スポットライト 世紀のスクープのレビュー・感想・評価
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「真実」という言葉の重さ
アメリカで教会を訴えると言うことは、日本で天皇を訴えることと似ている。それでも真実を伝える事に人生をかけて挑む姿が、ジャーナリズム大国アメリカで、さすが。
伝えるのものの「覚悟」が強く伝わって来る作品。
真のジャーナリズム。
記者たちの地道な努力が
教会の大スキャンダルを白日の下に晒した。
ボストン人々にとって神父は神様そのもので、
彼らを糾弾することは信仰を打ち崩すことにもなりかねない。
取材は情報源だけでなく記者自身の心も傷つけるが
それでも第三権力を行使して、
教会の暴挙を止めるため必死に進む。
こういった記者たちの地道な仕事ぶりに裏打ちされる形で彼らの正義が描き出され、自然と引き込まれる。
マークラファロがマイケルキートンに
マジギレするシーンや、
ラストの日曜の電話番シーンは最高です。
ボストングローブの5人の記者
2002年、700本の記事によって249人の神父の小児虐待を告発し、1,000人以上の被害者が明らかになった最初の記事を世に出すまでのあれこれ。
タブーに挑む記者たちと地域に根差した腐敗したネットワークが明らかになる展開に背筋が凍った。
クリスマスに教会で歌う子供たちと、それを苦い顔で見つめるマーク・ラファロが印象的。
骨太でしっかり描ききってる
2年前のアカデミー作品賞やっと鑑賞。
評判通り良かった。
骨太の社会派作品は最近の好みなので、満足。
10年間プロテスタントの学校に通ったとはいえ、日本人的に「教会」の存在っていうのはなかなか実感しにくい。
(そもそもプロテスタントは牧師さんだったし。)
本作鑑賞後に神父による性的虐待事件についてさらに記事を読んでみたけど、当時当たり前のように隠ぺいされた出来事が、今作品賞を取るっていうのは改めてすごい。しかもそんなに昔のことじゃないのに。
アカデミーは時代を反映する。だから面白い。
映画に関していえば、どのキャストも素晴らしい演技。前年にバードマンで話題になったマイケル・キートンも、そして助演女優賞にノミネートしたレイチェル・マクアダムスも。
こういう映画をもっと見たい。
硬派で骨太
教会も新聞社も、不完全な人間の組織だと描いていた。誇りがあり、利得に動き、見落としもする。
全編通して新聞社側から描いていた。神父や弁護士のドキドキする映画演出的な画策は無し。だから骨太で硬派になっていたと思う。
アメリカの文化、実生活における神父さんの立場がよく分かった。
アメリカ国民にとっては衝撃で、忘れてはいけない点でもあるからアカデミー作品賞を取ったような気がします。
マスコミの目的とは
ペンは剣よりも強し、随分聞かなくなった言葉であるが、この作品の中では粘り強い記者の行動から教会が隠蔽してきた事実が暴かれる。
そして、これが実際に起こってきた出来事であり、リアルタイムで起こり続けている事に恐怖を感じる。
人の心の自浄を促す神父や牧師が起こす犯罪に教会の自浄作用が皆無に等しいのは悲しいかな妻帯しない事も色々関係があるとは思う。
子どもを狙った卑劣さ、罪に問われず新たな地域に赴任し再犯を重ねる等、まったく救われない。
聖職者足り得るのは、誠にもって難しいと思うが、性色に溺れる者を聖職者として職務に就かせるのは如何なものか?
本当に恐ろしい内容で解決しないままラストを迎えなくて良かった。
ジャーナリズムのあり方
カトリック教会による性的虐待の隠蔽を暴いたジャーナリスト達を描いたドキュメント映画。
力量のあるキャストと、淡々と進む展開の中での台詞回し、やり過ぎにならない程度の感情表現等が絶妙なリアリティを演出している。
劇的な演出は無いが、だからこそこのテーマの重さがひしひしと伝わる。この映画で描かれた記者達の姿こそジャーナリズムの在り方そのものであると思う。
この記事が氷山の一角であった事、そしておそらくそれは根本的な解決をまだ観ていないだろうと言う事、問題は何も解決していないというメッセージ性がラストの数シーンで示されていた事も、この映画に重みを与えている。良作でした。
前からみたかった
日本と宗教の考え方の違いがありますが、隠された事実の大きさに驚愕です。自分の身近で隠蔽され続けた事実に、ようやくスポットライトを当てることができた記者達のプロフェッショナリズムがかっこいいです。宗教がより身近なものである彼らにとって心の拠り所をえぐるような作業だったのでしょうか。エンドロールでその後明らかになった内容を読んで事件の大きさを感じました。
世界を驚愕せた映画⁉︎
なんて恐ろしい!
背筋が凍りつくような実態が実際に起こっていた事に寒気がしました…。
幼児虐待を行なっていたカトリック教会の神父たち。
全体の6%の人数、ボストンだけで90人もの神父が性的虐待を繰り返していたという事実に驚きました。
一体いつからこの事実は隠蔽されてきたのでしょう。
犯罪者にも関わらず、転属を繰り返し別の地で働いていることが信じられません!
21世紀になって、ようやく教会の隠蔽が公の記事にできたのですから、宗教が市民にとっていかに重要かを思い知らされました。
これがアカデミー賞に輝いた事が奇跡!
時代の変化ともいえる、作品賞だと思います。
レビュー
教会のスキャンダルが暴かれた実話。自分が信仰している宗教のスキャンダルを暴くことは、信仰していた自分の家族や友人、地域住民、過去の自分さえも裏切る行為になってしまう。それを乗り越えることは、並大抵の覚悟ではないことを強く感じた映画。
記者魂熱い
本作で扱われる事実自体を知らないという、国・宗教の違いによるギャップで感じ方は大きく違うだろうなと思う。しかし、世の中の当たり前が裏返ることが現実に起こると思うとぞっとする。
新聞社、弁護士などなど専門的な描写が興味深かった。
9.11で取材が中断される展開が熱かった。
マイケルキートンの存在感は絶品。
バロン新局長は吹替の声が素敵だった。リーダー論的にはスマートすぎていまいち。
ジャーナリスト魂がすごい!!
映画は地味だけど、事実に驚き、そしてジャーナリスト魂に震える。初めて見たときは登場人物が多すぎて、あの名前、誰だっけ?ってことになるけど、2回目以降はしっかり見れる。でも、脅迫とか、発表した後、大変だったところをもっとエグく、描いてくれたら、エンタメとしてもいいなって思いますね。
映画以前に事実が衝撃!?
ずいぶんと根の深い事件なのですね。日本人には少し馴染みのない社会的背景なのかもしれません。聖職者って一体何なの?唖然としました。この映画がどうというより、この事実が衝撃でした。
自分の理解力のなさも原因の1つであるが、難しくないですか。アメリカ...
自分の理解力のなさも原因の1つであるが、難しくないですか。アメリカの人は多分、元になった事件の事前知識があるから最初からすんなり内容が入ってくるとは思うが、日本人は事前知識がないので、理解に時間がかかった。それは日本人のために映画を作っているわけではないから仕方ないと思いますが。
でも軽く事件の概要等を頭に入れてみると普通に楽しめるかな。現実にあった話だから映画としてのアップダウンはないが、それがまたいいのかなと思った。9.11事件も劇中に登場するので、リアリティーもあった。
再び見れば評価も変わると思います。
ハードル高め
ハードル高めな内容ですが、良作に間違いはないでしょう。弁護士がらみの情報開示、秘密保持のあたりで難解な部分はありつつも、記者側の立場で内容を追っていけば飲み込めるように出来ている。
序盤で気づくのは会話のテンポが軽快なこと。(おそらく演出で気を配っているはず)とにかくダラダラする場面がなく、緊張感を一定に保っているような印象。キャスティングは演技できる人に限られていて、とにかく穴がないです。
キリスト教が生活の根本としてあるような国であれば、衝撃的なスクープでしょうね。「いたずらはしたが、そこに悦びはなかった」と言ってのける元神父のセリフがすごい。行き過ぎた信仰心は罪悪感も飛び越える最低なツールになり得るということ。
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