ジェームズ・キャメロン監督、山崎貴監督とVFX談義「ゴジラ-0.0」に期待を寄せる【「アバター ファイヤー・アンド・アッシュ」ジャパンプレミア】
2025年12月10日 22:30

ジェームズ・キャメロン監督が、「アバター」シリーズ最新作「アバター ファイヤー・アンド・アッシュ」を引っさげ、3年ぶりにプロモーション来日。12月10日、東京・TOHOシネマズ新宿で行われたジャパンプレミアに出席した。
先日、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催されたワールドプレミアで、早くも絶賛の声が数多く寄せられている本作。キャメロン監督は「3作目となる今回は、主人公の家族にさらなる危険が迫り、シリーズの持ち味である冒険と映像美、驚くべき展開がよりエモーショナルに描かれている。これ以上、言葉で説明しないほうがいいかな。Just Watch(とにかく見て)」と自信に溢れるアピールだった。

ジャパンプレミアには、俳優の宮世琉弥と「ゴジラ-1.0」が第96回アカデミー賞で視覚効果賞を受賞した山崎貴監督が来場。ひと足先に本編を鑑賞し、その興奮と感動をキャメロン監督に直接伝えた。
山崎監督は、現在撮影中の新作で「ゴジラ-1.0」の続編にあたる「ゴジラ-0.0」の現場セットから、プレミア会場に直行。「ただいま、某怪獣映画を撮っておりまして。今日は(午後)5時までにここに着けば、キャメロン監督にお会いできるということで、スタッフも『キャメロン監督ならしょうがないな』とかなり急いでくれた」と当日の動向を明かした。


その山崎監督は、透明度を保ったまま、空中で弾ける水滴や、燃え盛る炎の輪郭を表現する最新VFX技術について「ちょっとハンパないですね。本当に勘弁してほしい(笑)」と圧倒された様子。「技術が物語とキャラクターに完全に寄り添い、仕えている。CGで描いたキャラクターたちの“魂”がちゃんと見えてくる」と、同業者の視点から熱弁した。
続けて「でも、技術のすごさを忘れて、瞬きせずに映像の全てを吸収してほしい。人生で味わうことのできない冒険を体験し、生涯の心の支えになりうる作品」だと絶賛した。
山崎監督の熱意に押され、キャメロン監督も最新のモーションキャプチャーについて語り、「技術は使いたいから使うのではなく、あくまでストーリーテリングのため」とVFX談義に花を咲かせる。

また、「ゴジラ-0.0」については「もう情報は解禁されているんですか? ここで話題にしていいのかな?」と注意深く問いかけ、「もう発表されているんですね。安心しました(笑)。ぜひ続編を楽しみにしています」と期待を寄せた。
さらに「今日、山崎監督は私に会うためにセットを飛び出してくれたんですね。もし、スケジュールに遅れが出たら、私がセカンドユニットの監督を努めます」と仰天オファーも飛び出し、山崎監督は「僕の立場がなくなりそう」とタジタジだった。
「素晴らしい俳優たちが演じたキャラクターたちと一緒に、ぜひ冒険を体験してほしい。夢と恐れ、葛藤と成長、そして家族愛というものは、国や言語を超えてエモーショナルに訴えかけるもの。それを世界中の皆さんに、ただ感じてほしい。すでに長く生きていますが、今ほど冷たく怒りに溢れている世界を私は知りません。だからこそ、人間本来の姿を思い出してもらうために、この映画を作ったのです」(キャメロン監督)


本作は2022年公開の「アバター ウェイ・オブ・ウォーター」の続編。ジェイク・サリーとネイティリの息子ネテヤムの死で終わった前作の後を描く。今回はサリー一家が愛する者を失った悲しみに向き合う中、火山に住む敵対的なナヴィの集団「火の部族」という新たな脅威が現れる。復讐に燃える部族のリーダー、ヴァランをウーナ・チャップリンがシリーズ初登場で演じる。サム・ワーシントン、ゾーイ・サルダナ、シガニー・ウィーバー、スティーブン・ラング、ケイト・ウィンスレットらが続投する。
「アバター ファイヤー・アンド・アッシュ」は12月19日に日米同時公開される。
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