中村勘三郎(18代目)
本名は波野哲明。父は人間国宝だった歌舞伎役者17代目中村勘三郎、姉は女優の波乃久里子。3歳のときに5代目中村勘九郎として歌舞伎座で初舞台を踏む。子役として映画「アッちゃんのベビーギャング」(61)などにも出演した。その後も芸に磨きをかけ、立役・女方を問わず様々な役をこなし、歌舞伎界きっての人気俳優になる。その一方で、NHK大河ドラマ「元禄繚乱」(00)では主人公・大石内蔵助を演じるなど幅広いジャンルで活躍。05年に18代目中村勘三郎を襲名した。江戸時代の芝居小屋を再現した「平成中村座」は、ニューヨーク公演も行われ大きな話題になった。映画では、主演作「やじきた道中 てれすこ」(07)のほか、「真夜中の弥次さん喜多さん」(05)、「ディア・ドクター」(09)、「座頭市 THE LAST」(10)などに出演。長男の6代目中村勘九郎と次男の2代目中村七之助も歌舞伎俳優。12年6月に食道がんの手術を受け、回復したものの、その後肺炎を患い12月5日急性呼吸窮迫症候群のため57歳で逝去。