リリーのすべてのレビュー・感想・評価
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深い愛のひとつの形
落ち着いた色調の絵画を見ているようなオープニングの風景に、まず心をつかまれた。物語も音楽も映像も静かに美しい。
エディの表情や仕草のひとつひとつに目が釘付けになる。繊細な主人公をとてもよく演じている。リリーの可愛らしいこと。
アリシアの演技にも心が揺さぶられた。愛する夫を失っていく苦しさ。それでもなお、夫アイナーを愛し続け、リリーを心から支えていく妻ゲルダに深い母性を感じた。
2人の深い愛の形が胸に響いた。
そして衣装もとても素敵で好きだった。久しぶりに良い映画に出逢えた気がする。
涙ちょちょ切れ
なんとなく見たいなーレッドメインだしなーなんて軽い気持ちで観ました!
これが大当たりでした。
レッドメインの演技力はもちろん音楽もよかったです!!
リリーとアイナーで葛藤する繊細な心を見事に表すレッドメインの演技力に加えて、物悲しい音楽が涙を誘います。。。
ゲイルの葛藤もよく表されていて、夫の本当の姿を受け入れたくないと思う一方で、やはり忘れられない愛情で苦しむ姿にも涙しました。
性同一性障害なんて普段あんまりよく考えたことありませんでしたがこれを見て考えが変わりました。本当に本当に考えさせられる深い映画です。見る価値あり!!
美しい
リリーも、ゲルダも、
音楽も映像も、すべて美しかった。
妻の絵のモデルをするために
ストッキングを履いて、
ドレスを当てたことから
自分の中に押し込めていた
本当の「性」が目覚める。
リリーを目覚めさせてしまったという
罪の意識と、なんとかして
共存の道を探そうという熱意を持った
ゲルダは本当に強い女性だった。
幼い頃自分にキスをした、
幼馴染のハンス(恐らく初恋の相手)と
再会した時のリリーの女性らしさが
とっても印象的だった。
最後の望みをかけて会った教授の勧めで、
世界初の性別適合手術を
受けるのだけど…という話。
ハッピーエンドは期待してなかったけど、
まさかハンスとリリーとゲルダで
三角関係!?なんて思ってしまった…。
リリーは最後までゲルダを
一番愛していたと思うし、
燃え尽きた感じがあるけど、
ゲルダは本当に女性として、
同性じゃ埋められない穴を
ハンスに求めてしまったのも
すごくリアルだった。
個人的にハンスが
カッコ良すぎました…。
内容としては少し重い
面白い!と単純には片付けられないような少し重い映画でした。
予備知識がなかったので最後に実話だと知り余計に…。
リリーが2回目の手術を受ける時点で、彼女がどうなるのか分かってしまい悲しくなりました。
主人公の彼から彼女へ変わるまでの心の葛藤の描き方、彼女へと完全に変わるまでの表現力、演技力はとても良かったと思います。
エディレッドメイン綺麗だった。
最後の方は特に、もう女性だった。
仕草など、ゲルダの方が男だったし。。
結末としては、やっぱり悲しい映画だった。
なにげにアンバーハードが出ててびっくり。
正直、もっと泣けると思ったのだが。
自分の中の「リリー」の存在に苦しんで、最後には念願の「女性」になれたものの、すでに精神は疲弊しきっていて、あえない最後。
気の毒で痛ましい、という感情は持つのだが、そんなリリーのことよりも、ゲルダのことがずっと気になってしまった。リリーは苦しみながらも、自分のしたいことをしてきた。それに引き換えゲルダは、アイナーの中に隠されていたリリーを、一生懸命理解しようとし、受け入れ、献身的に尽くした。
男前すぎるゲルダの、慈悲深いサポートがあってこそのリリーであったのだ。
ラスト。僕にとっては、風に飛ばされていったスカーフは「晴れて女性になれたリリー」ではなくて、「解放されたゲルダ」に思えて仕方なかった。あの最後の笑顔に救われた。
今まで見て感じたことのないモノ
後ろめたさのある美しさに引き込まれました。
アイナーが徐々にリリーになっていく過程は悲しくもありながら、どこか希望に満ちていて、ゲルダとリリーの絆にも感動しました。とても繊細なのに強い。そう感じた映画でした。
また風景や衣装が素敵で、映像の質感もマッチしていて凄く良いです。
個人的に伝記が好きなので面白かったです。こういう人がいたこと、実在...
個人的に伝記が好きなので面白かったです。こういう人がいたこと、実在していたという事に感動します。あと、エディ・レッドメインが美しすぎる。女性であることを大事にしたいと思える映画。
妻の愛に感動。
性同一性障害、なんて今の時代なら普通に語られることだけど何でも初めはあるもので世界で初めて性転換手術をした男性の実話でした。
女性の自我に目覚めてこの時代に自分の意の赴くままに突き進んだこの男性にも驚くが、それ以上に妻の献身的過ぎる愛の深さに感動。女性になれた夫は幸せいっぱいだろうけど、それを止めることも出来ず、愛することもやめられず、受け入れながら手助けをしなければならない妻の気持ちはどれだけ地獄だったか。
エディの演技にも注目。最初は気持ち悪いかな~、なんて思ってたけど途中からは女性に見えてきた。痩せ方もすごい。こちらも感動。
魂の自由へ
私の聞き間違いでなければ、劇中で"the Danish girl"と呼ばれていたのは主人公の妻Gerdaでした。
不本意ながらも夫の繊細な美しさを見い出し、それを芸術へと昇華させ、伴侶を真の自由へ解き放った彼女。日に日に女性になっていく(元)夫との生活で、自身も女性として「男性」に寄り掛かりたい気持ちを抑えつつ、主人公を支え続けます。愛する「夫」を手放し「女性」として受け入れ、伴侶の魂を解放したのです。性別を超えた人間としての愛。同性愛などがタブーのこの時代でも、芸術家だからこそ出来たことなのかも知れません。
一方で自分の中に秘められた、長年見過ごされていた「Lili」を抑えきれない主人公。愛する妻の為に男性を演じ続けることが出来ないほど、女装をきっかけに性の不一致に目覚めてしまったのですが、もう少しGerdaの立場を思いやれないものかと、考えてしまいました。「夫」の時の方が気遣いがあって優しかったと言うか、女性になればなるほど、大胆に我が道を進むような印象でした。主人公が妻に与えることが出来たのは、絵画のテーマ、画家としての成功への切符でしょうか。
Gerdaこそ"THE Danish girl"だと思いました。
残念ながら、泣くほどの感情移入は出来ませんでしたが、迫力の演技からか、どっぷりと見応えがありました。
多様な価値観や人権が保証されない、悲しい日本の私
この映画で初めて、レッドメインとビカンダーという素晴らしい俳優に出会った。ビカンダー、その後、何本かの映画で見ましたが、この映画の彼女が一番いいかな。強くてたくましくて広くて温かくて大きい存在。そしてレッドメインの可憐さ。何て素敵なんだろう。いい妻に出会って自分のことが分かって、取り戻せて良かったね、と思った。
でも、受ける手術、基本、全部ドイツで。こういうところにドイツの徹底さと怖さを実は感じる。
そして:
もう本当にいい加減、如何に人間が、ロマンチック・ラブとか、「普通」という幻想とか装置を作って、「共同体」なり「国家」を無理やり保持してきたか、そのために信じられないほどの犠牲があったこと、それをなかったこと、見なかったことにしてきたことに気がついていい時代に私達は居るのではないか?と思う。もっと歴史から学ぶべきだ。権力者側だけからの「規範」歴史でなくて、私たち人間の歴史。人間は愚かだから愚行を繰り返すのだろうけれど、螺旋階段みたいに着実に良き存在になっていけばいいのに。
ずいぶん前に見た映画だけどやっと何か書いた(2020.10.09)
正直な二人の葛藤が切ない
真面目な話だろうになんでR−15なんだろう?と思っていました。なるほどと見て思いました。真摯だなぁと思いました。
妻の苦悩の話でもあり、アイナーが、リリーとして生き直す話でもありました。
自分を偽らないことの喜びと、そのことが周りを、この場合は妻を深く傷つける矛盾に苦しむ様子が切なく迫ってきました。
妻には申し訳ないですが、それでいいと思いました。致し方なったと思います。
偽らず自分のやりたいように生きてこそ、誰かを愛し、慈しむことができるとわたしは思っているので。
わたしはヘテロの女を自認しているので、ゲルダの気持ちはよくわかります。
でも、リリーの気持ちもわかるんです。
多分それは女だからだと思います。
女はこの世ではどちらかといえば虐げられる側なので、常にマイナーなので、別のマイナー達にも共感しやすいのだと思います。
個人差はありましょうが。
ベンウィショーも可愛かったです。
いいお話でした。
ワーキングタイトルの製作した映画ははハズレなし、という自分神話更新です。
エディレッドメインの演技に見とれてしまった。しかし、アインを支えた...
エディレッドメインの演技に見とれてしまった。しかし、アインを支えたゲルダの愛無くしては、このラヴストーリーは生まれようがなかった。自分を貫いたアインよりも最期まで看取ったゲルダが自由に飛んで行ったのであるが。あの笑顔に清々しさを感じたのは私だけてあろうか。アインをニコールキッドマンが演じていたら。。。。。。
美しく伝える
凄く綺麗な作品でした。エディーレッドメインの演技は完璧でした。本当に感情移入するほど引き込まれる。でもこの映画のなかで一番の見どころは妻役のアリシアヴィキャンデルです。難しい感情の変化など上手く表現していて感動しました。
自分でありながら、自分でない。 もう一人の自分。 映画の冒頭、それ...
自分でありながら、自分でない。
もう一人の自分。
映画の冒頭、それがリリーだった。
しかし女装によるパーティーや男性との関わりを経て、アイナーがリリーと立ち位置を交代するような、そんな印象を受ける。
アイナーの存在は徐々にリリーの陰に隠れていくのだ。
そして最後には、自身の肉体を間違ったものとして捉え、はやく消してしまいたいと思うようになる。
妻が、彼を女性だと認めたシーンは印象的だった。
リリーのすべてを受け止めたアイナーに感動!
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