柴田駿
映画配給会社フランス映画社の創業者で、代表取締役社長を務めた。大阪生まれ。東京外国語大学フランス語学科中退。68年、故川喜多和子さんとともにフランス映画社を創業し、「傑作を世界からはこぶBOWシリーズ」と銘打って、「旅芸人の記録」(テオ・アンゲロプロス監督)、「ベルリン・天使の詩」(ヴィム・ヴェンダース監督)、「ストレンジャー・ザン・パラダイス」(ジム・ジャームッシュ監督)、「悲情城市」(ホウ・シャオシェン監督)など、世界の名匠の映画を次々日本に紹介。また、90年のカンヌ国際映画祭や、94年のベルリン国際映画祭では審査員も務めた。日本配給を手がけた「ピアノ・レッスン」(ジェーン・カンピオン監督)は、93年度のカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したほか、翌年のアカデミー賞で脚本賞、主演女優賞、助演女優賞の3部門で受賞し、フランス映画社最大のヒット作品となった。ジャン=リュック・ゴダールとも個人的に親交を持ち、「勝手にしやがれ」「気狂いピエロ」のリバイバル上映や、近作「ゴダール・ソシアリスム」にいたるまで、数多くのゴダール作品の上映を手がけた。