あずみ : ウィキペディア(Wikipedia)

あずみ』は、小山ゆうの同名の漫画『あずみ』を原作とする日本映画。主演は上戸彩。続編の『あずみ2 Death or Love』についても本項で扱う。

あずみ

あずみ』は、2003年に公開された第1作である。2006年にはアメリカでも公開された。

原作第3巻までのストーリーを最上美女丸が関わる形にアレンジしている。

あらすじ

キャスト

スタッフ

  • 製作統括:児玉守弘、気賀純夫、亀井修、坂上直行
  • 企画:濱名一哉、遠谷信幸
  • プロデューサー:山本又一朗、中沢敏明
  • 共同プロデューサー:佐谷秀美
  • ラインプロデューサー:大里俊博、青木弥枝美
  • 原作:小山ゆう(小学館ビッグコミックス刊)
  • 監督:北村龍平
  • 脚本:水島力也、桐山勲
  • 音楽:岩代太郎
  • 主題歌:我那覇美奈「ねがい」(フォーライフミュージックエンタテイメント)

あずみ製作委員会

  • TBS(谷徳彦、田中康之)
  • 電通(青木真樹、田中渉)
  • 小学館(杉山千絵、市原武法、成田明弘、油井卓也、志村武彦、山根博行、植田文郎、牧野ひろみ)
  • 東宝(瀬田一彦)
  • ポニーキャニオン
  • ショウゲート
  • セディックインターナショナル
  • 角川映画

主なロケ地

  • 岡山県井原市美星町
  • 岡山県高梁市川上町
  • 広島県福山市沼隈町

その他

あずみ2 Death or Love

あずみ2 Death or Love』(あずみツー デス オア ラブ)は、2005年に公開された第2作である。

監督は「平成ガメラ」シリーズでも知られる金子修介。また脚本は『獣兵衛忍風帖』などで海外でも人気の高いアニメーション監督・川尻善昭が水島力也(本作品のプロデューサー・山本又一朗のペンネーム)と共に務めた。

2003年公開の『あずみ』の続編として作られた。監督自身、『キル・ビル Vol.1』に触発されたと語り、栗山千明など『キル・ビル Vol.1』に出演した役者を起用した。

前作に比べるとアクションよりストーリーが重視され、戦いの中で心が成長し「愛」という存在に分らないながらも葛藤するあずみを演出している。

アクションは前作よりも抑えられたが、敵味方共に戦いの中で沢山の犠牲を払い、様々な登場人物たちの「死」を通じて揺れ動く人々の心を演出している。

ストーリー

あずみは主君・加藤清正の仇をとろうとする井上勘兵衛に付け狙われる日々を送っていたが、ひょんなことから豊臣方の大名・真田昌幸を狙うため、再び旅に出ることになった。あずみの初恋の相手・なちにそっくりな人物・銀角と出会ったあずみは、沢山の犠牲を払いながら、真田軍と絶体絶命の戦いを繰り広げる。

キャスト

  • あずみ - 上戸彩、宿南明日華(少女時代) - 本作品主人公。明るい服装で半袖、太ももを見せている。戦いの中で愛に目覚め「年頃の女」と人の死を通じて「刺客としての使命」に揺れる
  • ながら - 石垣佑磨 - 前作で生き残った刺客。マタギのような服装。こずえを立派なくノ一にしようとコツを伝授するが、それを逆手に取られ、あずみへの気持ちをそそのかされる。
  • こずえ - 栗山千明 - 新人くノ一だが実は幼少より潜入していた間者。緑系に赤い水玉の服を着用。白っぽい上着に笛を隠し、あずみよりも太ももを見せるなど下半身は際どく攻めている。刀を使った戦いより弓を使う戦いに素性がある。
  • 銀角/なち - 小栗旬、杉村怜音(少年時代)
  • 井上勘兵衛 - 北村一輝
  • 金角 - 遠藤憲一
  • 服部半蔵 - 宍戸開
  • 土蜘蛛 - 坂口拓
  • 六波 - 謙吾
  • 三郎太 - 増本庄一郎
  • 雉丸 - 伊藤俊
  • 喜平太 - 武智健二
  • 慎太郎 - 渕野俊太
  • 侍Z - 野村祐人
  • 千代 - 前田愛
  • よね - 根岸季衣
  • 真田幸村 - 永澤俊矢
  • 南光坊天海 - 神山繁
  • 空如 - 高島礼子
  • 真田昌幸 - 平幹二朗
  • 安住紳一郎

スタッフ

  • 原作:小山ゆう「あずみ」(小学館刊)
  • 監督: 金子修介
  • プロデューサー:山本又一朗
  • 脚本:水島力也川尻善昭
  • 音楽:川村栄二
  • 撮影監督:阪本善尚
  • 美術:稲垣尚夫
  • 照明:大久保武志
  • アクションディレクター:中村健人
  • 編集:掛須秀一
  • 音響効果:柴崎憲治
  • 製作:「あずみ2」製作委員会(角川映画、TBSテレビ、電通、小学館、ショウゲート、アミューズソフトエンタテインメント、東宝、IMAGICA、セディックインターナショナル、トライストーン・エンタテイメント)
  • 上映時間:112分

主要人物の「愛」と「死」への流れ

あずみ - 「愛」と「刺客」として葛藤している前半は、一人の敵相手に鍔迫り合いをするなど、前作と比べて弱さが目立つが「なち」そっくりの「銀角」絶命後は、吹っ切れたかのように強くなり沢山の敵を沈めている。

戦って倒した敵の数は100人以上である。

ながら - 彼も長らくの間あずみと旅を重ね、あずみにほのかな感情を抱いているが、「銀角」と出会い揺れ動くあずみの気持ちを把握していなかった。こずえにながらの気持ちを見透かされ、あずみに「幸せになってほしい」と別れるが、胸を矢で射抜かれこずえの罠と知る。

「天海とその刺客を葬る」こずえの初めての使命に、怒りを表し抵抗するがこずえに何度も刺され、「あずみだけは討つな」と言い残し絶命。

こずえ - 新人くノ一で「九度山周辺の出身」としてあずみらに同行。宿場町の戦いで一人の敵に斬られそうになるも、ながらに助けてもらう。その後敵の弓を奪い、ながらの窮地を救う。その後二人から「8歩」・「6歩」あれば避けられると教わり、前述の通りながらを殺害。その後も「使命」を続行。

何食わぬ顔であずみらと合流するが、それがあずみの不信を買いマークされる。ある人が台詞を聞いた瞬間、突然天海の取り巻きを殺害。それによりあずみにばれ、ながら殺害を白状。あずみの温情を無視して「ながらの遺言」を教え、それを反故にする。弓であずみを討とうとしたが「6歩」以上あったため出来ず、刀での戦いに挑む。しかしあずみの一太刀を体に受け、刀を握りしめ絶命。

あずみに斬られるまでに倒した敵は5人(弓で一人・小刀でながら含め4人)である。

作品演出の特徴

一部の人物は爆死など壮絶な最期を迎えるが、大半の人物は強い人物であっても、あずみの前では弱く描写されている節がある(こずえの場合は、他の人物とパターンが違うため下に記載)。

殺陣についてもCGやカット割りを使用し、アクションを補っていたりする。

また人物の死についても口頭でのみ述べ、心情を深く掘るよりも戦闘に至るまでのスピードを重視している。

戦闘によって絶命する場合

戦闘前 アクションを長めにするかアクション前の会話を長くするか、その両方である。

戦闘後 致命傷を受けた直後の表情(苦しむ・断末魔・死を理解できないなど)を映し、地面に倒れるまでを映している。

絶命後 横たわる敵を映し、その周りをあずみらが囲んだり、死体が近くにある中で会話をすることが多い(こずえは主要人物の中で、死に至るのが早いので致命傷を受け倒れたのち、あずみ始め周りの人から見られる。)。

こずえの場合

こずえ役は監督たっての希望で栗山を起用したが、栗山は時代劇アクションは初めてだったため、新人くノ一として設定された。

また「草」という設定も与えられ、ながらを殺害し、あずみにその仇を取らせるなど、最期の扱いは特殊なものである。

さらに、自らの剣術の低さを補うため弓・闇討ちなどの手で、ある程度の戦闘力は保有している描写を描いている。

そして最初の笑顔溢れる描写や戦闘後の描写など、演じている栗山の個性などを強く反映している。

戦闘前 ながら殺害を白状するなど素性を暴露。弓を捨てあずみに刀を構え、「私の使命なのさ」と声を上げ襲い掛かる。

戦闘時 刀を何度も振るうが、一瞬の隙をつかれあずみの一太刀を体に受ける。これが致命傷となる。

戦闘後 致命傷を受けた顔を映し、フラツキ地面に倒れる。

絶命後 目を開けたまま横たわる姿を映し、あずみに「お前がながらをころすなんて」といわれる。

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/09/02 06:14 UTC (変更履歴
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