全米映画ランキング : 2009年9月11日～2009年9月13日

タイラー・ペリーの新作がV。話題のアニメ「9」が2位

9月2週目の全米ボックスオフィス。4本の新作がランクインした先週末は、アフロ・アメリカンに人気のタイラー・ペリー監督・出演によるマディア婆さんシリーズの新作「I Can Do Bad All by Myself」が約2400万ドルの興収で首位デビューを飾った。09年2月公開の「Madea Goes to Jail」の大ヒットに気をよくしたか、わずか半年後の公開となったシリーズ第5作は「ベンジャミン・バトン／数奇な人生」「ハッスル＆フロウ」のタラジ・P・ヘンソンを主演に迎え、突然子供3人の世話をすることになったわがままな女性エイプリル（ヘンソン）の新しい人生が描かれる。ゲストとしてR&Bシンガー、メアリー・P・ブライジとグラディス・ナイトが出演。2位はティム・バートン＆ティムール・ベクマンベトフ（「ウォンテッド」「ナイト・ウォッチ」）製作のアニメーション「9（ナイン）」。機械の反乱によって人類が絶滅したあとの世界を舞台に、人類の生き残りの科学者が最後の希望を込めて作り上げた9体の人形と機械軍との戦いを描くという、「ターミネーター4」と「サイボーグ009」を併せたような内容のアクション・ファンタジー。批評家からはそこそこの評価を受けているが、オープニング興収約1090万ドルはちょっとパンチ不足か。監督は、本作が長編デビューとなるシェーン・アッカー。オリジナルは同監督の短編アニメ。声の出演は主人公9にイライジャ・ウッドのほか、ジョン・C・ライリー、ジェニファー・コネリー、クリストファー・プラマー、クリスピン・グローバー、マーティン・ランドー。音楽はバートンの盟友ダニー・エルフマン。3位「イングロリアス・バスターズ」は1億ドルの大台を突破。今週中には「パルプ・フィクション」（94年／最終興収約1億800万ドル）を抜いて、タランティーノ監督最大のヒット作に。初登場6位は、ネタ切れハリウッドで最近流行りのホラーリメイク作「Sorority Row」。同作は「スプラッター・ナイト／血塗られた女子寮」（83）のリメイクで、オリジナル作の邦題の通り、女子学生たちが殺人鬼に血祭りに上げられていく。「DRAGONBALL EVOLUTION」でチチを演じたジェイミー・チャンが出演。そして、批評家による酷評のせいか7位デビューとなってしまったのがケイト・ベッキンセール主演のサスペンス・アクション「ホワイトアウト」。南極で起きた殺人事件にベッキンセール扮する女性捜査官が挑む。監督は「ソードフィッシュ」のドミニク・セナ。織田裕二主演の同名映画（00）とは全く関係なし。今週末は「JUNO／ジュノ」のディアブロ・コーディ脚本、ミーガン・フォックス主演のコメディ「Jennifer's Body」、先のベネチア国際映画祭で上映されたソダーバーグ監督＆マット・デイモン主演の「インフォーマント！」、ジェニファー・アニストン＆アーロン・エッカート主演の「Love Happens」、3Dアニメ「くもりときどきミートボール」などが公開される。

2009年9月15日更新　藤井竜太朗