ミロス・フォアマン
チェコスロバキア(現チェコ共和国)、カスラフ生まれ。幼くして両親をナチスの強制収容所で亡くし、親戚や友人の家を転々とする。プラハの国立映画学校卒業後、1964年に長編監督デビュー。続く「ブロンドの恋」(65)と「火事だよ!カワイ子ちゃん!」(67)が立て続けにアカデミー外国語映画賞にノミネートされ、一躍チェコ映画界期待の星となる。68年、同国の民主化運動「プラハの春」に対するソ連の軍事介入をきっかけに米国へ逃れ、以降ニューヨークを拠点に活動。米国での長編1作目「パパ、ずれてるゥ!」(71)でカンヌ国際映画祭の審査員特別グランプリを受賞する。「カッコーの巣の上で」(75)では、アカデミー賞で作品賞・監督賞を含む5部門、「アマデウス」(84)では同8部門に輝き、「ラリー・フロント」(96)ではベルリン国際映画祭の金熊賞、「マン・オン・ザ・ムーン」(99)で同銀熊賞(監督賞)を受賞。78年から米コロンビア大学映画学部の共同学部長、学部長、名誉学部長を歴任した。18年4月、米コネチカット州ウォーレンの自宅で死去した。享年86歳だった。