悲しさ、複雑さから、
心の闇は誰でも持っていて、ただ、
だからこそ分かり合える人がどこかに居るのかな。
少しそうした希望を感じた作品だった。
生を性を姓を全うするということ
流行りのトランスジェンダーとか多様性とかカラフルな自分って何?そんなの世界規模で指標にされてすることなの?それに疑問も持たず、ただ従うだけ?
授かった生を性を姓を大切にする。当たり前なことが当たり前でなくなっている昨今。
終始主人公が悲しかった。
ありのままの自分を表現することが許されず来たような健二。
ありのままでいいんよ、ありのままの性でありのままの姿で。
ありのままが歪め、縮こまされて、切り刻まれて行く悲しさを終始見せさせられた。
愚かとしか良いようのない性転換も自らを否定する悲しさを感じた。
私の知り合いに先天的に男性器を持っていながら、後天的に女性器も発達した世界的にも希な人がいる。
彼はどうも表面上(服装や格好)は女性を選んでお水の世界にも入った。
今は足を洗ったらしいが相変わらず女装。どちらの性も持っているのだけれど。
男性の彼が好きだったなぁ。女装しだしてから彼は閉鎖的になって遠ざかってしまった。
自分の身体を大切にして欲しい。ありのままの自分を愛してあげて欲しい。
結局はそこに行きつく。
それは私自身にも言えること。昔は女性であることを否定して男になりたかったなぁ。それって、自己否定。
ありのままの自分を愛するんよ。愛でるんよ。
それを自分にしてあげることが人には出来るんよ。
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