強盗が寝台列車を襲撃→実体験の“恐怖心”を映画に 「KILL 超覚醒」ニキル・ナゲシュ・バート監督に聞く
2025年11月13日 18:00

インドのバイオレンス・アクション映画「KILL 超覚醒」が、11月14日から公開される。第48回トロント国際映画祭ミッドナイト・マッドネス部門でのワールドプレミアを皮切りに世界各国の映画祭で称賛を浴び、2025年国際インド映画アカデミー賞で5部門を受賞した注目作。すでに「ジョン・ウィック」シリーズのチャド・スタエルスキによるプロデュースで、ハリウッドリメイクも決定している。メガホンをとったニキル・ナゲシュ・バート監督に、オンラインインタビューで本作の話を聞いた。
(C) 2024 BY DHARMA PRODUCTIONS PVT. LTD. & SIKHYA ENTERTAINMENT PVT. LTDインド東部ジャールカンド州から首都ニューデリーへと向かう約1200キロのルートを走る寝台列車に、総勢40人の凶悪な武装強盗団が乗り込んでくる。乗客から金品を荒々しく奪おうとする彼らは、列車に大物実業家とその家族が乗っていることを知り、実業家の娘トゥリカを人質にとる。ところが列車に乗り合わせていたトゥリカの恋人は、インド特殊部隊に所属する最強の男アムリトだった。恋人の危機に怒りが爆発したアムリトは、たったひとりで武装強盗団に立ち向かう。
大学生時代のある経験からです。当時はよく電車に乗って旅をしたり、寝台列車に乗って大学から家に戻るような生活をしていました。ある時、乗っていた寝台列車がグァバの産地を通ったので、グァバを獲りに行こうと思って列車を降りたら、他の乗客が血だらけだったんです。刺されたり、殴られたりして血を流している姿を急に見ることになりました。驚いたことに強盗に襲われたと聞かされて、自分が気付かないなかでそんなことが起きていたんだととても怖くなりました。
若かった自分にはとても怖くて、印象に残っていたんだと思います。本作の脚本を書くときに、自然にこれを書かないとといけないと思いました。強盗に襲われたときの恐怖心をうまく描くにはどうしたらいいのか考えたとき、アクションをリアルに、そして過激に描くしかないというのが自分の選択でした。
(C) 2024 BY DHARMA PRODUCTIONS PVT. LTD. & SIKHYA ENTERTAINMENT PVT. LTD答えはイエスでもありノーでもあります。インドでは70年代から暴力的な映画も作られてきて、多くの人が活躍してきました。80年代、90年代と続いてきた伝統であり、ここ20年くらいは、南インド映画はバイオレンス作品も隆盛していると言えると思います。
ただ、それらの映画と本作は映画としても、アクションのスタイルとしても少し違うと思います。リアルなアクション――エクストリームアクションと呼んでいいかもしれませんが、そういった形で言うと本作が最初になると思います。ただ、もともと他の国でもバイオレンス作品はたくさんありますし、私自身も子どもの頃から見てきました。なので、結果的にインドでこのジャンルの映画を始めた第一人者と言われることもありますが、うまくタイミングに乗れてラッキーだったなと思っています。
(C) 2024 BY DHARMA PRODUCTIONS PVT. LTD. & SIKHYA ENTERTAINMENT PVT. LTD一つ挙げるとすれば、ある出来事をきっかけにアムリトが覚醒し、エネルギーの勢いが変わっていくシーンです。6日間かけて撮影したとても大切な場面になります。自分のギアを落としたかのように瞑想的なところに入っていって、動きはゆっくりになりながらも集中力は上がって覚醒していきます。まるで列車が別の線路を進み始めていくかのように、そのシーンをきっかけに映画自体も変化していくと言えます。
(C) 2024 BY DHARMA PRODUCTIONS PVT. LTD. & SIKHYA ENTERTAINMENT PVT. LTD今は「ラカン」というアクション映画の脚本を書いています。インドの田舎を舞台にした、「ジョン・ウィック」のような要素もあるアクション映画です。これまでインドでは田舎を舞台にしたアクション映画はなかなかなかったのですが、自分のやりたかったジャンルに挑んでいるところです。
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