フィリップ・ガレル
仏パリ近郊ブローニュ=ビヤンクール出身で、父は俳優のモーリス・ガレル。早くから映画に親しんでヌーベルバーグの影響を受け、16歳のとき35ミリで撮影した初短編「Les Enfants désaccordés」(64)を発表、1968年には初の長編監督作「Marie pour mémoire」を世に出して批評家に絶賛される。監督作「処女の寝台」(69)に楽曲を提供したロック歌手のニコと72年に結婚。10年ぶりに商業映画に復帰した「秘密の子供」(79)で82年ジャン・ビゴ賞を受賞した。79年に離婚。ニコに捧げた「ギターはもう聞こえない」(91)でベネチア国際映画祭の銀獅子賞、「白と黒の恋人たち」(01)で同国際映画批評家連盟賞、83年に再婚した俳優ブリジット・シィとの息子ルイ・ガレルが主演した「恋人たちの失われた革命」(05)で2度目の銀獅子賞を受賞。仏映画の名匠の地位を確立する。その他の監督作に父モーリス主演でカンヌ国際映画祭のフランス映画の展望部門グランプリ受賞作「自由、夜」(83)、「愛の誕生」(93)、カトリーヌ・ドヌーブ主演作「夜風の匂い」(99)など多数。